韓国の文在寅政権が進める「積弊清算」に韓国紙の批判が集中。李明博政権の関係者らを狙い撃ちにした検察当局の捜査を「まるで文化大革命」「後進的な通過儀礼」などと指弾している。写真は韓国の大統領府。

写真拡大

2017年12月2日、韓国の文在寅政権が進める積弊(過去の政権による長年の弊害)清算が韓国紙の集中砲火にさらされている。李明博政権の関係者らを狙い撃ちにした検察当局の捜査を「まるで文化大革命」「後進的な通過儀礼」と批判。逮捕者が裁判所の判断で相次いで釈放されたことも「無理な捜査」と問題視している。

批判の急先鋒は保守系の朝鮮日報。顧問の署名入りコラムで李明博政権の国防相らが軍のサイバー機能を政治的書き込みに利用したなどとして逮捕されたことを取り上げ、「国防機関のトップだった人物が逮捕されるなどという事態は、まるでこの国にクーデターでも起きたかのような錯覚を起こさせる」と非難した。

この中では「戦争の危機だとして論争している米国、安保至上主義に向かう日本、韓国をひざまずかせようとしている中国に囲まれ、国の安全を図らねばならない絶体絶命の課題を抱えている韓国としては、事の後先を考えて軽重を見極め、緩急を調節する知恵を集めるべき時だ」と強調。「そうした時に、私利私欲による罪でもなく、関係機関の間違った慣行やささいな手違いを持ち出して情報・安保担当部処トップを逮捕するのは、中国の文化大革命時の粛清を思い起こさせる」と述べている。

同紙は「政治捜査の嵐、危機に直面する韓国の法治」との社説も掲載。「有罪の証拠が明確でない場合、被告人にとって有利な方向で判断することは司法の大原則だ。ところが検察による最近のいわゆる『積弊捜査』ではこの原則が完全に無視され、検察は一網打尽式の逮捕状請求を乱発しており、これを最初に食い止めるべき立場にある裁判官は権力やインターネットなどから強い圧力を受けている。過去に前例のない政治捜査の嵐の中、この国は今、法治が大きな危機に直面している」と警鐘を鳴らしている。

中央日報は一連の捜査を「青瓦台(大統領府)のある世宗路、国家情報院のある内谷洞、検察庁のある瑞草洞を震源地にした『トライアングル強震』で李明博・朴槿恵政府の枯れた木の葉がばらばらと落ちている。『拘束の季節』だ」と描写した。

その上で「『前政権の清算』は後進的な通過儀礼となった。古代中国、司馬遷の「君子報仇十年不晩」(君子は10年という長い歳月がかかっても必ず復讐する)という2000年前の言葉を金科玉条のごとくまだ忠実に守っている国はおそらく韓国と中国くらいではないだろうか」皮肉っぽく述べている。

東亜日報も捜査のあり方に言及。「現政権に入って、検察が積弊清算を掲げて拘束令状を乱発し、令状担当判事たちも世論の非難を意識して拘束令状を簡単に発行した側面がなくはない」と指摘している。(編集/日向)