男女の仲を深めるのに欠かせない、デート。

完璧だったと思ったのに、うまくいかないときもある。私たちはそんなとき、こう考える。

―あの時の、何がいけなかったのだろうか?

あなたはその答えに、気づけるだろうか。

デート中、ボディタッチ多めの三久に対して緊張する弘之。このまま今日は...と思っていたが、あっさりフラれてしまう。

その答えや、いかに。




弘之さんのことは、大学時代から何となく知っていた。

少しの間付き合っていた元カレの友達ということもあったが、背が高くてがっしりしている体型の彼は密かに人気があったのだ。

そんな弘之さんと、知人が主催したパーティーで再会した時には、とても驚いた。

学生時代から目立つ存在だったけれど、男らしさが増し、さらに素敵な人になっていたから。

「あれ、弘之さん...?」「あれ、三久ちゃん?」

向こうも覚えてくれていたようで、私たちはすぐに打ち解けた。

「弘之さんは、今何をしているんですか?」
「今弁護士だよ。三久ちゃんは?」

弁護士、と聞いて心の中で「ほぅ」と思った。見た目だけでなく、彼は弁護士という肩書きまで手に入れ、無敵状態だ。

心の中でそんなことを思っていると、思いがけず食事に誘われた。

「せっかく再会できたし、今度ご飯でも行こうよ。」

「行きたいです〜!じゃあLINE交換しましょ。ちなみに、それって二人でご飯ってことですか?」

二人がいいに決まっている。でもがっついているとは思われたくなくて、ワザと聞いてみた。弘之さんの回答は、聞く前から想像はついていたけれど、予想通りだった。

「他に誰か誘いたい人いる?僕は二人でいいんだけど...」

こうして私は、憧れの先輩との食事に行くことになる。

しかしどうしても気になる点があり、その小さなひずみは結果として、大きな溝となってしまった。


女性がデート中に気になった、たった一言とは!?


A1:突然呼び捨てになった彼。親からも呼び捨てにされたことはないのに...


弘之さんが予約してくれたのは、恵比寿にある小さなビストロ『ビストロ エビス』だった。




以前からこのお店が美味しいという評判は聞いており、何度も来ようとしたのだが、毎回満席で入れずじまいだった。

だから今回デートで来られることに、幸先の良いスタートだと思った。

「じゃあ弘之さんは、去年独立したんですか? 」

シャンパンで乾杯しながら、お互いの近況を語り合い、探り合う。

初デートの、この会話は楽しい。男性が何を考えているのか聞くのは面白いし、赤の他人同士が近づいていく瞬間はいつも何かドラマが生まれる。

-それにしても、弁護士になり、独立している弘之さんは本当にすごいな。

尊敬と憧れの眼差しで弘之さんを見ていたが、次の一言が、私の中でとてもひっかかった。

「そうなんだよ。色々大変だけど、やりがいがあって楽しいよ。事務所は六本木一丁目なんだけどね。三久の会社は、どこにあるの?」

-ん?今、何と...?三久って言った?

急に呼び捨てになった弘之さんに、ナイフとフォークを持つ手が止まる。

親しくなってから呼び捨てにされるのは構わないけれど、久しぶりに再会してから今日で会うのは二回目だ。

しかも、前回まで“三久ちゃん”と呼んでくれていたのに、食事に来た瞬間に呼び捨てになったことに、どうも違和感を感じる。

呼び捨てにされて気にしない人も、きっといると思う。特に帰国子女の人には多いけれど、私は親からも兄弟からも“ミクちゃん”と呼ばれている。

そこまで仲良くない人から、呼び捨てで呼ばれたことなんて、ない。

-二人で食事に来たから、フランクになったのかな。

悶々とした気持ちで、私は美味しい料理を口に運ぶ。いい人だと思ったけど、ちょっと俺様主義っぽいし、彼氏にはしたくないかも。

そんなことを飲みながら考えているうちに、私は迂闊にも酔っぱらってしまった。

「大学時代、三久は結構人気あったからなー。」
「嘘だよ〜。本当ですか?嬉しいなぁ。」

そんな状態で褒められ、私は弘之さんの肩を叩く。褒められて嫌な気分になる女はいない。

シャンパン数杯とワイン1本を二人で飲み干し、私たちは2軒目へと向かった。

外に出ると冬の夜風が容赦なく吹き付け、思わず身震いをする。明治通り沿いは寒くて、私は思わず目の前にあった弘之さんの腕に身を寄せた。

「さむ〜い!!」


男女で異なる、ボディタッチの定義と意味


A2:女性がするボディタッチの意味。そこに深い意味は特になし


しかし、私は弘之さんの腕に近づいた瞬間に後悔した。
想像以上に、彼が緊張していたからだ。

外が寒くて、目の前に暖かそうなコートと腕があったからそこに近づいただけ。

私の中では、自分を温めてくれる“ホッカイロ”くらいの感覚でしかなかった。

慌てて手を離し、少し気まずい思いを一人で抱えたまま、私たちはウェスティンホテルにある『ザ・バー』に流れ着いた。




昼間はお茶をしに来るが、夜に飲みに来るのは久しぶりだった。ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気を楽しみながら、私たちは乾杯する。

少し酔っぱらった頭を抱えながらも、私たちは楽しく会話をしていた。しかし、弘之さんからのこの一言で、私はハッとした。

「三久ってさ、人と話すときの距離、いつもこんなに近いの?」

-あれ?私って、話すときに距離が近いのかな...?

特にそんな意識は、なかった。

たしかに、酔うと少し近づいてしまう癖があるし、話す時に無意識のうちに肩とかを触ってしまうことはある。

けれども、別にベタベタしているつもりはなかった。

しかも好きな人の方が意識してしまうため、下手に触れないことの方が多い。

弘之さんの顔を見ると、明らかに何か期待に満ちた表情をしていた。

「今、彼氏はいないの?」
「いないですよー。誰かいい人いませんかね?」

慌ててその気はないと婉曲的に伝えてみるが、私は気がつかないうちに、彼をその気にさせてしまっていたようだ。

帰り際、タクシーを2台頼むととても残念そうな顔をされた。

「もう帰っちゃう?次はいつ会えるかな?」
「んー...ちょっと年内は忙しくて。年明け…、また来年連絡しますね。」

曖昧な返事をし、私はタクシーに乗り込む。

今回のデートで弘之さんは彼氏候補ではなくただの大学の先輩という枠に収まったし、変に期待させて引っ張るのも悪い。

女が行う、ボディタッチの意味。
女性からすると、男性たちが期待するような大した意味は全く、ない。

「男性って、女性よりはるかに純粋で、真っ直ぐなんだろうなぁ。」

手を振っている弘之さんをタクシーのミラー越しに見ながら、“悪いことをしちゃったかな”と少しだけ反省する。

以後気をつけようと思いながら、私はタクシーの後部座席にもたれかかった。

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デートの答えあわせ【Q】:「こんなお店、初めて♡」の真意

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Vol.3:待ち合わせは「駅or店」どちらが正解?女が思う、ベストな集合時間と場所とは
Vol.4:男がデート中に見ている仕草。女が良いと思っていることが、仇になる?
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