透きとおった出汁に、こだわりの中華麺のみという美しいビジュアルがそそる

美しく透きとおったスープに、麺と柚子のみというビジュアルがたまらない!

シンプルでありながら深い旨味が後を引き、訪れる人を虜にする新店を神楽坂に発見!

そんな潔さを感じさせる逸品が味わえる『澄まし麺 ふくぼく』を紹介しよう。



夜は和食と日本酒を提供する『蒼穹』となる店内は、ラーメン店とは思えない美しい空間。女性ひとりでも入りやすい
出汁と塩のみで作り出す深い味わいと美しさに唸る

2017年4月にオープンした『澄まし麺 ふくぼく』。まずおすすめしたい「澄まし麺」から、そのこだわりを紹介していこう。

出汁はシンプルに真昆布と鰹、いりこを使用。昆布といりこを弱火で1時間程出汁をとり、その後、削りたての本枯節鰹節を入れる。11時30分の開店時間に合わせて、出汁ひき一番出汁だけを提供。味付けは塩のみだ。

この一点の曇りもない澄んだ出汁は、とにかくまずはそのままひとくち味わうべきである。



「澄まし麺」(並盛700円、半盛500円、大盛800円) 国産鶏を昆布出汁でさっと炊きながら味を含ませた「だし炊き鶏」(350円)もおともにぴったり
「澄まし麺」は繊細な細麺のスルスルした食感とコシが最高!

続いては、管野製麺から仕入れる中華麺とのマッチングにも注目だ。

国産小麦粉の産地や粉の挽き方、細さ、弾力など全てを計算し尽くし、現在の形に辿り付いた麺。わずか45秒で茹で上がる細麺で、繊細ながらもしっかりと歯ごたえも感じられる。

こだわり抜いただけあり、澄んだ出汁に中華麺の素朴な美味しさが恐ろしいほど合う!



「醤油かけ麺」(並盛680円、半盛500円、大盛780円)
「醤油かけ麺」はシンプルな味付けで麺本来の美味しさを堪能

続いて紹介するのは「醤油かけ麺」。こちらにはスープはなく、麺のみを醤油と胡麻油のみ味付けしたものである。そのためダイレクトに麺の美味しさを味わうことができる。

もちろん「澄まし麺」で使用している麺とは異なり、モチモチとした食感とツルッとした喉越しの太麺に仕上げられている。

噛むほどに小麦の味と香りが広がり、まろやかな天然の甘みが活きた特製醤油と丁寧に作られたごま油という2つの名脇役がしっかりと、味を支えている。



「濁り麺」(並盛800円、半盛550円、大盛800円)。(写真右)鳥取県産ブランド豚「とっトン」を薄くスライスし軽く茹でた「釜揚げ豚」(300円)をトッピングするのもおすすめ
この時期だけの「濁り麺」も必食!

秋冬限定提供の「濁り麺」も絶品。胡麻と味噌を使用しており、濃度が高いため冷めにくいため寒い時期にちょうどいい。

出汁は澄まし麺とは違い、昆布と鰹節のみ。4種類の合わせた合わせ胡麻味噌を一番出汁と合わせて完成するスープは、この時期の冷えた体をじんわりと温めてくれる。


自分好みに味変させて楽しむのもおすすめ!



テーブルに備わる5種の薬味。(写真左上から)「胡麻油」、「昆布酢」、「黒胡椒」、「山椒醤」、「特製醤油」が揃っている
楽しみ方は無限に広がる!薬味や葱、海苔で自分好みにアレンジ

とにかく出汁、麺の美味しさが際立つ『澄まし麺 ふくぼく』。どの麺も最初は出された直後に、そのままの味を楽しむのがいいだろう。

しかし、全ての麺には葱と海苔が付き、テーブルには5種の薬味が用意されている。これは、味変を楽しまなければもったいない。それぞれの麺の味変の一例を紹介していこう。



胡麻油は、胡麻の粒を積み重ねて、胡麻の重さだけで自然に押しつぶして油を搾っていくという昔ながらの製法で作られた、白く透きとおった上品な香りが特徴。そのままでも飲めるほど美味しい

「澄まし麺」は徐々に味を濃くしていくのがおすすめ。そのためまずは葱と海苔を加えて見て欲しい。

八丈島産の地海苔が磯の香りと、板長たち料理人が毎日手切りする葱の旨みがじんわりと出汁に広がっていく。

ここにお好みで胡麻油をプラスするのもおすすめだ。



醤油かけ麺はもちろん、秋冬限定の「濁り麺」との相性は抜群。味噌と山椒醤で、担々麺風の味わいを楽しむことができてしまう!

「醤油かけ麺」には葱と海苔の他に、「山椒醤」をプラス。麺本来の味わいを楽しめるようにと、薄めに味付けされているため「特製醤油」も好みで追加しよう。

「山椒醤」は独自の製法で作られたもの。ほどよい辛味と旨みを含み、後から山椒のクセになるシビレも感じられる。



もうひとつの名物「鴨だしご飯」(380円)も美味。昆布、鰹、鴨でとった出汁にお米、ごぼう、人参、干しシイタケ、鴨そぼろ、そして隠し味に鴨油も一緒にいれて炊き込む。麺との相性も抜群

また全ての麺に半盛があることも同店の魅力のひとつ。

一回目の来店の場合、どの麺にしようか悩み抜いて1品に絞ったり、無理矢理2杯を注文したり。同店ならばそれぞれ半盛を注文すれば、解決だ。

また「澄まし麺」と「醤油かけ麺」を注文した場合、同時ではなく時間差で1杯ずつ出来たてを提供してくれるのも嬉しい配慮。麺が途中で伸びることなく、最後まで美味しく味わえるのだ。



どれも逸品ぞろい!ハーフサイズにして複数の味を楽しみたい店だ
店名の通り“ほんもの”を求めて

店名の「ふくぼく」とは中国の思想家・荘子の言葉に由来する。職人は修養中の身は工夫も凝らすが、真に道を極めていけば、何も飾る必要は無く、純朴な姿になる。その「原点回帰」こそが本物なのだ。

まさにその店名の示す通りの品を提供する『澄まし麺 ふくぼく』。

こってり濃厚な麺に食べ疲れているならば、ぜひこの店を訪れて“本物”を体感してほしい!