アニメの第1話放送後すぐ、そのあまりに美しいビジュアルに心を奪われた人が続出。人型をした宝石の世界を題材にした『宝石の国』は、斬新な物語性や色彩豊かな映像美で、アニメの新しい歴史を作り出す。アニメファンも初心者も必見のこの作品、いますぐ追いついて!

思わず引き込まれる、新しいSFアニメに夢中。

かつてこの星でほとんどの生物が死滅した。そして生き残った者の一部が、不老不死の体を持つ宝石となった―。

美しい宝石たちと、彼らを武器や装飾品にしようと月から攫(さら)いにやってくる“月人”たちとの戦いを描いたアニメ『宝石の国』。VFX(ビジュアルエフェクト)を駆使した、キラキラと輝く宝石たちや、軽やかに戦う映像が即、話題に。アニメ好きでなくともうっとりしてしまうこの美しい作品を、徹底解説します。初期のコンセプトアート(美術ボード)を『anan』で特別に初公開!

本作の大ファンだという、マンガやアニメに造詣が深い菓子研究家の福田里香さんの分析を読めば、今からでも追いつきたくなる&追いつけます!

宝石を奪いにくる月人の気持ちもわかります(笑)。

連載当初から、市川春子さんの原作マンガ『宝石の国』を愛読していたという菓子研究家の福田里香さん。アニメの第1話の放送を観た時点で「すごくいい!」と惚れ込んだのだそう。

「SFというととっつきにくいと思われる方もいるかもしれませんが、登場人物たちが宝石であることで、その印象は消えると思います。なぜなら『宝石が嫌い』という人は、ほとんどいないのでは? この美しさを見れば、宝石を奪いたくなる月人の気持ちもわかりますよね(笑)。その宝石たちがキラキラ輝き動いている……それだけでも、このアニメを観ていて楽しくなると思います」

(1)ストーリーの斬新な世界観。宝石が、月から自分たちを狩りにやってきた月人と戦う、という斬新なストーリー。「でもまったく見たこともないもの、という意味の斬新さではなくて、私たちがいつも見ているもの―“海と大地と月”を使って、見たことのない世界を作り上げているのがすごい。宝石だから、戦闘中に壊れた体の破片をつなぎ合わせれば元通りになる、という設定もいいですよね」

(2)ファッション性の高い宝石の美しさ。観ているだけでうっとり。宝石たちの美しさには誰もが心を奪われるはず。「マンガでは白黒で表現されていますが、色とりどりの宝石たちが輝き出すのを観られるのがアニメの醍醐味。ぜひこの美しさを原作ファンの方にも堪能していただきたいです」。キラキラと光り輝く石の色合いを見事に表現。ダイヤモンドの、光を反射して七色に輝く髪の毛がまぶしい!

(3)目を奪われる、VFXによる映像美。全編、VFX(ビジュアルエフェクト)をふんだんに使ったCGアニメーション。「宝石とVFXの相性の良さに驚きました。CGアニメ特有の動きが、宝石の動きと合っているんです。それにVFXでこんなに透明感を出せるとは……宝石たちがキラキラしながら激しく動く、CGの画期的な使い方だと思います!」。軽やかかつ力強いアクションシーンにもワクワクさせられます。

(4)主人公の見た目がメタモルフォーゼ!アニメやマンガでは、主人公の見た目は記号として一般的に固定ですが、今作では主人公・フォスフォフィライトの見た目がどんどん変わる! 「原作自体が主人公のビジュアルにたいへんな冒険をしているので、アニメ制作にも思い切った試みが満載です」。まず、失くしてしまった足の代わりに結合させた貝殻で、両脚がストライプに。この後も、驚くべき変化が続々!

(5)宝石は男? 女? ジェンダーの曖昧感。宝石たちは鉱物で、性別はない。「そこが今っぽい。宝石の成り立ちから“生殖”はないのですが、ダイヤが“恋愛体質”と言われるので、恋愛感情はありそう。一人称は僕なのに、先生以外の声優さんが全員女性で萌えます。ショートパンツにネクタイという少年っぽい寄宿舎風制服も着るし、冬眠する時はスカートもはくので、女の子の好きなもの、全部取りです(笑)」

(6)全員「細高い」、アイドルグループ!宝石の頭身を測ったという福田さん。「全員同身長で約8頭身と普通でした。細くて腰の位置が高い=細高いために15頭身くらいに見える造形がめっちゃ動くなんて、粗が目立たないよう丸い2頭身の動物キャラから始まったアニメの歴史を思うと感無量。全員似て非なるキャラは、AKB48やジャニーズなどのアイドルグループの中から『推し』を見つけ出すような楽しさです」

(7)原作は市川春子先生初の長編マンガ。福田さんは、原作者の市川春子先生が新人賞を受賞した時からの大ファン。本作にも通じる“自然と人工物”など一貫したテーマを持っているところに惹かれるそう。「“食べない”で光合成をする、という宝石たちのエネルギーの取り入れ方もおもしろいですよね」と、物語を「食」から読み解く福田さんならではの見解も。原作の確固たる世界観がアニメを支えます。

『宝石の国』information

【スタッフ】原作:市川春子「宝石の国」(講談社『アフタヌーン』連載) 監督:京極尚彦 シリーズ構成:大野敏哉 キャラクターデザイン:西田亜沙子 色彩設計:三笠 修 撮影監督:藤田賢治 編集:今井大介 音楽:藤澤慶昌 音響監督:長崎行男 制作:オレンジ 

現在放送中! TOKYO MX:毎週土曜22:00〜、MBS:毎週土曜26:38〜、BS11:毎週土曜23:00〜、AT-X:毎週土曜21:30〜、※放送時間は変更になる可能性もあります。【追いつくには…】Amazonビデオ、GYAO!、ニコニコ動画など29の動画サイトにて配信中。配信時期や料金が異なるので、自分に合ったサイトを選択!

【公式Twitter】 Twitter @houseki_animeInstagram houseki_anime

ふくだ・りか 菓子研究家。マンガ関係の著書に『まんがキッチン』(文春文庫)がある。続編『まんがキッチンおかわり』(太田出版)には、市川春子さんのインタビューと描き下ろしイラスト、お菓子「薄荷味のフォスの欠片」のレシピなどを掲載。

※『anan』2017年12 月6日号より。取材、文・門倉紫麻 (C)2017 市川春子・講談社/「宝石の国」製作委員会

(by anan編集部)