堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える本連載。今回の相談者は持田洋子さん(仮名・35歳・派遣社員)。

「30歳の時に結婚したいと思い、婚活を始めました。お見合い、合コンなどをがんばって40歳の会社員の男性と付き合うことになりました。

彼は10歳年上ですが、大手企業に勤務していて、顔もそこそこカッコいい。関西地方の資産家の次男で、結婚相手に最適です。しかもバツイチではない、というハイスペックな男性です。

彼も最初は結婚したいと言っていたから、私はすごく頑張りました。フェミニンでガーリーな彼の好みに合わせてファッションを変え、髪を伸ばしました。細身の女性が好きだというので、5キロもダイエットしたんです。さらに、週末同棲していたのですが、家庭的な女性と結婚したいと言うから、彼の家で料理、洗濯、掃除だけでなく、ワイシャツのクリーニングも出していました。

彼の家には掃除機がなかったので、海外メーカーのものを買ったり、洗濯機と冷蔵庫も買い替えてあげました。

私はいつプロポーズされるかと待っていました。私は一流企業に勤務する男性とどうしても結婚がしたく、彼を逃したら次はないと思っていました。だから、本当に必死でした。彼と結婚することばかり考えて、30代の貴重な5年間を過ごしてしまったのです。

他にも、グアムに行きたいというからその旅費、ハイブランドのバッグなどのプレゼントも買ってあげて、この5年間の交際の間で600万円くらいは使いました。それなのに、先日“好きな子ができた。洋子は重くてつらい”とフラれてしまったんです。

交際期間中にかかった費用(600万円)については、法律的に実費請求できるのでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは次のページへ

彼と別れるのに交際期間中かかった費用は請求できるのか、という質問にお答えします。あなたがデートに使った費用とか、プレゼント代などは請求できません。なぜならそれは、「贈与したもの」「自分のためにも消費したもの」であるからです。

ここからは、法律相談というより人生相談のような回答になります。

あなたは彼の職場や家柄等をもって結婚したいと願ったけれど、彼のために何かをしてあげるのは結婚と言う見返りを期待しての行動だったように思われます。あたかも彼自身ではなく、「一流会社勤務の家柄のよい夫を持つ私」という肩書きへのあこがれでしかないようにも見えます。

彼に愛情はなく、そこを無理して嫌なことや苦手なことを続けて結婚したとしても、結婚はゴールではなくて、新たな生活のスタートですから、精神的に充実した婚姻生活を送ることはできないのでは……という懸念も。自分の人生を大事にしてください。

結婚したくてイメトレや、スピリチュアルセミナー、勉強会などに通っても、全く効果はなかったとか。その費用も返して欲しいという。



■賢人のまとめ
費用の請求は難しいですが、結婚はともに人生を歩める相手であるかが重要なので、その相手でよかったかどうか冷静に考えてみてはいかがでしょうか。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/