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●アマゾンら各社の出方は?

米国で人気のスマートスピーカー「Amazon Echo」が日本でも発売され、盛り上がりを見せている。音声アシスタントとして本命視される「Amazon Alexa」に対応しており、パートナー企業の数も多いのが特徴だ。

本当に日本でスマートスピーカーは売れるのか懐疑的な見方も多い中で、競争は激化している。その中から果たして「勝者」は現れるのだろうか。

○アマゾンとグーグル、日本語で使いやすいのは?

スマートスピーカーとは、音声操作でさまざまな機能を利用できるスピーカーだ。「今日の天気は?」などと問いかけると、現在地の情報に基づいた天気予報を教えてくれる。内容はネット検索で得られる情報と同レベルだが、音声だけで使えるのが特徴だ。

11月15日には、米国でシェア7割ともいわれるアマゾンの「Echo」シリーズが日本で発売された。販売数が限られておりプレミアがついているが、最大の商戦期を迎えた米国では大量に売られており、日本への供給もいずれ解決するだろう。国内ではLINEやグーグルに対して後発となったアマゾンだが、獲得したパートナー企業は100社以上とリードを築いている。

販売競争も加熱している。Echoの発表後、アマゾンの通販サイトでLINEのスマートスピーカーが販売禁止となったことが報じられた。アマゾンは国内EC市場で楽天と並び2強の地位にあるだけに、ライバル製品の排除には疑問の声も上がっている。

一方、グーグルも「Actions on Google」によるパートナー連携で対抗する。スマートスピーカーの「Google Home」に加え、Androidスマホでも同じ音声アシスタントを利用できるのが強みだ。KDDIのホームIoT「au HOME」もグーグル対応を優先してきた。

実機を比べてみると、肝心の日本語対応でアマゾンは一歩出遅れた感がある。グーグルのほうが読み上げは自然で、回答のバリエーションも豊富だ。だがアマゾンでは買い物に使えるのが大きい。音声だけで欲しいものを探すのは難しいが、以前の注文を繰り返すのは簡単で、IT機器が苦手なシニア世代でも使いこなせる。

シニア世代ではガラケーからスマホへの移行が進んでいるものの、全員が移行できるわけではない。音声アシスタントなら、最初のセットアップの手間さえクリアすれば、スマホがリーチできない層まで取り込める可能性があるというわけだ。

●勝敗はアップルのデバイス待ち

○2018年、アップルの反撃はあるか

果たしてスマートスピーカーは日本で売れるのか。今後もさまざまな機器に音声アシスタントの搭載が見込まれるとはいえ、その切り込み隊長であるスマートスピーカーが転けると、「音声はダメだ」との烙印を押されかねない。

米国で売れている理由は、音楽ストリーミングを手軽に聞くために、ネット接続に対応したスピーカーの需要があったからだ。だが日本ではそうした下地がなく、スマートスピーカーを見ても「スマホがあるから不要だ」と反応する人は多い。

各社は音楽ストリーミングでも競合する。アマゾンはプライム会員向け「Prime Music」の100万曲に加え、4000万曲が聴き放題の「Music Unlimited」にも月額380円のEcho専用プランを設けた。一方、音楽ストリーミングで世界シェア最大のSpotifyは、国内では現時点でグーグルにのみ対応する。

この点で大きく出遅れたのが、デジタル音楽に強いアップルだ。iOSなどで使えるSiri搭載のスマートスピーカー「HomePod」を12月にも米国や英国で発売するはずだったが、年明けに延期された。

スマートスピーカーの市場はまだ立ち上がったばかりで、現時点での出遅れは致命的ではなく、業績への影響も軽微との見方が多い。だがデジタルコンテンツの競争ではアマゾンやグーグルの躍進を許すことになる。アップルが「Siri」を中心にHomePodの完成度をどのように高めてくるかが、次の注目ポイントになりそうだ。