サービス業、9月売上は前年比1.6%増の32.3兆円 好調も人手は足りるか?

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 総務省が発表した「サービス産業動向調査」によると、サービス産業の売上と従事者数は全体的に伸びているものの、売上と従事者数の動きに危うさを感じる部分があることも分かった。

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■売上高、従事者数ともに継続して増加中

 30日、総務省が「サービス産業動向調査」の2017年9月分結果(速報)と、7〜9月期結果(速報)を発表した。

 これは日本標準産業分類における情報通信業、運輸業、郵便業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、他に分類されないサービス業における生産や雇用などの動向を民間の調査機関を通じて把握するもので、サービス産業の状況を把握すると同時に、GDP(国内総生産)を始めとした各種指標の精度向上にも活用している。

 サービス産業の9月売上高は32.3兆円。これは前年同月比で1.6%の増加となり、2016年11月から11カ月連続で前年同月比を上回っている。

 同じく9月時点のサービス産業の従事者数は3,055万人。こちらは同1.8%の増加で、数年に渡って増加する傾向が続いている。

■好調な運輸業、郵便業、医療、福祉

 産業別の売上で特に伸びたのは、他に分類されないサービス業(前年同月比+5.7%、以下同じ)、運輸業、郵便業(+5.5%)、医療、福祉(+2.2%)、情報通信業(+1.6%)だ。

 産業別の従事者数では、情報通信業(+2.8%)、学術研究、専門・技術サービス業(+2.6%)、医療、福祉(+2.4%)、宿泊業、飲食サービス業(+2.3%)、運輸業、郵便業(+2.2%)が伸びている。

■不調な生活関連サービス業、娯楽業

 ほとんどの産業で売上が前年同月比を上回った中、唯一前年同月比を下回ったのが生活関連サービス、娯楽業(-3.5%)だ。

 また従事者数で前年同月比を下回ったのは、生活関連サービス業、娯楽業(-0.2%)、他に分類されないサービス業(-0.1%)の2分野。

 サービス業全体が伸びているだけに、売上と従事者数とが前年同月比を下回った生活関連サービス業、娯楽業の不調が目につく。

■生活関連サービス業、娯楽業は人手が余っている?

 さらに詳しい産業別で見ると、好調な産業には、インターネット付随サービス業(売上高前年同月比+14.9%、従事者数前年同月比+5.5%、以下同じ)、倉庫業(+10.2%、+10.3%)、運輸に附帯するサービス業(+10.1%、+3.1%)、保健衛生(+17.4%、+5.7%)がある。

 不調な産業である生活関連サービス業、娯楽業では、洗濯・理容・美容・浴場業が売上・従事者数ともに前年同月比を下回った(-4.6%、-2.5%)が、その他生活関連サービス業(-4.3%、+0.6%)、娯楽業(-2.7%、+2.3%)は売上を落としているものの、従事者数は増えている。単純に考えれば人手が余りつつあることになるが、果たして現場はどうなのだろうか。

■売上と従事者数が相反する産業も

 ただし好調な産業でも気になる部分がある。インターネット付随サービス業や運輸に附帯するサービス業、保健衛生のように、売上と従事者数の伸びに差が見られる場合だ。作業の効率化が進んでいれば良いが、従事者の負担が増えている可能性がある。

 その意味で、航空運輸業、郵便業(信書便事業を含む)は、売上高が前年同月比で+12.5%と大きく伸びているにも関わらず、従事者数が前年同月比で-2.1%と減っている。果たしてこれで上手く回っているのか心配になるほどだ。

 もちろん速報なので多少の誤差があるかもしれないが、四半期ベースとなる7〜9月期もほぼ同様の傾向を示している。サービス産業全体の動向は、今後も注視していく必要がありそうだ。