大阪に行くたびに思う。あれは外国。アメリカから見てイギリスぐらい別の国だ。

 使う言葉も違えば食ってるものも違うしやってるテレビ番組も違う。関西のジジイは南国のポケモンみたくとにかく派手な色をしている。見かけたホームレスはトラ柄だった。ババアが居酒屋に犬を連れていた。

 育つ環境が違うと音楽性にも違いが出るようで、京都以外の関西のバンドはどこか「関西っぽい」という雰囲気を纏う。バンドはどうしてもライブハウスの影響を受けるし、関西のライブハウスは色が濃い。

 そんな関西にアルコサイトというバンドがいる。完全に見逃していた。

 若干20歳。これからどうなっていくのかはともかくとして、見逃せないバンドだと思う。好きな人は好きだし、嫌いな人は嫌い。そういう極端なバンドだ。人気が出るなら、きっと関西を中心に爆発する。道頓堀川の匂いがする。ナインスアポロのパーカー着てyonigeのインスタにいいねしてるインナーカラー金髪の女を中心に火がつく。

 関西の女は離乳食にタコ焼きを作るし、LUSHの石鹸の匂いがするし、犬猫を平気で蹴るし、アルコサイトは好き。俺の偏見がそう叫んでいる。今回の情報提供元の大阪の女がそうだから間違いない。LINEのアイコンがストロングゼロ。俺から見た関西はそういう土地。

 そんなわけで西の新星。アルコサイトの単発記事です。聴け。アメ村の喧噪を感じろ。

 ここ2年ぐらいで、バンドシーンに起きた一番の変化って、こういうアツいバンドが許容されるようになったことだと思う。ちょっと前までは四つ打ちで軽いテーマの歌詞に古着をつっかぶせたバンド以外、人権がなかった。

 この風潮の元をたどると必ずアメ村に行きつくし、実際関西のバンドは重い音でライブに特化したバンドが多い。

 そういう下地がある今、アルコサイトみたいなバンドは強い。雨が降るとコンビニの入り口に陳列される高めのビニール傘のようだ。需要があるから買われる。

 ただ、そういうビニール傘は他にもたくさんある。流行りものだからね。今どこのレーベルも男らしくてアツいバンドが欲しくて仕方ない。最近は特に増えてきたと思う。

 しかも音楽性に変化をつけづらい。ジャンルの性質上メロコア寄りの展開だったりキメに頼らざるを得ない。正直、音楽性は全然好きじゃない。というか嫌い。いままでの人生避けてきた音楽だから。公衆トイレでも座って用を足すし、洗濯は白と色物を分けて洗うし、エルレガーデンよりもバンプオブチキンだった。人間が貧弱で女々しいので、アルコサイトみたいな音楽を聴くと鼓膜が怯えるのだ。

 のだけど、好きな人は超好きだと思う。俺と真逆の人間。俺は関東の男。そう、関西の女はこういうの好きだろうと。完全に思い込みですけど。

 

 他の同系統のバンドと比べて一番違う所は、歌詞だ。

 良くも悪くも、かなり鋭角に尖っている。

「僕はお父さんがいない。だから人並みの愛情を知らない」

 出だしからこれ。再生ボタンを押して2秒で母子家庭。しかもバース中何度も繰り返す。

 普通、こういう直接的な表現って歌詞では避けられる。ぼかして言うとかする。こういう生々しい表現は人を選ぶからだ。アルコサイトの歌詞はそういうリスクを一切無視している。

 だから嫌いな人は嫌いだろうけど、刺さる人には刺さる。100人聴いて100人が好きでも嫌いでもないバンドよりも。80人嫌いでも20人が大好きになるバンドの方が価値があると思う。そういう意味で、彼らは強い。

 

 例えば、おいしくるメロンパンは関東だからこそ生まれたし許容されたんだと思う。今でこそ全国区にファンがついたが出発地点が大阪じゃ人気でなさそうだ。

 比べるなら、アルコサイトはその逆を行くバンドだ。大阪を中心に波及していくバンドだと思う。

 まだ二十歳と若いけれど、高校生からオリジナルでバンドを始めて、最近じゃツアー50本打ったりとタフなバンドだ。

 売れてしまう前に観とくが吉だ。バンドって目を離すと売れてるから。

 それでは。

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