【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は1日、国会国防委員会に、南北軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)で11月13日に北朝鮮軍兵士が韓国側に亡命した事件に関する在韓国連軍司令部の特別調査結果を報告した。資料によると、亡命者を追ってきた北朝鮮軍の兵士4人は約13秒にわたり、9ミリ拳銃と小銃で発砲した。

 国防部は朝鮮戦争休戦協定に対する北朝鮮軍の違反行為として、「非武装地帯内で軍事境界線を越えて射撃」「追撃した北の軍による軍事境界線侵犯」「非武装地帯内の自動火器(AK自動小銃)搬入・使用」を挙げた。

 また、亡命者は目につかないよう、軍事境界線の南40〜50メートル地点にある韓国側施設「自由の家」西側の壁面の地面がくぼんだ所で体を落ち葉で覆ったとし、「肉眼ですぐ確認するには限界があった」と説明した。

 韓国側の対応については「見張り所に詰めた兵3人は訓練通りに措置を取り、適切な人員に状況を報告した」と述べた。さらに「銃は装填(そうてん)したが、射撃は実施しなかった」とし、その理由として、北朝鮮軍が射撃をやめたこと、すぐさま脅威になるか、攻撃を仕掛ける兆候が識別されなかったことなどを挙げた。

 国防部は、亡命者の軍事境界線越境から確認まで16分を要したとしながら、「追加挑発を懸念し、監視装備での識別を試みた」と説明した。

 亡命者の今後の扱いについて、「回復し心理的な安定を取り戻せば中央合同情報調査チームが必要な調べを実施する」とした。また、「北の軍の休戦協定違反に関し国連軍司令部名義で北への警告声明発表を検討中」と報告した。