日馬富士の暴行事件が波紋を広げている。日馬富士は引退し、白鵬も11月場所優勝インタビューの際の言動などで相撲協会から厳重注意を受けた。一連の事態は角界に君臨する「モンゴル帝国」落日の始まりなのか。資料写真。

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2017年12月1日、横綱・日馬富士の暴行事件が波紋を広げている。日馬富士は酒席で貴ノ岩にけがを負わせた責任を取り引退したが、事件は横綱・白鵬にも“飛び火”。11月場所優勝インタビューの際の言動などが問題視され、相撲協会から厳重注意を受けた。一連の事態は角界に君臨する「モンゴル帝国」落日の始まりなのか。

モンゴル出身の力士が大相撲でデビューしたのは、1992年の3月場所。前年に大島親方(元大関・旭国)がモンゴルで行った新弟子募集に応募した170人の中から旭天鵬、旭鷲山ら6人が来日した。入門当初は稽古の厳しさや日本の生活習慣になじめず、6人中5人が部屋を脱走して駐日モンゴル大使館に一時駆け込んだこともあった。

旭天鵬、旭鷲山らの第1世代に続いたのは、いずれも横綱になった朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜。朝青龍が2010年1月場所中、一般男性に暴行する事件を起こして引退した後は白鵬が第一人者として土俵の主役になり、幕内最高優勝40回、通算1064勝など数々の記録を打ちたてた。白鵬以外のモンゴル人力士の活躍も目立ち、昨年1月場所の琴奨菊まで日本出身力士の優勝は10年間なかった。

11月場所の番付で見ると、幕内のモンゴル勢は白鵬、日馬富士、鶴竜3横綱をはじめ、関脇・照ノ富士、前頭の玉鷲、逸ノ城、荒鷲、千代翔馬、貴ノ岩の計9人を数える。占有率は21.4%だ。ちなみにモンゴル組を除く外国出身の幕内力士は前頭の栃ノ心(ジョージア)、魁聖(ブラジル)、碧山(ブルガリア)の3人にすぎない。

しかし、日馬富士は思わぬ形で土俵を去り、4場所連続で休場した鶴竜は来年の1月場所に進退が懸かる。第3世代のホープと期待された照ノ富士は足の故障が長引いて大関から陥落。11月場所で10勝以上の成績なら大関に戻れたが、途中休場してしまった。新入幕当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった逸ノ城は200キロを超える体重を持て余し、前頭中位を行ったり来たりしている。

白鵬も11月場所の優勝インタビューで「日馬富士と貴ノ岩を再び土俵に上げたい」と口走ったり、観客に万歳三唱を促したりして批判を浴び、「横綱の品位に欠ける」として、相撲協会の八角理事長から口頭で注意された。白鵬は11月場所11日目に関脇・嘉風に敗れた後、負けを認めず物議を醸している。土俵上で無類の強さを誇るだけでは済まないのが横綱の宿命でもある。

日馬富士の暴行事件には中国メディアも注目。海外網は「日本の相撲界から驚きのスキャンダルが伝えられた。最高位の横綱が同郷力士の頭を殴打した」との見出しで報じた。これを受け、ネットユーザーからは「平成の大横綱の白鵬も年齢による衰えが少しずつ見え始めた。モンゴル人力士が相撲界を統治する時代は終わりに来ているのかもしれない」などの声も寄せられている。(編集/日向)