日馬富士暴行事件は、横綱の引退表明で幕を引いた。残されたのは貴乃花親方の問題だ。相撲協会との対立が続く貴乃花が目指す改革に今必要なのは、「ハーバード流交渉術」だ Photo:日刊スポーツ/アフロ

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貴乃花と相撲協会の対立続く
「ガチンコ改革」は不可能か?

 前回に続き「貴乃花の乱」について語ろう。日本相撲協会の諮問機関・横綱審議委員会は、日馬富士の暴行傷害事件について「まだ事実解明ができていない」ことを理由に結論を出さずに終了した。その翌日、日馬富士は横審の引退勧告を回避する形で自主的に引退を表明し、問題の幕が引かれることになった。

 一方で、横審の会見時間の多くは貴乃花親方に対する批判に使われた。その意味でこの会見は、日本相撲協会の上層部が、いかに被害者であるはずの貴乃花サイドを敵視しているかがわかるイベントだった。一連の騒動で結局残ったのは「貴乃花問題」というのが現状だ。

 日馬富士事件をめぐる日本相撲協会の在り方について、メディアの報道や議論がいまひとつよくわからない最大の理由は、タブーに触れることができないからだ。ここが相撲記者にとっても周囲の評論家にとっても難しいところだが、結果としてどの報道も歯切れが悪くなっている。

 貴乃花親方は相撲界を「ガチンコ」に変えたいと考えている。彼が今回問題にしたかったのは、暴力もさることながら、一部の力士が集まって、馴れ合いと疑われてしまうような状況を「なくしたい」という問題提起だった。しかし、貴乃花と相撲協会の対立がこれだけ大きくなってしまうと、「そうありたいと思う改革」を行うのはもう不可能だろう。一般的には――。

「一般的には?」そう。土俵際に追い込まれても、そこから逆転する技術がビジネスの世界には広まっている。「ハーバード流交渉術」である。

『ハーバード流交渉術』はハーバード大学ロースクールの研究成果を集大成した本で、一見不可能だと思われる状況下でも交渉によって合意を勝ち得ることを示した、ビジネス界で非常によく読まれている古典的名著だ。

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