iPhone Xで採用の有機ELに潜む「焼き付き」問題ってどんなもの? 予防対策とは

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話題のiPhone Xの特徴の1つとして、ディスプレイに有機ELを採用したことがある。
有機ELは、高画質であることなどメリットが数多くあるが、実はデメリットもある。

有機EL自体が高額なことのほかに、「焼き付き」という問題があるのだ。

ブラウン管ディスプレイ世代には懐かしい、「焼き付き」とは、どんなものだろうか?
利用にあたり気をつけることはあるのだろうか?

●有機ELディスプレイのメリット、デメリット
有機ELは、iPhone X(アップル)やGalaxy Note8(サムスン)などのスマートフォンだけでなく、最近ではテレビでも本格的に採用がはじまっている。

有機ELには、現在普及している液晶ディスプレイと比べて、次のようなメリットがある。
・高画質で色再現性や発色性が高い
・黒色の発色が良く、コントラストがはっきり
・画面切り替えの応答速度が速い
・視野角が広く、180度に近い
・曲げることが可能である

液晶と比べたときのメリットは数多いが、一方で、価格はまだまだ高額だ。
それも含めて、デメリットには次のようなものがある。
・価格が高い
・寿命が短い
・焼き付きが起こりやすい

この中で気になるのが、「焼き付き」という現象だ。
ブラウン管ディスプレイ世代には、知られていた現象だが、液晶ディスプレイ時代になり忘れ去られ、今の若者世代にはなじみがないかもしれない。

●ディスプレイの焼き付き現象とは
ディスプレイの焼き付き現象とは、画面の同じ場所に同じイメージをずっと表示していると、残像のように残って、そのまま消えなくなってしまうことだ。

実は、液晶ディスプレイが普及する前のブラウン管ディスプレイではよく起こっていた現象だ。

30代以上の人なら、終了したWindows 98やWindows XPパソコンの画面に、タスクバーやデスクトップアイコンのイメージがうっすらと表示されているのを見たことがある人も多いのではないだろうか。

パソコンをしばらく使わないときに表示される「スクリーンセーバー」には、作業中の画面を隠す目的のほかに、その名のとおり焼き付きからディスプレイを“保護する”目的があったのだ。

Windowsロゴや幾何学模様が動き回るなど、アニメーションを表示することで同じ場所に同じイメージを表示し続けないようにするためなのだ。

ブラウン管の焼き付きは、管の裏側に塗布されている蛍光塗料に、強い電磁波が長時間当たることで発生する。
一方、有機ELの場合は、ディスプレイの素子に電気が流れ続けることで発生する。
それぞれ画面表示の方式が違うため、発生の仕組みは異なるが、発生の原因となる使い方は同じだ。
・画面に長時間同じイメージを表示し続ける
・アイコンやロゴなど、同じ場所に同じイメージを表示し続ける
・暗いイメージより明るいイメージを表示し続ける

しかし、スマートフォンに限った場合、焼き付きが起こる可能性は少ないと言える。
多くの人が、一定時間使わなければロックモードになり、サスペンド(画面が暗くなる)設定にしているためだ。

たとえ待ち受け画像に明るいイメージがあっても、一般的な個人使用では焼き付きが起こることは少ないとも言える。
一方で、家電量販店などの店頭ディスプレイモデルは、ほぼ一日中同じ画面を表示していることがあるので、焼き付きが起こる可能性が高い。

ただし、アップルのiPhone Xのサポートページにも、「「残像」や「焼き付き」などの現象が、起きるようになる場合があります」との記載があるので、注意が必要なことも確かだ。

一定時間使わないときには画面を非表示にする、同じイメージを表示し続けないようにするなど、心がけたほうが良いと言える。