30日、環球時報は、オーストラリアで野党・労働党の上院議員が「中国人と通じていた」としてターンブル首相らから強く非難されたと報じた。資料写真。

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2017年11月30日、環球時報は、オーストラリアで野党・労働党の上院議員が「中国人と通じていた」としてターンブル首相らから強く非難されたと報じた。

「中国人と通じていた」と糾弾されたのは、●森(ドン・セン、●は登におおざと)という中国名を持つ労働党のサム・ダストヤリ上院議員。30代の若手議員で、同党のホープとして幹部となったが、昨年南シナ海問題で中国の立場を尊重すべきと発言したことで世論から反発を受け、幹部の座から退いていた。

現地のテレビ局は29日、「同議員は幹部の座を辞した直後の昨年10月、シドニーで中国系商人の黄向墨(ホアン・シアンモー)氏と接触した。その際、同議員が盗聴を防ぐために携帯電話を部屋に置いたまま外で話をするよう黄氏に促した」と報道。その後、大手メディアが続々とこの件を伝えたことで波紋が広がった。

ビショップ外相は29日、「同議員の行動は安全当局の任務を妨害するもの。中国の支援者と交わした会話の細かい内容を、正直に明かさなければならない」と発言。ターンブル首相も「同議員による中国人への情報漏洩は国の安全にかかわる非常に重大な問題。中国共産党による豪政権転覆を助ける行為であり、議員の職を辞せよ」と糾弾した。

これに対して同議員は「安全当局のいかなる機密情報も知り得ていない」との声明を発表。労働党のビル・ショーテン党首も「事実の隠蔽(いんぺい)はないし、国家機密を誰かに漏らしたこともない。そもそも国家機密を把握していないのだから」と弁護している。

現地の事情に詳しいアナリストは環球時報の取材に対して「政権基盤の弱い与党と野党との権力闘争の道具にされたことは明らかだ」との見方を示した。現地では昨年、黄氏が「中国から派遣されたスパイ」との情報が複数のメディアによって伝えられたが、一部メディアはその後「事実ではない」との声明を出したという。(翻訳・編集/川尻)