歌手で声優のPileが11月29日に、ニューシングル「Lost Paradise」をリリース。ロックが好きでいろいろなライブに足を運んでいると言う彼女。新曲は爽快なロックチューンで、すぐ気に入ったとのこと。また、カップリング曲「Undefined Angel」は、μ'sでも作詞作曲を手掛ける畑亜貴と佐々倉有吾による楽曲。8月にPileとしてデビュー10周年目を迎えた彼女。「『ラブライブ!』をほうふつとさせる曲調を、ソロのPileとして歌ったらどういう化学反応が起きるのか聴いて欲しい」と話す。今作に寄せる想いや、ライブに向けた想いなど聞いた。
【取材・撮影=榑林史章】

若干の希望。奇跡は起こるのか?

「Lost Paradise」初回生産限定盤A

――「Lost Paradise」はアッパーなロックチューンで、ライブで盛り上がりそうですね。

 そうですね。今までのシングル表題曲は、ミドルテンポやデジロックっぽい曲調だったので、こういうシンプルで重ためのロックナンバーが表題曲になったのは初めてです。ロック色が強い曲は、ライブで絶対に盛り上がるので、私も早く歌いたいです。

――最初に聴いた印象はどうでしたか?

 曲をいただいてすぐ気に入りました。耳に残るメロディだからすぐに覚えて、いつも口ずさんでいて。だからレコーディングも3回歌ったくらいで録れたと思います。

――アニメ『王様ゲーム The Animation』のEDテーマで、アニメの怖くてスリリングな内容ともぴったりの曲ですね。

 私自身原作を知っていたので、この曲を聴いたときに絶対に合うと思いました。サビのメロディもすごく耳に残ったし、迷わずこれが良いんじゃないか、と決まりました。

――歌詞で、1番と2番は<唄うけど>になっているのが、最後は<唄うんだ>になっていて、ここに意志の強さみたいなものを感じます。

 アニメも歌も救いのないものなのですが、そこにだけ若干の希望を感じるというか。奇跡は起こるのか、起こらないのか、それはあなた次第みたいな感じですね(笑)。ミュージックビデオでもそこはポイントになっていて、基本的にモノクロの映像なんですけど、ちょうどその歌詞のところだけカラーになるんです。

――ギターソロもかっこいいですね。

 いつもライブでサポートしてくれている、ギタリストの中嶋康孝さんが弾いてくれています。中嶋さんのギターのファンもけっこういるので、ここはファンの方にとって聴きどころです。

 今回のMVでは、私がバンドを背負って歌っているシーンがあるのですが、中嶋さんも出てくれているんです。いつもヤスティンと呼んでいるのですが、今回のMVではヤスティンのソロプレイも見られるし、手元のアップのシーンもあって。ヤスティンのファンには、激アツな曲になっていますよ!

――最初は壁に映像が映っているシーンですが、あれにはどういった意味が?

 壁にとらわれているみたいなイメージじゃないですかね。演奏シーンはとある廃墟で撮ったんですけど、元々はトリックアートの美術館だったところらしくて。その名残りで、ところどころに奇妙な絵やオブジェがあって、昼間でも真っ暗ですごく怖かったです。でも、こういうクールな感じの格好いいMVを撮ってみたいと思っていたので、すごく嬉しかったですね。

ダークサイドに若干のエンジェル要素?

Pile

――カップリング曲「Undefined Angel」は、80年代ディスコの様なパーティーチューンに、アジアンテイストが加わった感じの面白い曲ですね。

 ミラーボールが回っていそうですよね。これは作詞が畑亜貴さん、作曲・編曲が佐々倉有吾さんで、『ラブライブ!』の曲をたくさん作っているメンバーで、プロデューサーも『ラブライブ!』を録ってくれていた方なんです。

 Pileとして10周年目に突入して2枚目のシングルで、この2曲はだいぶ高低差があるみたいな感じなんですけど、こっちはお祭りのような楽しい感じですね。

――途中で転調したり、独特な節回しもあったりしますが、歌ってみて難しかったりしましたか?

 何が難しかったって、これはPileとして歌っているんですけど、10年間『ライブライブ!』で一緒にやっていたスタッフが関わっていて、レコーディングスタジオも『ライブライブ!』で使っていたところだったので、無意識に役が降りてきてしまって。『ラブライブ!』で体に染みこんだ声と歌い方が、ついナチュラルに出てしまって。だから、Pileとして歌うのがけっこう難しくて、最初は苦戦しました。慣れるまでが難しかったです。

Pile

――Pileさんらしさと言うと、格好良さとかクールさとか。

 そうですね。クールめですかね。それにPileとしての今までの曲には<〜じゃない>とか<〜しなくちゃ><〜ね>といった、女の子口調の歌詞がなくて。それは、『ラブライブ!』をほうふつとさせるんです。だから、メロディとか歌の技術としては問題なかったのですが、声の出し方とか表現の仕方という部分で難しかったです。

 曲の世界観は『ラブライブ!』をほうふつとさせるようなものなので、それをPileとして歌ったらどういう化学反応が起きるのか。それがこの曲の聴きどころになっています。

――ファンはきっと、Pileさんの中にある、こういう部分も聴いてみたかったと思います。

 そうだったら嬉しいです。こういうのはルーツにはあるけど、これまではそれとは別にPileというソロのイメージを作っていく時期だったと思うので。今回はそれをこうして落とし込んでみて、そうしたらこういう感じになりましたという。

――「Undefined」は、未確定とか未定義とかいう意味ですね。タイトルは、未確定な天使?

 作詞家の畑さんがどんなイメージで付けられたのか分からないですけど、私はどちらかと言うとダークサイドにいるタイプの人間で、でも、全くのダークとまでは言い切れないというところで。きっと畑さんは、私の中のどこかに若干のエンジェル要素を感じてくださったのかな? 私にエンジェル要素があるのかは分からないですけど(笑)。でも、完全なるダークな感じではないというところを、タイトルとして付けてくださったのかなと思います。私、たまに毒づいちゃったりするので、そういうところなのかなと。

逆境に燃えるワクワクの天才

Pile

――「Undefined Angel」の歌詞には、<ワクワクの天才>というフレーズも出てきますが、これもPileさんを言い表しているような気がしました。

 天才かどうかは分かりませんが、楽しむことは得意だと思います。逆境に立たされると、めっちゃ楽しいです(笑)。

 たとえばアジアツアーの初日に、ちょっとしたアクシデントがあって。イヤモニの電池が切れていて、まったく聴こえなかったんです。でも、途中で止めてやり直すのは格好悪いし、性格的にそういうのは嫌なので。結局外に出ている音を聴いて歌ったのですが、まったく問題なく乗り切りました。

 日本だとスタッフが全部やってくれて、イヤモニの電池も本番前に新しく替えてくれるので、1曲目から電池が切れていたなんていうのは、初めてのことで。いかに日本はライブをやる環境が整っているか分かったし、日本でやることのありがたみを改めて感じました。それに一度経験すれば、次から自分でも気をつけられるので、まあ一つ勉強になったということで。

――アクシデントも前向きに捉える性格なんですね。

 ですね。そういうことがあると、こんなことくらいで歌えなくなるなんて思われたくない! と思っちゃうんです。むしろこの状況で歌えたら、格好いいじゃん! って(笑)。

――逆境だと余計に燃えるんですね。

 そうなんです。結果的にそのときも私がいちばん楽しんでいましたから、そういう意味では、確かにワクワクの天才なのかもしれないです。

 今あるものでどう楽しむかを考えるのは、きっと得意ですね。あれがないから出来ないとか、これがないから無理と考えるのではなく、足りないものを自分でどう補うかを考えるようにすると、その状況も楽しめるようになるし、その楽しんだ先に自分のスタイルが表れてくるのだと思います。

――12月2日には日本武道館で、『Pile Live at Budokan 〜Pile feat.ラブライブ!〜』を開催しますね。

 まさか出来るとは思っていなかったので、楽しみですね。自分の気持ちと言うよりも、武道館でやろうと、やれると、周りが思ってくれたのが、何よりうれしいです。

 それに東京オリンピックの前に改修工事があるらしいので、工事に入る前の武道館で、長年いろいろなアスリートやアーティストの汗や涙が染みついた、みんなが憧れたままの武道館でライブが出来るのがうれしいです。

 この間もコールドプレイ(英ロックバンド)がやっていて、「うわ〜同じところでやるんだ、マジかあ〜!」って(笑)。自分の好きな海外アーティストと同じ場所で出来る嬉しさもありますね。本番中に、絶対に国旗の下で寝転んでゴロゴロやってやろうと思っています。

――「feat.ラブライブ!」とタイトルに付いていますが…。

 Pileとしてデビューしてから10周年目なのですが、その10周年目のお祭りとして、今までやってきたユニットの曲とか、いろいろな曲を組み込んでやりたいと思っています。その中には『ラブライブ!』も含まれているということで。楽しみにしていただければと思います。

「Lost Paradise」初回生産限定盤A Pile 新作では「ソロとの化学反応を聴いて欲しい」と話すPile Pile Pile
「Lost Paradise」通常盤 「Lost Paradise」初回生産限定盤B

作品情報

Pile
7thシングル「Lost Paradise」
11月29日発売
初回生産限定盤A(CD+DVD)2000円(税抜)VIZL-1276
初回生産限定盤B (CD+GOODS)2000円(税抜)VIZL-1277
通常盤(CD)1200円(税抜)VICL-37338

▽CD収録内容
01. Lost Paradise
02. Undefined Angel
03. Lost Paradise
04. Undefined Angel
※アニメ盤には03、04は未収録で「 Lost Paradise 」を収録。

▽初回生産限定盤A DVD収録内容
「Lost Paradise」ミュージックビデオ
「Lost Paradise」ミュージックビデオオフショット映像

▽初回生産限定盤B GOODS
Pile BIGトートバッグ

■公演情報

▽Pile Live at Budokan 〜Pile feat. ラブライブ!〜
12月2日 東京・日本武道館