史跡の中央に立つ3つの石碑。「大宰府を未来に伝え残さなければならない」という思いで先人たちが立てたもの

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「大宰府政庁跡」(太宰府市観世音寺)は、飛鳥時代にあたる7世紀の後半から奈良・平安時代を通じて九州全体を治めた役所・大宰府が置かれた場所。西海道諸国の国司や郡司の選考権を持ち、調庸(ちょうよう)といった税を九州中から集めるなど、九州全体の統轄を行っていた。

【写真を見る】美しい芝生が広がる。現在は公園として利用でき、休日は家族連れなどでにぎわう

■ 各国の内政にも深く関わっていた圧倒的規模! 

“我が国(日本)の西の守り”として平城京、平安京に次ぐ大きな規模であった。さらに外国からの使節を迎える場所であり、日本から外国へ使節を送り出すという対外交渉の窓口としても機能していた。

現在も同地に残る礎石はもちろん、施設の巨大さは門や回廊の跡からも想像に難しくない。これだけ大きな政庁跡の周りにも“多くの役所が建ち並んでいた”と考えられているというから驚きだ。

歴史をより深く知りたいなら、隣にある「大宰府展示館」へ。同地から出土した鎮壇具(ちんだんぐ)、鬼瓦(おにがわら)などの貴重な資料をはじめ、100分の1サイズの政庁復元模型などが展示されている。同展示館で歴史を学んだあと、政庁跡を巡るとまた違った印象に見えるかもしれない。※開館時間は9:00〜16:30、定休日は月曜(祝日の場合は翌日)

同施設は現在、市民憩いの公園として整備されており、美しい芝生広場や豊かな自然を体感するだけでも十分に気持ちのよい空間だ。九州において、外交などの重要な役割を担った歴史を学ぼう。

[大宰府政庁跡]福岡県太宰府市観世音寺4-6-1 / 092-921-2121(太宰府市観光推進課) / 終日開放※大宰府展示館の開館時間は9:00〜16:30 / 無休※大宰府展示館は月曜(祝日の場合は翌日)休み

【九州ウォーカー編集部/取材・文=諌山 力】(九州ウォーカー・諌山 力)