気象データ活用の経済効果が約1800億円に 日本気象協会の試算

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 日本気象協会の発表によると、気象データを元に食品や日用品の需要を予測し情報を提供するサービスの経済効果が、およそ1,800億円となることが分かった。

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■4月から本格的に事業開始

 29日、日本気象協会は、「需要予測の導入による経済効果を約1,800億円と試算」したと発表した。

 天候や気温によって、多くの食品や日用品の売れ行きが変わるのは、誰しも想像できるはず。過剰な生産や陳列による売れ残りとなったり、生産や配送が追いつかないことで買いたい人がいるのに品切れとなったりする状況の改善を目的として、日本気象協会では今年の4月から気象予報技術を活用した商品需要予測事業を本格的に開始していた。

■需要予測導入効果が高いアイスクリーム

 日本気象協会では、市場調査や分析などを行うインテージが所有する「全国小売店パネル調査データ」から、203品目の食品や日用品のデータを抽出。気象感応度の調査と商品の需要予測を行った結果、需要予測の導入による経済効果を約1,800億円と試算している。

 需要予測導入効果の最も高い商品はアイスクリームで約377億円。次いでチョコレート(約201億円)、スポーツドリンク(138億円)、液体茶(116億円)、ヨーグルト(約88億円)、殺虫剤(約57億円)、制汗剤(約55億円)となっている。

■気温と相関の高いコーヒードリンクと日本茶

 また過去約7年間における全国のSRIデータを分析することで、暑い時期に売れる商品(夏商材)と寒い時期に売れる商品(冬商材)のベスト3も判明した。

 夏商材のベスト3はコーヒードリンク、液体茶、麦茶。冬商材では日本茶、入浴剤、紅茶だ。パッと見て「そんなの当たり前」と思うかもしれない。しかし体感的に分かっていても、大きなビジネスに結び付けるには明確な根拠が必要だ。

 日本気象協会の吉開朋弘・先進事業課技師の解説によると、コーヒードリンクは「(年中行事など)の影響をあまり受けず、気温の推移とともに需要が変化しているため、気温との相関が高」いとあり、日本茶も「他の商品に比べて年末やお正月の影響が少ない事が特徴。需要の立ち上がりと下がり始めも気温の変化と逆の動きをしているため、気温との負の相関が強」いそうだ。

■廃棄量は減らせるか

 「3分の1ルール」の言葉を聞いたことがある人もいるだろう。

 これは食品の製造日から賞味期限日までを3等分して、製造日から3分の1となるまでの日を納入期限とし、製造日から賞味期限の3分の2までの日を販売期間(陳列期間)とするものだ。

 つまり賞味期限まで3分の1を切った商品は、賞味期限内であっても販売されない(返品されることが多い)ため、食品の廃棄量が増える大きな原因と指摘されている。

 近年、こうした慣習を見直すとともに、賞味期限の表記を「年月日」から「年月」に変更することなどで、食品の廃棄量を減らそうとの試みが進んでいる。

 こうした対策とともに、気象予報技術を商品の需要予測に活用することで、食品の廃棄量を大きく減らすことつながりそうだ。