けやき坂46主演ドラマ『Re:Mind』撮影現場に潜入   シリアスなミステリーの裏は意外に和やか!? 

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 テレビ東京「木ドラ25」枠にて放送されているドラマ『Re:Mind』で、けやき坂46がドラマ初主演に挑んでいる。乃木坂46の『初森ベマーズ』、欅坂46の『徳山大五郎を誰が殺したか?』と、坂道シリーズはこれまでテレビ東京でドラマ初主演を飾ってきたが、けやき坂46も先輩たちの通ってきた道をたどるかたちとなった。

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 今回の放送枠「木ドラ25」は、テレビ東京と動画配信サービスNetflixがタッグを組んだ、今年4月に新設された連続ドラマ枠だ。これまで、RADWIMPS・野田洋次郎主演の『100万円の女たち』、歌舞伎俳優・尾上松也主演の『さぼリーマン甘太朗』と、いずれもドラマ初主演のキャストを起用し、内容的にも意欲的な作品が放送され話題を呼んだが、今回の『Re:Mind』も『徳山大五郎を誰が殺したか?』の系譜に連なる密室サスペンスで、先の読めない展開が注目を集めている。

 赤い袋を頭に被せられた制服姿の少女たちは、大きなテーブルが配置された古い洋館の一室で目が覚める。そこに集められた11人は、同じ高校のクラスメイトだった。ここは一体どこなのか、自分たちはなぜこんな場所にいるのか、誰がこんなことをしたのか、そして一体どうやって脱出できるのか……。足枷をはめられ身動きが取れない彼女たちは、ひとつの空席の存在に思考を巡らせながら、脱出のための糸口を探っていく……。

 部屋に集められた少女たちがひとり、またひとりと、話を重ねるごとに姿を消していき、さらには突然現れた赤い袋を被った執事が、実は元担任の林(宮川一朗太)だったことが判明。最初は、3ヶ月前に失踪したクラスメイト渡邉美穂による、いじめに対する復讐と疑っていた彼女たち。林の登場によって、彼が監禁の犯人と疑い始めるも、林までもが姿を消し、彼女たちはふたたび恐怖と混乱に包まれる。

 今回リアルサウンド映画部では、都内某スタジオで行われていた撮影現場を訪問。10月中旬のこの日は、11月30日放送の第7話の撮影が行われていた。スタジオ内の中央部に設置されたセットには、絵画、彫刻などの美術品、動物の剥製、本棚に並べられた数々の分厚い本、不気味な仮面などが至るところに配置され、まるで実際の洋館に足を踏み入れたような感覚を覚える。

 この日の撮影には、これまでに姿を消していった井口眞緒、東村芽依、潮紗理菜、影山優佳の4人を除く、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花の7人が参加。第7話では、元担任の林が姿を消しふたたびクラスメイトだけになった7人が、林が残した「何を見ても、何かを思い出す」という言葉をもとに、ひとつの絵画をめぐって議論を交わしていく模様が描かれていく。

 撮影は、セリフや動きなどの段取りを確認するドライ、リハーサルにあたるテストなどを経て、本番に入っていくという流れで進行。第7話の監督は、乃木坂46の個人PVや、映画『あの娘、早くババアになればいいのに』『ファーストアルバム』などの作品で知られる頃安祐良だ。頃安監督は、ドライで「テンションを上げていこう!」とメンバーの士気を高めながら、セリフの言い回しや動きを指示していく。段取りが終わると、メンバーは一旦セットから出て、演出部、撮影部、照明部、美術部を中心にカメラの動きを確認。その間、メンバーは台本を手にし、時には実際に声を出しながら、必死にセリフを覚えていく。

 密室という設定だけあって、物語は会話によって進んでいく部分も大きい。「セリフを覚えるのがどんどん難しくなっています。最初は頭が空っぽの状態だったのでいくらでも入ったんですけど、ほぼ毎日ドラマの撮影をしていると、どんどんいっぱいになってきてしまって……。要領よくセリフを覚えないといけないので、そこが難しいです」(佐々木美玲)、「家で覚えたつもりで撮影現場に来ても、実際みんなと通してやってみると、意外とセリフが出てこなかったり忘れてしまっていたりして、苦戦することも多いです」(高瀬)と、メンバーたちもセリフ覚えが大変だと明かす。セリフの覚え方も人それぞれで、家で完璧に覚えてくるメンバーもいれば、撮影の合間に現場で覚えるメンバーも。柿崎は「お風呂に浸かりながらひたすらセリフを繰り返しています。監督さんに『九九のように覚えるといい』とアドバイスをいただいたので、ひたすらセリフを声に出しながら覚えるようにしています」と、セリフの覚え方を教えてくれた。

 一方で、自身の演技にまだまだ課題があると感じているメンバーも。高本は「モニターで自分の演技を見たときに、想像していたことができていないと感じることがあります。怒っていたり怖がっていたりという表情をしているつもりでも、モニターで実際に見てみるとそこまで表情に変化がついていなかったりして。それをなくすように努力しています」と表情の変化を課題に挙げる。

 謎の理由でしゃべらないという設定で、これまでほとんどセリフがない加藤は「ずっとこのスタジオで撮影をしているので、密室という設定なのに、恐怖心がなくなってくるんです。だから、『私たちはいま閉じ込められているんだ』という恐怖の感情を準備するが大変です」と、感情を作っていくことの難しさを明かしながら、「今後もドラマはやっていきたいです。次はみんなみたいに、ちゃんとセリフがある役で」と、希望を語った。

 物静かで皆と距離がある役柄を演じている佐々木久美も、「1ヶ月やってきて慣れてきた部分もあれば、自分のお芝居を見て『もっとこうしたいな』と思ったり、メンバーの演技を見て『すごいな』と思ったりすることもあります。私はセリフがそこまで多くはないので、もっと喋りたいなと思いました」と、演技に対する意欲を見せた。

 持ち前の低音ボイスを生かし、ドラマの中では怒鳴るなど男っぽい口調のセリフが多い齊藤は、「私、笑ってしまう変な癖があって(笑)。シチュエーションが面白いと普通に笑ってしまうんです。だから笑いをこらえるのがすごく大変です」と、少し変わった独特な課題を、言葉どおり笑いながら語ってくれた。

 撮影は非常に和やかな雰囲気で進んでいく。筆者は過去に助監督や制作部としてドラマの撮影に参加したことがあるのだが、怒号が飛び交うこともしばしばあった自身の経験からは考えられないほど、『Re:Mind』の撮影現場ではキャスト・スタッフの仲の良さ、チームワークの良さが感じ取れた。だが、スタッフたちもただ彼女たちに甘いというわけではない。頃安監督は、少しでも納得のいかない部分があると、セリフのタイミングや声の強弱、細かい動きなどをメンバーたちに指示し演出をつけ、テイク2、テイク3……と何度もカットをかけながら、キャスト・スタッフ一丸となって撮影に真摯に取り組む様子が伺えた。

 「ドラマの撮影は本当に楽しいです。現場のスタッフさんが本当に仏のような方ばかりで。どんどんメンバーが消えていってしまうんですけど、みんなスタッフさんに会えなくなるのが一番悲しいと泣いています」(佐々木美玲)、「スタッフの皆さんが本当に面白くて優しくて、とても恵まれているなと感じます。この先、撮影が終わってお別れが来てしまうことがただただ悲しいのですが、1日1日を大切にしながら撮影に臨んでいます」(高本)と、メンバーも声を揃えてこのスタッフと一緒に初主演ドラマをやることができてよかったとコメント。

 撮影の合間にはコメント取材やオフショット撮影にも快く応じてくれたメンバーたち。取材時は彼女たち自身もまだ最終回の行方を知らなかったそうだ。齊藤は今回の第7話の見どころについて、「これまではカエルやネズミが落ちてきたり林先生が登場したりといろいろありましたが、第7話は私たちの口論がメインになってきます。私たちの荒ぶった演技に注目していただきたいです」とコメント。佐々木久美は「1話1話『え、どうなるの?』という感じで、本当に気になる終わり方をするんです。内容ももちろん面白いですが、私たちも回を重ねるごとに成長できているのと思うので、そこにも注目して観ていただきたいです」とアピールした。

 果たして第7話ではどんな展開が待ち受けているのか。彼女たちの演技にも注目しながら、その結末を見届けていきたい。(取材・文・写真=宮川翔)