ハネムーンで北マリアナ諸島を旅した中国人女性の袁さんは、ダイビング中に携帯電話を海に流してしまった。帰国してからも落胆している娘の様子を見かねた父親は、その番号に電話してみた。すると、電話に人が出た。しかも、相手は中国語で話した。

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ハネムーンで米国領北マリアナ諸島を旅した中国人女性の袁(ユエン)さんは、ダイビング中に携帯電話を海に流してしまった。帰国してからもずっと諦めきれない様子を見かねた父親は、袁さんの携帯電話に「ダメ元」で電話してみた。すると、なんと電話に人が出た。しかも、流ちょうな中国語で話したという。27日、中国メディアの法制晩報などが報じた。

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袁さんは浙江省杭州市に住む女性だ。先ごろ結婚し、ハネムーン先には北マリアナ諸島を選んだ。現地ではダイビングも楽しむことにした。その際に、保護用ケースに携帯電話を入れて海の中で撮影をした。結婚したばかりの夫との「愛の水中写真」だ。ところが大喜びで楽しんでいる最中に、水の流れに携帯電話をさらわれ、そのまま沈んでいった。

携帯電話には、ダイビングをする前の記念の写真もたくさん保存していたため、袁さんも夫も諦めきれなかった。岸に戻った2人は、人を雇って海底を探してもらった。丸一日をかけたが見つからなかった。旅程を伸ばすことはできず、2人はやむを得ず帰国した。

帰国してからも、袁さんは落胆の色を隠せなかった。一生の記念になるはずの写真が、全部なくなってしまったと落ち込んだ状態がずっと続いた。

袁さんの父親は、そんな娘の様子を見かねて、携帯電話が海に流されてしまった日から数えて10日ほどが経過したある日、何の気なしに娘の携帯の番号に電話してみた。反応は特に期待していなかった。いわゆるダメ元だ。するとなんと、電話に出た人がいた。しかも、中国北部のなまりではあったが、流ちょうな中国語での応答だった。

袁さんの父親が驚いたのはもちろんだ。相手は「この電話をお返ししたい」などと言ってくれた。中国では電話詐欺の多発が社会問題になっている。袁さんの父親は最初、「ひょっとしたら、新手の詐欺か?」と思ってしまったという。

しばらく話をして状況が分かった。電話に出たのは北京市在住の女性、王(ワン)さんだった。王さんの両親は最近、やはり北マリアナ諸島を旅した。そして現地でダイビングをした際に、海藻に引っかかっている携帯電話を見つけ、拾い上げた。

携帯電話の画面には、結婚記念とみられる写真が映し出されていた。どう見ても中国人の新郎新婦だ。王さんの両親は「この2人にとって大切な記念だと思う。何とか手元に戻してあげたい」と思い、北京市にある自宅まで携帯電話を持ち帰った。王さんの父親は娘に「急がなくてよいから、持ち主を探して戻してあげなさい」と言いつけた。しかし、任された王さんは困ってしまった。携帯電話はロックされていて保存されている情報を見ることができない。14億人以上もいる中国人の中から探し出す手がかりは全くなかった。ところがそんなある日、着信音が突然響いた。王さんは急いで電話に出た。それが、袁さんの父親からだったというわけだ。

話をして、袁さんの父親も状況を理解した。王さんは携帯電話を宅配便で送ることにした。26日になり、待ちかねていた袁さんらのもとに、携帯電話が届いた。袁さんの父親は「なくなった携帯電話が戻ってきた。運が良かったのでしょうね。でもそれ以上に、王さん一家の温かい心のおかげです」と語ったという。(翻訳・編集/如月隼人)