『お台場旧車天国 2017』から、名車・珍車をご紹介! 第8回:「マツダロータリー天国」編(その2)

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11月19日(日)に東京江東区・お台場特設会場にて開催された『旧車天国』。今回の同イベントでは、マツダのロータリー市販車生誕50周年を記念して、歴代のマツダ車が一堂に会する特別企画「マツダロータリー天国」が開催された。昨日に引き続き、その出展車両を紹介していく。

●マツダ ロードペーサー

1975年にマツダが発売した高級セダン。当時、わが国は高度経済成長期の恩恵により、トヨタ センチュリーや日産プレジデントなどの最高級車市場が活気づいていた。マツダもこの市場に参入するべく、同じ右ハンドル圏の豪州から大型乗用車のホールデン プレミアの車体を輸入し、それに自社製の13B型ロータリーエンジンを搭載。独自のインテリアを組み合わせた日豪合作車として誕生した。

しかし、トヨタ センチュリーを上回る368万円(当時)という価格、エンジンのトルク不足、燃費の悪さ、マツダの営業力不足などさまざまな悪条件が重なり、4年間の総生産台数は799台と商業的には惨敗に終わった。

ロードペーサーは生産台数の少ない稀少車だが、20年くらい前までは時折旧車専門店の店頭に並ぶことがあった。だが、車体の大きなロードペーサーはここでも不人気で、よほどのモノ好き以外は見向きもされず、在庫が長期化し、結局そのままスクラップにされるということもあった。そのため残存台数は極めて少なく、現在では旧車イベントでもほとんど見かけることがない。

なお、ロードペーサーと同じくホールデン プレミアをベースとした高級車にいすゞ ステーツマンがある。こちらは1973年からの2年間で246台のみが販売されるに留まった。

そんなロードペーサーだが、週刊少年ジャンプに連載されていた"こち亀"こと『こちら亀有公園前派出所』の「マイベストカーの巻」で、三菱デボネアと共演したのを覚えている人もいるだろう。

コミック38巻に収録されているこのエピソードは、パッシングをされたことを恨みに思ったちょっと危ない三菱デボネアのオーナーが、夜中にガレージへ忍び込んでロードペーサーを真っ二つにするというもの。

人気マンガの登場ということで、マイナー車にもかかわらず意外にも知名度が高かったりする。


●マツダ サバンナ(RX-3)

コスモスポーツ、ファミリア、ルーチェ、カペラに次ぐマツダ第5弾のロータリー車。輸出名はRX-3。

ファミリアロータリーの実質的な後継車で、カペラよりひと回りコンパクトな車体に、前期型は標準モデルが10A型、高性能なGTがカペラ譲りの12A型エンジンを搭載した。

800kg台後半という現在なら軽自動車並の車重にハイパワーなエンジンを搭載したサバンナは、トヨタ セリカや三菱GTOなどのライバルより1〜2割安い車両価格と、マッスルカーを縮小した厳ついルックスと相まって、スピード狂の若者(=暴走族)から熱烈な支持を集めた。

サバンナはモータースポーツにも精力的に参戦し、国内ツーリングカーレースで活躍。ハコスカGT-Rの50連勝を阻んだ。


●マツダ サバンナスポーツワゴン

1972年に追加されたサバンナのステーションワゴン。日本発のスポーツワゴンとなったクルマだ。まだライトバンとステーションワゴンの違いがユーザーに正しく認識されていない時代にこうしたレジャー・エクスプレスが設定されたことは特筆に値する。

サバンナの姉妹車でレシプロエンジンを搭載したグランドファミリアのライトバンにロータリーエンジンを搭載し、乗用車としての内装を与えたモデルである。なお、グランドファミリアにはステーションワゴンはなく、サバンナにはライトバンの設定がない(サバンナバンは試作されたが、経済性の問題が克服できず発売されなかった)。


●マツダ ルーチェ(2代目)

1972年にルーチェはFMCし、初代のヨーロピアン・スタイルから一転。2代目はアメ車風のアクの強いスタイリングとなった。輸出名はRX-4。


当初は12A型のみの設定だったが、翌73年には新開発の13B型エンジンが追加された。ボディバリエーションはセダンのほか、クーペとステーションワゴンも設定された。


●マツダ コスモAP(2代目/プログレス・コスモ)

コスモスポーツの生産終了から3年後の1975年に登場したコスモAP。CMのキャッチフレーズからプログレス・コスモとも呼ばれた。

ロータリーエンジンを搭載したピュアスポーツとして開発された初代とは異なり、2代目のAPは豪華なラグジュアリースポーツとして誕生した。搭載されるエンジンは13B型と12A型ロータリー、2Lと1.8Lのレシプロエンジンで、車名のAP(アンチ・ポリューション)が示す通り、当時社会問題となった公害対策が施されていた。排ガス規制の影響で主だったスポーツモデルが性能ダウンを余儀なくされ、モデル廃止となる中でパワフルなコスモは異彩を放った。


前期モデルは丸目4灯ヘッドランプ、後期モデルは異型角形2灯のヘッドランプとなり、特徴的なL字型リアコンビランプはMCによって横長タイプとなった。

77年にはノッチバックボディにオペラウインドウを採用したコスモLが追加されている。


●マツダ サバンナRX-7(初代/SA22C)

サバンナの後継として1978年に登場した初代RX-7。オイルショックや排ガス規制で壊滅状態にあった国内のスポーツカー市場に、颯爽と登場したRX-7はまさにエポックメイキングな出来事であった。

心臓部に収まるロータリーエンジンは、マツダ車に広く搭載された12A型だが、吸気ポートの変更などの改良が加えられており、最高出力は130psを発揮。FRレイアウトを採用するもエンジンの搭載位置を車体の中心近くに配置する「フロント・ミッド」とすることで、前後の重量配分は、2名乗車時で50.7対49.3と、理想的なバランスを手に入れることに成功した。

コンパクトなロータリーエンジンのメリットを活かした低く長いボンネット、シャープなボディライン、点灯時のみポップアップするリトラクタブルライト、当時の国産車では珍しかったグラスハッチなど、スタイリングの面でもRX-7は話題を集めた。空気抵抗係数(Cd値)は0.36と当時の国産車の中では優秀だった。

RX-7はその後、数度に渡ってマイナーチェンジを受け、1982年には世界初のロータリーターボが登場。最高出力は165psに向上し、比較的安価な高性能車として日本だけでなく、世界的な人気を獲得した。


●マツダ ロータリーピックアップ

海外で展開していたマツダ Bシリーズ(国内名プロシード)のレシプロエンジンをロータリーエンジンに換装したピックアップトラック。1974年から1977年に掛けての3年間に渡って生産された。13B型エンジンをピックアップトラック用にデチューンして搭載された。日本未発売ということもあり、国内では大変レアな1台。

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