【質疑応答】ハリル監督「(金崎夢生のクラブ内での衝突は)もう忘れました」「私は(PKやFKを獲得する)スペシャリスト」《E-1サッカー選手権》

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▽日本サッカー協会(JFA)は29日、12月8日〜16日まで行われるEAFF E-1サッカー選手権2017に向けた同国代表メンバー23名を発表した。

▽ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はメンバー発表後、質疑に応じた。

――金崎夢生選手は所属クラブ内で衝突があり、ハリルホジッチ監督自身も厳しい発言をしていたが、評価の変化は?

「金崎に関して、クラブでの不適切な行動は確かにありました。もちろん代表監督としてもそこはあまり評価できないと思います。しかし、それは過去のことであり私も忘れております。今現在、文句の付けようのないパフォーマンスをみせているので招集しました。そして、前招集しなかったのもクラブの監督との衝突があったからという理由ではありません。杉本(健勇)、興梠(慎三)、小林(悠)などとポジション争いをしているわけですが、他の選手の方が得点しているという状況です。もちろん、そういった行動が良くないということは彼自身と話しています。しかし、そういったところも許しながら前進し続けていかなくてはならないと思います」

「優勝する可能性のあるチームで良いパフォーマンスをみせているということで、招集しています。そして、先ほども言いましたが相手とのデュエルでアグレッシブにいける珍しいタイプの選手です。私は小林も、杉本も、興梠も夢生のようなアグレッシブさを身に着けてもらいたいと思っております」

――代表として具体的には何が必要で何が足りない?

「代表に何が足りないのかということでは、ディフェンスにも前線にも中盤にもあります。例えばディフェンスに足りないもの、中盤に足りないもの、前線に足りないもの、ブラジル戦、ベルギー戦の2つのテストで、そこははっきりとみられたと思います。分析すれば沢山のものがみられます。全ての面で、そして全てのポジションで成長、改善は必要だと思います。来年のワールドカップに向けての6カ月間は非常に重要な期間です」

「精神面といったところにも、この2試合で沢山のフィードバックを得ることができました。そしてワールドカップを戦う時、弱点があればそれが試合で出てしまいます。だから、我々も改善しないといけません。例えばアグレッシブさが足りないといった部分があったりします。それは前線でも最終ラインでも同じです。あとはコミュニケーションも改善しなければなりませんし、メンタル面ではより自信を持ってプレーしてもらいたいと思っています。例えば、ブラジル戦でも立ち上がりの20分間と後半では全く選手たちの姿が違いました。立ち上がりが酷いとは言いませんが。もちろんブラジルに勝つというのは非常に難しいことですが、後半の戦いであと2得点していてもおかしくなかったと思います。取り消された2点目はゴールだったのではないかとも思います」

「このようなチームと対戦する時でも『今日は負ける』というのは言ってはいけないことだと思いますし、勝ちに行くということを考えなくてはなりません。そして、ベルギー戦では全く違った姿がみられました。非常に冷静にプレーできていたと思います。ただ決定力のところに問題があるかなと思いました。沢山の決定機があったのですが、そこでの決意あるいは自身が欠けていたからなのか、最終的には相手にとって危険な場面とはなりませんでした。ワールドカップでは5回、6回の決定機が訪れるわけではありません。2回、3回のチャンスで取らなくてはなりません。だからこそ、攻撃の時に点が取れる決定力のある選手が必要なのです。ストライカーというのは、どのチームにとっても不可欠です。特に格上と言えるような相手と対戦したときはそういった選手が必要になります。シンガポール戦、カンボジア戦のように20回も決定機を作れるわけではありません。それよりずっと少ないチャンスで決めなければなりません」

「そして、先ほどこの23人のリストを作る中で色々考えたという話をしていましたが、そういったところも私はみていきたいと思います。例えば長谷部(誠)は以前にケガをしていて、その影響でワールドカップに出られないということがあれば、ということを想定して、最悪の事態を考えて用意しないといけません。長谷部はサッカーの面だけでなく人間としてもこのチームにとって非常に重要な存在ですから、誰かがその代わりをできるのか、といったことも考えていかなければなりません。このようにリストを作成する時に我々は沢山のことを考えています。そして今、海外でゲームに出続けている選手が少ない状況です。つまり、最終的なリストを作成するには、今はまだ不確定要素が多いと思います」

――メンバーが毎試合大きく変わるといったことは?

「8日間で3試合戦う大会です。選手たちが代表に集合した時には、疲労のテストなどを行います。彼らの健康状態や疲労を把握したいからです。また、初めて代表に招集されている選手たちもいます。試合ごとにある程度メンバーが変わるということは、予想されます。しかし、何人入れ替えるかということは現時点では明かすというのは難しいですね」

「また、いくつかのゲームプランやシステムなどを考えています。しかし、それが全てこの大会中にみられるのかというと、難しいかもしれません。もちろん、選手たちにはベストなプレーを要求し、どの試合も勝ちに行くことを求めます。そして、自らA代表候補に名乗り出ることを期待しています。常にチームのための精神を持ち続けながら、チームとして日本が力を付けていくという流れの中で行われていきます。選手個人で状況を打開するという、1人でそういったことをできる選手がいませんので、組織として発展していかなければなりません」

「そのためには、このチームのアイデンティティーという資料を選手たちに渡しています。守備の時、攻撃の時、どういったことをしなければならないのか、そこには書いてあります。セットプレーではどういったことをするのか。そういったメッセージを選手たちに伝え、説明し、我々の見たいサッカーを彼らに身に着けてもらっています。また、フィジカルコンディションが現時点で分からない選手たちもいます。色々とテストしていきながら、改善していくところがあると思います。この3試合からも沢山の情報を得ることができると思います」

――キックの質が高い選手が多く選出されましたが、プレースキッカーはどう決めますか?

「直接フリーキックで日本代表が最後に得点を決めたのがいつだったか、ご存知ですか? もう数年経っています。また、ペナルティーエリア付近でどれだけ我々がフリーキックを得ることができているか。我々がきてから30試合プレーして、3本です。どのチームも、1試合で少なくとも3回はペナルティーエリア付近でのフリーキックをゲットします」

「ブラジル戦ではそういった所でフリーキックを得ることができ、(吉田)麻也がバーに当てました。そういった惜しいキックもありましたから、良いキッカーは既にいるのかもしれません。ただ、フリーキックを得ることができていません。そして、PKもブラジルがあの1試合で2回ゲットしました。我々はこの30試合で3回か4回くらいです。ブラジルは同じ期間で15回、20回のPKを蹴ることができています。そういったデータを変えるためにも選手たちとしっかりトレーニングして、彼らにも進化してもらいたいと思います」

「南アフリカワールドカップでも日本が突破できたのはフリーキックでの得点が2得点あったからだと思います。PK、フリーキックはもっと沢山ゲットしないといけません。30試合で、ペナルティーエリア付近のフリーキックが3つ4つしかないというのは、少なすぎると思います。もちろん、そういったトレーニングをする時間も、もっと欲しいと思っています。選手たちと過ごす8日間、9日間で、私は選手たちに沢山のメッセージをピッチ外でも伝えていきたいと思います」

「私はフォワードでしたから、どういう風にすればPKやフリーキックを得ることができるのか分かっています。私はそのスペシャリストといっても過言ではないと思います。そういった経験を選手たちにも伝えていきたいと思っています。そしてもちろん、ワールドカップ直前の準備期間ではより長い時間そういったトレーニングもできます。フリーキックが無ければ、フリーキックを蹴ることはできません。そして、試合前のミーティングでも毎回、ペナルティーエリア付近でフリーキックをゲットしようということを言っています。ただ、まだ私が希望しているところまでフリーキックを得ることはできていません。そういった細かいこともしっかり分析し、改善するトライをしていきたいと思います」

――新しいキッカーは決まっていますか?

「例えば、初瀬(亮)は右足でも左足でも蹴れます。清武(弘嗣)もキッカーに慣れる選手ですが、クラブでは蹴っていませんね。また、井手口(陽介)も蹴れます。そのようなスペシャリストがいますが、これは個人でトレーニングしてもらわなくてはならないものでもあります。例えば井手口の場合は、1本目のキックは低すぎるボールになってしまいます。2本目、3本目で良いキックをみせています。そういった細かいところも、我々は見ながら考えています。もちろん、キッカーになる選手には居残りで練習してもらっても良いと思います」

――新しいメンバーも多いですが、誰にリーダーシップを期待しますか?

「リーダーシップをとる選手は基本的に経験のある選手になったりします。このチームに1つ弱点があるとしたら、もしかしたらコミュニケーションかもしれません。特に、中央の選手たちにそれは期待しています。長谷部がいれば、彼がチームの中心となって声を出しています。しかし長谷部がいない時、そういった問題が出てきます。私は毎日そういったところを励まし、ウォーミングアップの中でも、選手たちが声を掛け合いながらトレーニングするものを取り入れたりしています」

「しかし、ゲームではあまり選手たちの声が聞こえてきません。叫ぶ選手、呼ぶ選手。そういったことがあまりありません。その中でも経験のある選手にはそういった役割を期待しています。しかし、年齢はあまり重要ではありません。20歳であっても30歳であっても。ポジションがコミュニケーションを要求することもあります。声を出さなくてはならないというところであれば、しっかり声を出して改善していかなくてはなりません。まだ、キャプテンは決まっていません。もちろん、キャプテンに値する選手を見極めたいと思っていますが、キャプテンになるための素質には色々とあります。例えば、沢山ゲームに出ていても声が出ていない選手もいれば、より声の出ている若い選手もいます。チームでは声を出す選手が必要です。練習の中でも誰がキャプテンになるべきか、誰がコミュニケーションを取るべきかといったことも、しっかりと見ながらやっていきたいと思います」