ピッチでもっと叫べ! ”弱点克服”へ、ハリルが要求する長谷部に代わるリーダーの出現

写真拡大

指揮官が問題視する、日本代表内のコミュニケーション不足

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、国内組で固まった12月のE-1選手権に向けたメンバー発表会見で、リーダーシップとコミュニケーション能力の欠如という課題を繰り返し、その克服を選手たちに課した。

 ハリル監督は「欠かすことのできない我々のキャプテン」と呼んで信頼を隠さない、MF長谷部誠(フランクフルト)の存在を引き合いに出し、その課題を語った。

「リーダーシップを取る選手は、基本的に経験のある選手になる。このチームに一つ弱点があるとすれば、コミュニケーション。特に中央の選手たち。長谷部がいれば、彼がチームの中心となって声を出す。長谷部がいない時に、そういった問題が出てくる」

 就任以来、長谷部のキャプテンシーを頼りにしてきたハリル監督だったが、今年は問題が噴出した。ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で大きな分岐点になると見られた敵地UAE戦(2-0)を前に、長谷部がブンデスリーガのゲームで負傷、チームを離脱して手術を受けた。それにより、長期間にわたって長谷部を欠くことになったが、そうなってみた時にチーム内のコミュニケーションの部分で齟齬が出てきていた。ハリル監督はここ数回の代表活動のたびに繰り返して、その課題を語ってきた。

「毎日、繰り返し、繰り返し要求している。ウォームアップでも選手たちが声をかけ合うものを取り入れている。しかし、ゲームでは選手の声が聞こえてこない。叫ぶ選手、呼ぶ選手、そういったことがあまりない。このリストでも経験のある選手には役割を担って欲しい。でも、年齢はあまり重要ではない。20歳でも30歳でもいい。ポジションがコミュニケーションを要求することもある」

「キャプテンに値する選手を見極めたい」

 今回の招集メンバーでは、MF今野泰幸(ガンバ大阪)は世代的にもベテランにあたる。しかし、ハリルジャパンの招集歴という意味では、GK東口順昭(ガンバ大阪)やFW小林悠(川崎)といった選手たちの方が明らかに多い。最終ラインではDF昌子源(鹿島)などもハリルジャパンの常連になっている。そうしたキーになるポジションの選手たちが、求心力を発揮していくことが求められている。

 もちろん、国際Aマッチウィークではない今大会には、ドイツでプレーする長谷部は招集できない。ハリル監督は「まだキャプテンは決めていない」と話し、基準を満たす選手を探すことも明らかにしている。

「もちろん、キャプテンに値する選手を見極めたいが、その条件はいろいろある。たくさんのゲームに出ていても声が出ない選手もいるし、より声の出る選手もいる。チームでは声を出すという選手もいる。練習の中でも誰がキャプテンになるべきか、誰がコミュニケーションを取るべきかも見極めたい」

 今回は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝した浦和の選手たちがいないものの、国内組で来年のW杯本大会に出場する可能性を持つ選手たちが招集されていることは明らかだ。そうした時に、“国内組のリーダー”になり得るのは誰なのか。ピッチの外側でもまた、指揮官の厳しい目が光っている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images