(写真=JTBC『舌戦』より)

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2014年に日本でも話題になった「ナッツ・リターン事件」を覚えておいでだろうか。

“ナッツ姫”こと大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長が自社機に搭乗した際、ファーストクラスで出されたナッツの出し方に激怒し、サービス責任者を機内から降して離陸を遅らせた前代未聞の事件だ。

当時、趙氏の横暴っぷりに非難が殺到したのは言うまでもないが、その後も財閥2・3世による不祥事は相次ぎ、傍若無人な振る舞いをする彼らへの風当たりも強まった。

(参考記事:サムスン後継者にナッツ姫…韓国の“財閥2世”たちはなぜ、不祥事ばかりを起こすのか

ところが、そんな財閥3世の中で「非の打ちどころがない」と絶賛される人がいる。

崔泰源(チェ・テウォン)SKグループの会長の次女、チェ・ミンジョン(26)だ。

創業者の祖父と経営権を譲り受けた父を持つ財閥3世で、盧泰愚(ノ・テウ)韓国13代大統領の孫娘。

まさにロイヤル・ファミリーのご令嬢というわけだが、実は誰もが驚くような職業に就いている。それはズバリ、軍人。しかも劣悪な環境で有名な海軍所属だ。

2014年11月、女性としては初となる首位の成績で海軍将校に任官し、4400トンの駆逐艦「忠武公李舜臣(チュンムゴン・イスンシン)」号の戦闘情報補佐として中東・アデン湾で海賊対処などの任務を遂行。

約3年の軍生活を終え、明日11月30日に除隊する予定だ。

入隊どころか軍隊を免除してもらうためには手段を選ばない財閥3世が多い中、自ら軍隊を選んだことには恐れ入るばかり。

しかも、彼女の選択を受け入れ、見守っていた周囲の人々もただものではない気がする。

彼女の中国留学時代のエピソードも興味深い。

中国で中学高校を卒業し、名門校・北京大学に進学した彼女は、大学生の頃に親からの援助を一切受けず、コンビニとワインバー、家庭教師のバイトや奨学金で生活していたという。

2012年に『国民日報』が掲載した記事によると、当時時給4000ウォン(約400円)だったコンビニバイトは「やりやすかったけど給料が少なくて残念だった」とか。また、ワインバーでは11時間も接客していたことや、何度もグラスを割って店長に追い出されたこともあったそうだ。

現在、除隊後の予定はまだ明らかにされていないが、韓国のメディアは「SKグループ社への入社や経営に参加する可能性は低い」と踏んでいる。

ただ、SKグループが進めている企業の社会的価値創出に関する仕事には関わる可能性もあるとの分析も出ており、ネット民からも「父から経営権を譲り受けてSKグループを世界で最も素晴らしい企業にしてみては?」「この精神力なら、どの職業に就いても上手くやれる」「どんな選択も尊重します」という応援の声が寄せられている。

あの“ナッツ姫”とは別次元にいるようなチェ・ミンジョン。どうせなら、とことん一風変わった人生を歩んでほしいものだが、はたして。

(文=李 ハナ)