セットプレー不足を嘆くハリル監督 “職人”として奥義伝授を約束「経験を伝えたい」

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30試合で得られたFKは3本 指揮官も問題視「良いキッカーはいるかもしれないが…」

 日本代表を率いるバヒド・ハリルホジッチ監督は29日、12月に味の素スタジアムで開催される「EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会」に挑むメンバー23名を発表。

 記者会見では、セットプレーからの得点が少ない点を課題として言及した。

 今月初旬に行われた欧州遠征2試合では、ブラジルとベルギーに敗れた日本。攻守両面で課題は山積だが、指揮官は「直接FKで日本が得点を決めた最後がいつだったかお分かりですか?」と記者陣に問いかけ、セットプレーの重要さを語った。

「(最後にFKで得点してから)もう数年経っています。また、ペナルティーエリア付近でどれだけ我々がFKを蹴っているのか。30試合で3本です。どのチームも1試合で少なくとも3回、ペナルティーエリア付近でFKをゲットしています。ブラジル戦ではそういったところでFKを得ることができ、(吉田)麻也がバーに当てた。良いキッカーはいるかもしれませんが、FK(の機会)がない」

 ハリルホジッチ監督はキックの精度という以前に、チャンスに直結するFK獲得回数が圧倒的に足りないと指摘。これまでも日本にはPKを奪いに行く文化がないと嘆いていた指揮官は、「PKもブラジルはあの試合で2回ゲットしました。我々は30試合で3回か4回です。ブラジルは同じ期間で15回くらいあります」と、強豪国と比較した上でゴールに近い位置でのセットプレーの重要さを改めて主張した。

「どうすればFKやPKを得られるか分かる」

「PK、FKはもっとたくさんゲットしなければいけない。30回でエリア付近のFKが3つか4つというのは少なすぎると思います。そういったトレーニングをする時間がもっと欲しいと思っているが、選手たちと過ごす8日間、9日間でたくさんのメッセージをピッチ外でも伝えたい。私はFWでしたから、どうすればFKやPKを得られるか分かっている。私はそのスペシャリストだったと言っても過言ではない。そういう経験を選手たちに伝えたい」

 自らをPKやFK獲得の“スペシャリスト”と豪語する指揮官は、その奥義を選手に伝授するという。

 2010年南アフリカ・ワールドカップでは、グループステージのデンマーク戦(3-1)でMF本田圭佑(パチューカ)とMF遠藤保仁(ガンバ大阪)が直接FKを決めたことが記憶に新しい。DF田中マルクス闘莉王(京都サンガF.C.)や中澤佑二(横浜F・マリノス)ら長身選手もいたことからセットプレーは大きな得点源となっていた。かつては不動のFKキッカーにMF中村俊輔(ジュビロ磐田)が君臨していたことから日本にとっては大きなストロングポイントになっていただけに、本大会でキーポイントになりそうだ。

 ハリルホジッチ監督は、「初瀬(亮)は右足でも左足でも蹴れる。清武(弘嗣)もキッカーになれるし、井手口(陽介)も蹴れる」と現陣容にもキッカーは充実していると語っており、どれだけ良い位置でセットプレーを獲得できるかが重要。ポストプレーが巧みなFW金崎夢生(鹿島)やドリブルで仕掛けられるFW伊東純也(柏)といったアタッカー陣の活躍に期待が懸かる。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images