内藤廣選考委員長(右)から賞を贈られる黄聲遠さん(左)=田中央工作群提供

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(台北 29日 中央社)台湾人として初めて吉阪隆正賞を受賞した建築家・黄聲遠(ホアン・シェンユェン)さんと黄さんを中心とする台湾の若手建築家グループ「フィールドオフィス・アーキテクツ」(田中央工作群)。早稲田大学(東京都)で27日に行われた第4回授賞式に代表として出席した黄さんは、「これまで歩んできた道のりにおいてわれわれは決して孤独ではなかった。これからも努力を続けていく」と語った。

黄さんは1963年に台北に生まれ、東海大学(台中市)で建築を学んだ後、米イエール大学に留学。帰国後の1994年から北東部・宜蘭に移住し、田中央工作群を設立した。

同賞は日本を代表する建築家、吉阪隆正の没後30周年を記念して2011年に創設された。吉阪の精神を引き継ぎ、生活文化に寄与する個人や団体に隔年で授与されている。黄さんが宜蘭の事務所で若者と共に議論しながら建築を作り、その建築が人を結び付ける触媒となっていることなどが評価された。

選考委員会は黄さんについて、「環境認知や生態系などの観点から、宜蘭固有の風土を整理する」と紹介。コミュニティーの価値と背景を掘り起こすことで自由に、自主的な空間形成を促す黄さんの信念や独特の計画手法は、多くの建築家・学生に刺激を与え続けるとしている。

同賞の選考委員長、内藤廣東京大学名誉教授は吉阪の教え子の1人。黄さんの作品について、これこそが人を中心にした建築だと評価。吉阪が立ち上げた事務所「U研究室」の精神とも非常に近いと述べた。

(江佩凌/編集:楊千慧)