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●医療費控除をする際は確定申告書等作成コーナーの利用が便利

医療費控除の対象となる医療費や計算方法をしっかりと把握しておきましょう

年末が近づき、医療費控除という言葉を耳にする機会が増えてきました。医療費控除とは、生命保険料控除や配偶者控除のような所得控除の一つです。その年の1月1日〜12月31日までの1年間に自分自身、または生計を一にする家族のために支払った医療費の自己負担分が一定金額を超える場合、税金が還付されるという制度です。

何かと物入りなこの時期、少しでも税金を取り戻せるよう、医療費控除の仕組みや条件、申告方法などについてしっかり確認してみましょう。

○国税庁のサイトを有効活用

企業に勤めている場合、会社から渡された年末調整用の申告用紙に生命保険料控除証明書などを添えて提出した人が多いでしょう。医療費控除も所得控除の一つなら年末調整で済むと思いがちですが、確定申告をしなくてはいけません。

会社員ならば、確定申告には縁がない場合が大半です。また、わざわざ会社を休んで税務署に出向くことにハードルの高さを感じる人もいるかもしれません。そのような場合は、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用してみましょう。会社からもらった源泉徴収票および医療費の明細などを確認しながら必要箇所を入力していき、印刷したものに押印して郵送すればOKです。これなら手軽に医療費控除の申請ができそうですね。

また今年(平成29年分)から医療費控除の申請の際、領収書の代わりに医療費控除の明細書を添付することとなり、領収書の提出が不要となりました。これにより、さらにスムーズに確定申告をすることができそうですね。ただし、領収書は5年間保管する必要があります。間違って捨ててしまったということのないよう、保管先はしっかり決めておきましょう。

●医療費控除の対象にタクシー利用が含まれる場合も

○医療費控除の対象金額の計算法

さて、医療費控除を申請するためには、まず1年間に医療機関の窓口などで支払った医療費を計算することから始めます。自分が支払った金額から保険金などで補填される金額があれば差し引き、さらに10万円を引いて算出された金額が医療費控除の対象金額です。なお、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、この計算式に替え、総所得金額等の5%が対象金額となります。

支払った医療費は、自分の分を含め世帯全体分を合計することができます。ちなみに、ここでいう医療費とは「診療または治療の対価」および「治療または療養に必要な医薬品の購入の対価」。つまり、病気やケガで入院・通院したわけではなくても、治療目的なら薬局などで風邪薬や胃薬を買った場合でもいいのです。

「それでも年間10万円を超えるような医療費なんて払ってない」という人も多いでしょう。ただ、以下の条件に該当する場合は、医療費控除が利用できないか今一度確認してみましょう。

■本人または配偶者が妊娠・出産した

■介護保険制度の下、一定の施設・居宅サービスを受けている親の自己負担分を支払っている

■子供の視力矯正や歯科矯正にかかるお金を払った

例えば妊娠・出産に関しては、妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用が対象になります。また、出産で入院するときに電車やバスの利用が困難でタクシーを利用した場合のタクシー代も対象です。なお、出産に限らず他の病気やケガで入院・通院する際の交通費も対象です(自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外)。

そのほか、歯科矯正でも大人が美容上行う矯正は対象外ですが、子供の歯列の悪さからくる身体への不具合などを避けるため、かみ合わせの矯正をする場合などは対象となります。

○医療費控除の対象は意外と幅広い

このように医療費控除の対象は案外広いです。これらの対象項目を踏まえると、「結構な額の自己負担をしているな」と感じた人もいることでしょう。自分には関係ないと思わず、この1年を振り返り支払った医療費をチェックしてみましょう。

ただし、前述したように医療費控除の対象となる医療費は、あくまで治療や療養を目的とするもの。病気予防や健康増進のための支払いは、セルフメディケーション税制の適用を確認してみましょう。支払った医療費が美容目的の場合は、医療費控除とセルフメディケーションともに適用されないことには注意してくださいね。

※写真と本文は関係ありません

○筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。