お手伝いロボットはできない
 ―ロボットがもたらす未来とはどんなものでしょうか。
 「ロボットへの期待が大きい分、誤解がある。家事を何でもこなすお手伝いロボットは未来永劫(えいごう)できない。何でもできれば良いのかというのも疑問で、『朝食を作って』とロボットに言うと『いま掃除中で、洗濯もまだなのでその後作ります』となるかもしれない。トースターと掃除機、洗濯機の機能が意味なく一体化するようなものだ。機能ごとの専用機械が連携して同時並行でこなせば良い」

 ―ロボット開発の人材を育てるには。
 「学校の教育ではできないかも知れない。技術とデザインだけでも両立する人が少ない。さらに、ソフトウェアやロボットビジネスを育てるエコシステムのような仕組み作りまでできる人材となると、イーロン・マスク氏くらいの希有な存在だ。だが、サービスロボット産業が未成熟なのは産業を創造できるチャンスであることは間違いない。意欲を持ってロボットの世界に挑戦してほしい」

【略歴】
 高橋智隆(たかはし・ともたか)2003年京都大学工学部卒業と同時にロボ・ガレージを創業。以降、ロボットクリエーターとして活動する。現在、ロボ・ガレージ社長、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授。滋賀県出身、42歳。