木材をつかむ万能グリッパー(神戸高専提供)

写真拡大

 神戸市立工業高等専門学校の清水俊彦准教授と妙徳は共同で、重量物や不定形物でもつかむことのできる万能グリッパーを開発した。つかむ対象に合わせた変形機能と真空吸引を組み合わせた。天井に貼り付けた状態で人間がぶら下がることも可能だという。1万回以上の吸着耐久性を確認した。技術移転を進め、実用化を目指す。1―2年程度での実用化を目指す。

 グリッパー内部に粉体を充填し、対象に合わせて変形させて密着させることができる。粉体に空気を吹き込むと、粒子と粒子の間に隙間が生まれ液体のようにグリッパーが変形。空気を抜くと粒子同士がかみ合い、固体として振る舞う仕組みだ。

 この変形機能に真空吸引を組み合わせた。把持対象が平らでなくても変形して密着するため、吸引時に真空度を保てる。ただ、変形機能だけだとグリッパーと密着した面の摩擦力で対象を持ち上げるため、これまで重い物は扱い難かった。

 そこで今回、吸引機構を工夫し、数万回レベルの繰り返し耐久性を実現した。粉体変形部が真空吸引の流路に巻き込まれない構造を採用。巻き込み防止用の消耗部品が不要になった。

 変形用と真空吸引の空気流路を切り替えれば、一つの真空ポンプで駆動する。真空吸引を使っている生産ラインなら周辺設備を変えずに導入可能。把持対象の形が変わっても、その都度グリッパーを変更しなくてすむため、多品種少量生産のラインや形がふぞろいな野菜を扱う食品工場などに提案していく。