日曜ワイド「ハルさん〜花嫁の父は名探偵!?」は12月3日(日)朝10時から放送/(C)テレビ朝日

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藤野恵美の人気小説「ハルさん」(創元推理文庫)を初ドラマ化した「ハルさん〜花嫁の父は名探偵!?」(テレビ朝日系)が、12月3日(日)朝10時から「日曜ワイド」の新企画として放送される。

【写真を見る】生瀬勝久は、男手一つで娘を育てる人形作家を演じる!/(C)テレビ朝日

妻を亡くし、男手1つで娘を育て上げてきた人形作家の父“ハルさん”こと主人公・春日部晴彦を演じる生瀬勝久にインタビューを敢行。

作品の見どころの他、共演者の印象、さらに現場の様子など話を聞いた。

――生瀬さんが普段演じられている役より、すごく穏やかな役という印象を受けましたが、今回、ハルさん役に決まったときの感想を教えていただけますか?

イメージは、そうですよね(笑)。でも意外にね、こういう役もやっているんですよ。

台本を読ませていただいて、とってもいいお話で、心があったまるなあと思いました。このお話をどういうふうに演じようかなって考えましたね。

――ハルさんを演じるに当たって、工夫されたことはありますか?

もともとサラリーマンで、人形作りが好きで、結局会社を辞めて人形作家になって、娘さんがいて、奥さんを不慮の事故で亡くした方。いろんな背景があるので、そこから、娘に対する思いとか、亡くなった奥様に対する思いとか、役をどう表現するか、いろいろなことを監督さんとお話しました。

――奥さん役の緒川たまきさんとの掛け合いはいかがでしたか?

緒川さんは、僕、何度も舞台をご一緒しているのですが、映像は(今作が)ほとんど初めてでした。普段から舞台の稽古場でよく知っている方ですし、彼女自身が少し不思議な方なので、すごくやりやすかったです。

普段から、すごく面白いんですよ。僕らの考えること以上のことをおっしゃるので。

――緒川さんに関して、何か面白かったエピソードはありますか?

パンをご飯に例えたり、よく分かんないんですよ、彼女。おいしいパンを食べながら「本当においしいご飯を食べているみたい」とか言って。「なぜご飯に例えるの?」って聞くと「両方とも主食でしょ?」って(笑)。彼女らしい、独特な世界観です。

――飯豊まりえさんと共演されていかがでしたか?

バラエティーではご一緒したことがあったし、そんなに掛け合いはなかったですが「学校のカイダン」(2015年、日本テレビ系)で共演していますね。その当時、彼女は高校生くらいでした。

今回は娘役じゃないですか。本当に心配になりました。(作中で)結婚相手を連れてきたときには、「こいつでいいのか?」って思いました(笑)。

――「学校のカイダン」で共演されたときと、今回共演されたときとでは、飯豊さんの印象はいかがですか?

「学校のカイダン」のときの飯豊さんは生意気な感じで、グループで反発するような役だったんですけど、今回はしっかりした娘役だったので、やっぱり印象が違いますよね。とってもきれいになっていたし。

――ミステリーというと、やっぱり殺人事件が起きて、解決していくっていうのが定番ですが、この作品は誰も殺さないし、殺されないっていうところがすごく魅力かなと思いました。生瀬さんは、そのあたりどう思われましたか?

僕は絶対にそっちの方がいいし、いろいろな世代の方に見ていただける作品だなと思っています。日曜の午前中に、とっても幸せになれる作品だな、とコメントしておきます(笑)。本当にシリーズものにしてほしいなっていうくらいです。

――ふうちゃん(風里)との15年前のいろいろあった出来事、事件をずっと見ていくハルさんを演じていて、より「自分はお父さんなんだ」という気持ちになりましたか?

うちは子供がまだ小学生の男の子なんですよね。でも、彼は男ですから、女の子だったら余計にもっと思いはあるんだなっていう気がします。きっと成人したときに、いろんなことがあって、あれだけかわいかったとか、頼りなかった子が、一人の男になり、女になる過程は、親としての一番ドラマなんじゃないかなと思いますね。旅立っていく者を送り出す気持ちっていうのは。

――先ほど飯豊さんの印象をおっしゃっていただいたんですが、飯豊さんに限らずとも、若手の方から受ける刺激みたいなものもありますか?

とにかく体力も知力も筋力も、みんな若い人たちにはあってうらやましいんですけど、やっぱり同じ仕事ですから、これから彼ら彼女らがどういうふうになっていくのか。とにかく大変だよ、ってことは言ってあげたい。それで、「絶対私は抜かされないよ」って言いたい(笑)。

結局同じ土俵なんですよね。僕が年を取っているからとか、キャリアがあるからとかじゃなくて、今この作品で共演しているという。別に親心とかそんなんじゃなくて、今お仕事が楽しいって思うことが一番だなと僕は思うんです。

やっぱり僕らも若いときは調子に乗っていたし。「そんなんじゃダメだよ」って思うときもあるんですけど、余計なお世話ですからね。

――生瀬さんは、役者生活としてはもう30年以上になりますけど、ずっと続けてこられた理由は何だと思いますか?

ただ単に好きだからですね。演じることが好きだから。たぶんこういうお仕事は、僕には合っているのだと思います。本当にこのお仕事で良かったです。

――ハルさんが劇中で「人形作家というお仕事は大変だけど、やりがいがあって楽しい」と言っているシーンがありましたよね。

まさにそうですね。それは、すごく共感できました。お金うんぬんじゃなくて。もちろん僕は、小劇場出身ですから、自分の好きなことをやって、それが対価としてもらえるなんてことはあり得なかったんですよ。それが、こういうお仕事をして、ギャランティーが頂けるっていうことは、もう、ご褒美みたいな感じなんです。“対価”じゃなくて“ご褒美”なんですよ。でも、ハルさんの人形を作りたいっていう気持ちは、ものすごく僕よりたぶんピュアだと思うんです。やりがいがあるという気持ち、分かります。自分が作るんだっていう気持ちですよね。

――特にそのやりがい、というのはどういう瞬間に感じますか?

私はやっぱり、もちろん褒めていただければうれしいですし、「面白かったよ」「笑ったよ」とか、「あのキャラクター良かったね」って言われることでしょうね。自分で自分の作品を見てうんぬん考えることはあります。できなかったこととか、「ああ、ちゃんと自分の思い通りにできたな」とか。でもそれは結局、自分の価値観だから、やっぱり第三者の人に、信頼できる人に褒めてもらうことが、一番自分にとっての達成感となりますね。

――これも劇中のセリフですが、俳優というお仕事も「自分の居場所だな」という感覚はありますか?

あります。他の職業はちょっと(考えられない)。お仕事がなくなったら僕はいろいろ探すかもしれないですけど、今のところはこのお仕事をさせていただけるのに越したことはないですね。

――この先、他にやってみたいことはありますか?

それがないんですよ。やってみたいことはない。自分がやりたいって思うことは全然なくて、「やってもらいたい」って言われたい。「この役をやってもらえないか」って言われることが、たぶん僕にとっての一番うれしいことなんです。

――人のために演じたいということですか?

自分がもし何かやりたいと思うんだったら、自分で(脚本を)書いて、演出して、やるしかないと思うんで。例えば僕が「漁師の役をやりたいです」って言って、それは誰に言えばいいのかっていう。

「今度、どういう役をやりたい!」っていうのは、ないですね。例えば言ったとして、それに応えていただけるんですか?って話ですよ(笑)。

――あるかもしれないじゃないですか(笑)。

いやもう、別にいいです、いいです(笑)。例えば、シェークスピアの「ハムレット」を演じたいとか、既成の台本とか、そういうものがあるのなら別ですけど、そんなのはないですし。

――生瀬さんは、ご自分の人生を振り返って一番の事件って何ですか?

あ、もう振り返りますか!(笑)

一番の事件はきっと…。僕、大学卒業して、就職活動していたんですけども、内定が決まっていたんですよ。それを両親の前で「ちょっと考えさせてくれ」っていう。演劇をもう少しアルバイトしながらでもやりたいって言った、それがすべてのターニングポイントですね。

学生演劇、小劇場でずっとやっていて、それはもうお金にもなんないし、一生の仕事にはならない時代でしたから。

そこで学生時代のモラトリアムということで演劇をやっていたんですけど、要するに今まで決めていた線路を自分から変えたまま、本職ではないけども、お芝居をやりたいというふうに決めたことがたぶん、一番の転機だと思います。

頭で考えたんじゃなくて、体が「そっちにしといた方がいいよ」っていうふうに思ったんです。23、4(歳)かな。何のビジョンもない。でも就職はある程度のビジョンがあって。

どこそこっていう会社があって、そこでどんな仕事をするか分かんないけど、そこにとにかく入るっていうビジョンがあったんですけど。全くビジョンのない方へ自分を持って行ったのが、自分の中でのターニングポイントですね。

――いろんな役を演じられていると思うんですが、いつも撮影現場には役作りをご自身でガッツリされてから行かれるんですか?

僕はあんまり(役作りを)しないですね。共演者の方と、顔を見て、声を聞いて、セリフを合わせてみて、そこで何か感じるものを大事にするので、自分で用意は絶対してこないです。

――現場で、監督や共演者の方と話しながら作っていくということですか?

もちろんそれまでに話し合うこととか、決めておくことはやるんですけど、まず舞台なんていうのはひと月くらい稽古がありますんで、そこでああだこうだって考えながらやるんです。

でも、映像って結構その場でやっちゃう場合が多いので、本当に声聞いて、どういう口調で何かを訴えられるのか、それに対してどう応えるのか、ということを大事にしています。

――日頃から役者さんとしてやっていくために、何かされていることはありますか。

面白い人がいたら、その人をずっと観察しています。街中でもどこでも。今こうやってでも(笑)。喋り方とか、その人の特徴で、その人の印象を、どういうふうにすればそういうふうな人に見えるのかって。喋り方の癖とか。

非常に印象のいい人であれば、なぜその人の印象がいいのか。失礼だったら、何が失礼なのかということをインプットします。人と話せば話すだけ、引き出しが増える。もう自分の癖ですね。

――気を付けてやってるんじゃなくて、そうなってしまうのですね。

もう職業病です。だから電車とか乗れないですよ。電車とか乗ったらもう、情報が多過ぎて。何でこの人はこういう格好をしているのか。何でそんなに下を向いているのかっていうことが気になってしょうがないんで。なるべく電車には乗らないです。顔を指すとかじゃなくて、情報が多過ぎるので。(ザテレビジョン)