▽29日、明治安田生命J1リーグ第33節で2位の川崎フロンターレが7位に位置する浦和レッズの本拠地である埼玉スタジアム2002に乗り込む。

▽前節敗れた時点で首位につける鹿島アントラーズ(前節終了時点勝ち点70)の2年連続9度目となる優勝が決まる状況下、ガンバ大阪戦を1-0で勝利して首の皮一枚つないだ川崎F(勝ち点66)。自力優勝を目指す鹿島が先に行われた26日の柏レイソルとの今節を引き分けたことで、川崎Fの逆転優勝の望みがつながった。現在、川崎Fと鹿島の勝ち点差は「5」。この一戦に勝利できなかった瞬間に優勝の可能性が潰える川崎FがACL王者の浦和撃破を狙う。

◆アジアの頂を目指した両者

▽上記の通り、ACLは浦和の優勝で幕を閉じたが、その中には準々決勝での両者の激闘があった。第1戦では川崎Fが3-1で勝利してクラブ初のベスト4進出に大きく前進。しかし、第2戦で浦和が先制されながらも猛反撃を見せて4-1の大逆転勝利を収めた。9年ぶりベスト4進出を果たした浦和はその後、準決勝で上海上港(中国)、決勝でアル・ヒラル(サウジアラビア)を破り、10年ぶり2度目のアジア制覇を成し遂げた。

◆歓喜の地で誇りとプライドを〜浦和レッズ〜

▽アジア王者に輝いた浦和だが、リーグ戦においては7位と中位に位置。すでにACL出場圏内である3位の可能性もなくなり、勝ち点的にもこれ以上の順位上昇を見込めない状況だ。さらに、アル・ヒラルとの決勝第2戦から中3日と過密日程を強いられており、疲労とモチベーションの面で難しさを抱える。

▽それでも、アジアを制覇して初めて立つ歓喜の地で、不細工な試合は見せられない。12月9日にはクラブワールドカップ初戦を控えており、世界の強豪クラブとの対戦に向けた準備期間にすでに入っている。そういった面を考慮すると、モチベーション高き川崎Fは、世界大会に向けてうってつけの相手。過密日程の影響で大幅なメンバー変更も考えられるが、出場する選手にとってはアピールのチャンス。初タイトル獲得の夢を打ち砕き、アジア王者としての誇りを見せつけたい。

◆屈辱の地でリベンジを〜川崎フロンターレ〜

▽ここまでリーグ13戦無敗中。川崎Fが2位に浮上した第25節終了時点で「6」差がついていた首位・鹿島との勝ち点差も紆余曲折を経て前節ようやく「4」差とした。さらに、今節鹿島が引き分けたため、最終節を前にその勝ち点差を「2」に縮めるチャンスを迎えた。現時点で、得失点差では鹿島に11ポイントもリードしている状況。今節勝利すれば次節鹿島は自力優勝へ勝利が絶対条件になるという大きなプレッシャーをかけることができる。

▽しかし、今シーズンの川崎Fにとって埼玉スタジアム2002はACL準々決勝第2戦で大逆転勝利を許した屈辱の地。さらに、セレッソ大阪との2017JリーグYBCルヴァンカップ決勝で悲願の初タイトルを目前で逃したのもこの会場だった。これ以上、この場所でタイトルを手放すことはできない。勝利以外許されない重圧の中、屈辱の地でリベンジを果たして何が何でも最終節に望みをつなげたい。

【予想スタメン&フォーメーション】

◆浦和レッズ[4-1-4-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:西川周作

DF:森脇良太、マウリシオ、阿部勇樹、宇賀神友弥

MF:青木拓矢、駒井善成、柏木陽介、矢島慎也、高木俊幸

FW:興梠慎三

監督:堀孝史▽ここまで出場機会が少なかった選手たちにもチャンスが与えられると見る。代表戦からの連戦が続いたDF槙野智章とMF長澤和輝は休息をとり、ディフェンスラインではDFマウリシオ、DF森脇良太が入るだろう。また、前々日の練習で治療によりACLスタメン組の調整からも外れたFWラファエル・シルバがメンバーから外れて、両サイドハーフは、右がMF駒井善成、左はMF高木俊幸が務めると予想する。

◆川崎フロンターレ[4-2-3-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:チョン・ソンリョン

DF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎

MF:大島僚太、エドゥアルド・ネット、阿部浩之、中村憲剛、家長昭博

FW:小林悠

監督:鬼木達▽最終節に望みをつなぐため、前節同様のベストメンバーでこの一戦に望む。左サイドバックにはACL準々決勝第2戦で一発退場を犯し、浦和に勢いを与えてしまったDF車屋紳太郎が入る。前節終盤に足を痛めた様子が見られたMF大島僚太は問題なく先発でスタートするだろう。

【キープレーヤー】

◆FW興梠慎三(浦和レッズ)
Getty Images
▽浦和のキープレーヤーには今シーズンここまで20ゴールを記録しているFW興梠慎三をチョイス。連戦が続く中でも消化試合となってしまったこの一戦に強く意気込んでいるのがこの男だろう。シーズン序盤から得点ランクトップを独走しながらも、前節セレッソ大阪のFW杉本健勇に2ゴール差をつけられて単独トップに立たれた。ここ埼玉スタジアム2002でのACL準々決勝第2戦で大逆転勝利への口火を切った川崎F相手にゴールを奪い、首位奪還へラストスパートを切りたい。

◆FW小林悠(川崎フロンターレ)
Getty Images
▽川崎Fはここまで19ゴールで興梠同様得点王争いに参戦しているFW小林悠をピックアップする。今シーズンは主将というプレッシャーもありながら、すでにリーグ戦の自己最多得点記録を更新。さらに浦和との公式戦ではここまで3試合4ゴールと苦手意識はない。勝利以外許されない状況で必要なのは、間違いなくこの男のゴール。主将の一発で逆転優勝を目指すチームを勢いづかせたい。