頼清徳行政院長

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(台北 28日 中央社)完全週休2日制を定めた労働基準法の再改正について、頼清徳行政院長(首相)は27日、中央社のインタビューで、使用者だけでなく労働者にも柔軟性を持たせるものだとし、労働者を保護する中心的柱に変更はないと述べた。頼院長がメディアの単独インタビューに応じるのは9月の就任後初。

現行労働基準法は昨年12月に改正されたばかり。6日を超える連続出勤の禁止、労使の合意があれば勤務を要求できる「休息日」に出勤した際の残業時間数切り上げ、1カ月の残業時間の上限を46時間とするなどの規定が盛り込まれており、柔軟性の低さなどにより使用者側から見直しを求める声が上がっていた。労働部(労働省)は先月末、残業時間数や退勤から出勤までの間隔に関する制限の緩和を盛り込んだ再改正案を公表。現在は立法院(国会)での審査が進められている。

再改正は「週休2日」「労使協議」の2つの原則に焦点を絞ると頼院長は話す。1日8時間、週40時間の労働時間上限、週休2日の精神、残業代の計算方法は変更せず、この4つの柱で労働者の権利をしっかりと守った上で、使用者と労働者に勤務割の柔軟性を持たせると説明した。

頼院長は、台南市長在任中に台湾新幹線(高鉄)に乗った際、近くの席にいた男性が改正労働基準法施行によって「息子の収入が2万台湾元(約7万4200円)近く減った」と嘆くのを耳にしたと明かす。また、市民と交流した時には、法改正のために残業を認められず「参っている」との訴えを聞いたという。

頼院長は給与が一定の基準に達する前までは労働者はできるだけ多く残業をして収入を増やしたいと考え、基準を超えれば残業意欲は下がると説明する理論に触れ、台湾は全体の環境でいえばその基準に達していないとの見解を示す。そのため、勤務時間の割り振りに関する制限の緩和は「労働者を助けることにもなる」と述べた。

1時間半におよんだインタビューで、1時間近くの時間を割いて労働基準法の再改正について語った頼院長。取材場所の応接室に入ると記者とにこやかに握手を交わし、リラックスした面持ちだったが、冒頭から労働基準法について質問が飛ぶと、厳粛な表情に一変。各種のデータや理論、経験を交えながら再改正の理念と背景を丁寧に説明した。インタビュー中、原稿を見ることは一切なく、再改正に向けた強い情熱をのぞかせた。

(顧セン/編集:名切千絵)