「下之橋御門」と「潮見櫓」。ともに県の有形文化財に指定されている

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福岡藩初代藩主・黒田長政公が1601(慶長6)年から7年がかりで築城した「福岡城跡」(福岡市中央区城内)。平地にある丘陵地に建てられた平山城で、大・中・小の天守台と47の櫓があったといわれている。

【写真を見る】「旧母里太兵衛邸長屋門」。母里太兵衛(もりたへえ)の当時の屋敷跡は現在の天神2丁目あたりだったが、ビル建築のため取り除かれ、昭和40年に現在の地に復元された/写真提供:福岡市

本丸、二の丸、東二の丸、南二の丸、三の丸で構成された内城部分だけで41万3900平方メートル、城下の武家屋敷まで含めると246万平方メートルもの広さだったというから、その規模の大きさに驚かされる。

現在は内城を中心とした約48万平方メートルが国の史跡に指定され、当時と同じ場所に建つ「多聞櫓」(たもんやぐら)をはじめ、「潮見櫓」(しおみやぐら)、「旧母里太兵衛邸長屋門」(きゅうもりたへえていながやもん)など、往時を偲ばせる建築物が点在。城内は市街地とは思えないほど自然が豊かで、観光客はもちろん、市民の散歩コースとしても親しまれている。

各所に残る史跡や豊かな自然と見どころ満載の同地で、最も注目なのが天守台跡からの眺め。大濠公園や福岡タワーなど、福岡市街を一望できる景勝地で、歴代藩主たちもここから城下を眺めていたに違いない。

天守閣の有無については現在も議論中で、仮に天守閣が存在していたとすると、天守台の礎石の数や石垣の規模から5層の大天守閣が建っていたと推定されるという。そんな光景を想像しながら散策を楽しむのも一興だ。

[福岡城跡]福岡県福岡市中央区城内 / 092-711-4666(福岡市文化財保護課)、092-781-2153(舞鶴公園管理事務所) / 終日開放 / 無休※駐車場は241台(200円/60分)を完備

【九州ウォーカー編集部/取材・文、撮影=諫山 力】(九州ウォーカー・諫山 力)