今回のビジネス女子マナーは、通信会社勤務の原田かな子さん(仮名・32歳)からの相談です。

「毎年恒例の部内全体の忘年会に、行きたくないのです。お酒が飲めないし、酔っている人を見るのも気持ちが悪いし。毎回、酔った上司にセクハラまがいの質問をされるのもうんざりだし、会費制でお金ももったいない。すでに10年近く参加していますし、さすがにもう、不参加でもいいんじゃないかとも思っています。

でも、なんとなく全員参加が義務っぽい雰囲気で……。社会人として、もっとも正しい断り方で、絶対行かなくていい方法ってないでしょうか」

忘年会がスタートしている人、いつにする?と盛り上がり始めた人もいる時期ですね。社会人のマナーとして、参加したくない忘年会にはどう対応したらいいのでしょうか。さっそく鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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絶対行かなくていい方法は体調不良ドタキャンしかない!?

何かと理由をつけて飲みたい人や、忘年会を思いっきり楽しんじゃう人がいる一方で、正直言うと気乗りしない、だけど行かなくちゃ……と重い腰を上げて職場の忘年会に参加する人もいますね。

お酒が飲めない、飲まない人が増えている昨今、後者のように負担を感じる人のほうが多いかもしれません。

ご相談なさりたいのは、「もっとも正しい断り方で、絶対行かなくていい方法」ですね。
となると、当日になって体調がすぐれない、という理由でドタキャンする方法くらいしか思い浮かびません。

でも、「あいにく体調がすぐれず参加するのが難しいです。申し訳ありませんが今回は欠席させてください」と、上司や幹事に言いますか?断るのも意外と勇気がいるような気がします。

そこで即決する前に、メリットとデメリットを考えてはいかがでしょう。

メリット……ストレスが減る、忘年会の時間を自分の好きなことに充てられる、出費しなくていい、など。

デメリット…仮病では?と疑われる、ドタキャンを平気でする人、チームに貢献できない人と見なされてしまう可能性がある、幹事の仕事を増やしたり迷惑をかけたりする、など。

行く・行かないは自分で決めること

勤め先のイベントとはいえ、勤務時間外の行事ですから、もちろん、行かないという選択もありです。でも、欠席すると、むしろあなたが引きずるような気もします。だって、「10年近く参加しています」「全員参加が義務っぽい雰囲気で」と、頭ではわかっているのですから。

堅実女子としては、ここは仕事だと割り切って、例年どおり顔を出したらいかがでしょうか。

ただ、1次会がお開きになったら、さっと帰り、2次会、3次会は堂々とパス。1次会に参加したのですから、なんら引け目を感じることはありません。

また、部全体の忘年会のほかに、チームの忘年会、部内の女子だけ会など、似たり寄ったりのメンバーで、小規模の会が複数回開かれる場合も考えられます。

部全体の忘年会が基本全員参加なら出席し、そのほかはムリをせず、どれかをパスするのはありだと思いますよ。

仮病を使ってでも行きたくないですか?

実は私も会社に入りたての数年間は、会社の飲み会が苦手でした。理由をつけて行かないことの方が多かったので……。

振り返ると自分ファーストで、今となっては、声をかけてくれた人に申し訳ない気持ちになります。

お取引先に、女性で、お酒がまったく飲めない方がいます。乾杯のときから彼女はいつもジュース。おかわりするときもジュースです。ですが、まわりがいくら酔っ払っていてもニコニコと話を聞き、お開きになるまで楽しそうにしているのです。

あるとき、彼女に「飲み会の場が辛くないですか?」と聞いたら、「いえいえ、その場にいることが楽しいです」と即答なさいました。

その場に自分を合わせることができる方は、スゴイなって思います。

当然ながら、職場全員から彼女への信頼は厚く、仕事でも評価され、今年、見事昇格しました。本人が昇格を希望したわけではありませんが、「〇〇さんはプロだ」と、誰もが認めています。

さあ、あなたはどうしますか?行くか、行かないか、感情的にならず、ぜひ熟慮して決めてくださいね。

「12月はみんな忙しいから先にやっちゃおう」って11月下旬から始まる忘年会シーズン。そのあとも何度も会うから、結局、ただの飲み会風。



■賢人のまとめ
絶対行かなくていい方法は、「体調がすぐれないので参加できません」とドタキャンするほか思い浮かびません。しかし、それだと、あなたの心の負担になるのでは。1次会だけ、例年通り、参加してみてはいかがでしょうか。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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