左から東京ヴェルディの渡辺皓太、川崎フロンターレの中村憲剛、鹿島アントラーズの三竿健斗【写真:Getty Images】

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GK:3人目のキーパーに選んだのは?

 2018年ロシア・ワールドカップの出場権を獲得し、12月9日からEAFF E-1サッカー選手権2017に挑む日本代表。この大会に臨む日本代表メンバーは11月29日に発表される。リーグ戦のある欧州組、クラブW杯に参加する浦和の選手が不在になるが、新戦力として台頭する選手はいるだろうか。今回は英国人ジャーナリストのショーン・キャロル氏に、Jリーグでプレーする選手(浦和は除く)のなかから、日本代表に推薦したい23人のメンバーをピックアップしてもらった。(選定:ショーン・キャロル/取材・文:中山佑輔)

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――E-1は日本代表にとってどんな大会と位置づけられるとお考えですか?

 基本的には若手や代表レギュラーでない選手を試す大会かな。

――今回は国内組だけになります。レギュラーといえそうな選手たちは欧州組が多いですが、国内組にとってはチャンスですかね。

 そうですね!

――人数の内訳はGK3人、DF8人、MF6人、FW6人ですか?

 うーん。実は今のところGK2人、DF8人、MF5人、FW7人。3番目のキーパーが難しい。いまのJリーグで調子が良いGKは…。そして浦和からは選べないから(西川)周作もいない。

――いまのところ選んでいる2人は?

 中村航輔と東口順昭です! もう1人はU-20W杯に出場していた小島亨介にしようかなと思ったけど、正直に言って最近全然見てなくて。権田や林もいるけど、最近はちょっと不安。J2のキーパーも考えたけど、なかなか若い人がいない。

 徳島の長谷川、湘南の秋元は良いシーズンだったけど全然若くない。金沢の白井も良かったけど28歳だ。小島にしましょう。出場機会がなくても良い経験になるはず!

GK
中村航輔(柏)
東口順昭(G大阪)
小島亨介(早稲田大)

SB:柏で活躍中の右SBに加え、 J2から2人を選出!

――ではサイドバックにいきましょう。

 小池(柏)、飯尾(長崎)、車屋(川崎)、杉岡(湘南)

――おお。車屋はすでに選ばれていますね。まずは小池から理由を伺いましょう。

 彼は守備も攻撃も冷静にできますからね。フィジカル的にも良いし、元々JFAアカデミーなので代表のセットアップにもすぐ慣れるのかなと思ってる。実際のところ、いまW杯のフルバック(サイドバック)4人は99.9%決まってると思うので、ハリルはニューフェイスをトライしてほしいね。

――たしかに。小池は年間を通じて安定していましたね。飯尾はどうでしょう? 長崎では右のウイングバックですね。

 そうですね。僕は去年から飯尾が好きだった。松本で(田中)隼磨が怪我をしている間には飯尾が良いパフォーマンスを見せていたんだけど、隼磨が負傷から戻ってきたら飯尾はベンチに戻ってしまった。

――今季は長崎でずっと出てましたね。昇格にも大きく貢献しました。

 そうですね。今年長崎で彼は中心になりました。ディフェンスのときは強いし、アシストも多かった。そして大事なゴールも奪った。代表レベルじゃないかもしれないけど、このような大会でチャンスを与えれば良いと思うね。

――そして杉岡。サイドもセンターもできる左利きの選手ですね。U-20W杯でもよかった。

 杉岡はユーティリティーな選手。サイドもセンターもできるし、DFもMFもできる。今年のプレシーズンマッチで初めて見たんですが、本当に印象的でした。若いのにすごくアグレッシブで自信満々。チョウ監督はそういうタイプが大好きだね。

――ドリブルとかも上手で。

 典型的なディフェンダーだけど、足元もうまいですね。A代表はまだ早いと思うけど、2022年のW杯はレギュラーになる可能性があると思う。

SB
小池龍太(柏)
飯尾竜太朗(長崎)
車屋紳太郎(川崎F)
杉岡大暉(湘南)

CB:常連メンバーに加え、U-20W杯戦士らを選出

――ではセンターバックに移りましょう。

 センターバックは昌子(鹿島)、植田(鹿島)、中山(柏)、奈良(川崎F)です!

――昌子、植田は常連ということで。

 昌子と植田は常にメンバーに入ってるけど最近出る機会がない。槙野が最近すごく良いパフォーマンスを見せているので(吉田)麻也のパートナーになるかもしれないけど、まだ決まったわけじゃないね。

 今回のE-1では経験のある選手が非常に少なそうなので、いつも(鹿島で)一緒にプレーしている昌子と植田はCBで置いたほうが良いかな。

――植田はまだAマッチに出てないんですよね。結構招集はされているんですが。

 マジで?! 彼は2015年のアジアカップにも行ったのに?! すごいね。

――では中山雄太はどうでしょう?

 彼も若いのにもう柏のスターティングメンバーに定着しているからね。それはCBとして簡単じゃない。U-20W杯も良かったし、今回のサイクルはまだ早いけど、2022年のカタールW杯はチャンス。だからこそできるだけ早く代表の環境に慣れてほしい。

――そして奈良竜樹。ファイターですね。

 奈良好きです。本物のセンターバックね。空中戦強いですし、ボールを持っていても賢い。全然やり過ぎない。ボールを奪って、チームメイトに出す。信頼できる選手だと思う。

――やり過ぎない、って大事ですね。自分の役割をわかっている。

 それは本当に大事だと思う。ほとんどの日本人選手はポジションにかかわらず10番のプレーしたいですね(笑)。

CB
昌子源(鹿島)
植田直通(鹿島)
中山雄太(柏)
奈良竜樹(川崎F)

MF:一気に鹿島のレギュラーをつかんだボランチ、頼れるベテランを選出

――MFはどうでしょう?

 MFは、三竿健斗(鹿島)、井手口(G大阪)、中村憲剛(川崎F)、大島(川崎)、渡辺(東京V)

――井手口はもはやレギュラークラスなので、他の選手について聞きましょう。三竿と渡辺、ヴェルディファンは喜んでくれそう。

 正直に言えばヴェルディの井上潮音を選びたかったけど、今シーズンは怪我が多かった。でも彼が負傷している間、渡辺は本当に良かった。エネルギー十分なので、彼がいたら周りの選手は安心だと思う。

――賢いプレーヤーという感じがします。ポジショニングも良い感じ。

 間違いなく。動きがうまいですね。ゲームの流れをよく読める選手。

――それではヴェルディの先輩でもある三竿はどうでしょう?

 三竿は大岩監督が就任してから常にスタメンに入ってる。非常に信頼されてるプレーヤーです。彼も奈良と同じく“やり過ぎない”。昌子や植田をCBで置いたときに連係も良さそう。

――大島はどうですか? 日本代表からは遠ざかってますね。

 今年は守備の面も改善できたと思います。長谷部はいないし、蛍も怪我、長澤もクラブW杯で不在だから、大島にとってこの大会はチャンスかな。

――大島みたいなタイプは今あまり日本代表にいませんね。

 そうですね。ハードワーカーはどんどん増えているけど、テクニシャンはあまりいない。だからこそ中村憲剛! スペースを見つけるのは最強。ジーニアスだ。

――途中から出てきても力になってくれそうですね。

 そうそう! スタメンは難しいと思うけど、残り20分でゴールが必要なとき、彼は最高のサブじゃない? E-1でもW杯でもそうだと思う。

――短い時間で力になれる選手はW杯で必要ですね。

 その通りです。

MF
三竿健斗(鹿島)
井手口陽介(G大阪)
中村憲剛(川崎F)
大島僚太(川崎F)
渡辺皓太(東京V)

FW:名古屋で躍動するアタッカーなど7人

――それではFWを。

 FWは、伊東純也(柏)、青木亮太(名古屋)、清武(C大阪)、小林(川崎F)、金崎(鹿島)、山田直輝(湘南)、杉本(C大阪)

――杉本は欧州遠征も行っているので他の選手について聞きましょう。まず右サイドから。

 青木は本当におもしろい選手。日本人じゃないかもしれない。すごーく攻撃的。常にポジティブでダイレクトなプレーをする。この間のプレーオフ準決勝でも、リードしていたのにコーナーフラッグ付近でボールキープをしなかったことでPKを奪えました。DFには嫌な相手だと思う。

――伊東純也は今年さらに良くなりましたね。左足シュートのパターンも良くなった。

 そうですね。いつも前に向かうタイプ。彼も途中出場から良いインパクトを与えられるかな。疲れてるときにあのスピードに対応するのは、相手からすると本当に嫌みたい。彼と憲剛は同時に入れればすごいね!

――小林悠はどうでしょう? 点が欲しい時にゴール取れる選手ですね。

 そうですね。今年は本当に決定力がある。キャリアで怪我が多いけど、もしコンディションが良ければJリーグでトップクラスのCFだと思う。

――彼も途中から出てきても良さそうなものですが。

 僕はそれには反対。彼は試合の流れに慣れる時間が必要だと思うので、最初から出したほうが良いかも。ハリルのチームではサイドもやっていたけど、ベストポジションは真ん中だと思う。

――そして山田直輝。怪我なければ日本代表の中心になっていたかもしれない選手ですね。

 彼は元々才能がありましたが怪我があり過ぎた。今年は本当に久しぶりにフルで出場できていて本当にうれしいです。素晴らしい選手だと思います。湘南で本当に活躍しているので湘南でプレーし続けてほしいです。浦和ではレギュラーで出る機会があるかどうかわかりませんね。浦和の競争は本当に激しい。

――矢島もあまり出ていませんし、長澤も出てくるまでに時間がかかった。

 でしょう。その通りです。

――そして清武。状態さえ良ければトップクラスですが。

 はい、そう思います。キヨね…。彼もこの1年間で色々あった。でもまだ特別な能力を持つ選手。セットプレーもうまい。E-1では欧州で活躍している選手がいないのでチャンスがあるかもしれない。

――金崎も色々ありましたが。

 僕は個人的に彼が選ばれない理由が理解できない。石井監督との一件はもちろん良くなかったけど、それほどひどくはないと思う。

――たまにあるシーンではありますね。

 あるある。

――鹿島では普通にそのあとも出てます。

 でしょう。クラブではすぐ前進したけど、ハリルはまだ。彼はCFとして良いアクセントになれると思う。逆にハリルはあのような熱烈な選手は好きなはずじゃない?(笑) 前からのプレッシングがうまいし、今の日本代表にそういうアグレッシブなタイプはいない。

――すごくアグレッシブですね。フィジカルの部分でも日本代表としては魅力的ですね。ワールドカップでは色々なタイプが必要になりますし。

 そうですね。特にW杯ではそれが重要だと思う。どのような選手を使うのかは相手や試合展開次第だからね。

――そうですね。その意味で中村憲剛は素晴らしい。(笑)

 また憲剛の話に(笑)。ハリルのメンバーにいなかったらさびしいね。

――来年の6月にいればいいじゃないですか。(笑)

 確かに。長期的に見ましょう。(笑)

――今日もありがとうございました!

 こちらこそ、ありがとうございました!

FW
伊東純也(柏)
青木亮太(名古屋)
清武弘嗣(C大阪)
山田直輝(湘南)
小林悠(川崎F)
金崎夢生(鹿島)
杉本健勇(C大阪)

(取材・文:中山佑輔)

text by ショーン・キャロル