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 自動運転に欠かせないのは、車の周囲を的確に把握するセンサー。高性能カメラやミリ波レーダーはすでに多くのクルマに採用されているが、これから注目されるのは、より高精度のセンサー「LiDAR(ライダー)」、つまりレーザーレーダーである。「light detection and ranging(光による検知と測距)」の略語で、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析するものである。今年7月には、ドイツ大手ボッシュが「LiDAR」を量産する方針を決定している。

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■トヨタ、ルミナーテクノロジーズの「LiDAR」を採用

 トヨタは先ごろ、自動運転実験車の最新版「プラットフォーム2.1」を発表している。それに採用したのが、ルミナーテクノロジーズの「LiDAR」である。創業者は、22歳のオースティン・ラッセル。彼は、その技術の高さを、広大なクルーズ船用ターミナルを貸し切って記者などにデモンストレーションしたようである。

■ルミナー社の「LiDAR」の性能は?

 ルミナー社の「LiDAR」は、長距離の測定範囲を持ち、立体的な物体の位置をより正確に把握できる。また、視野調整機能を備え、最も認識が必要な方向に焦点を合わせることができるという。

 例えば、高い解像度を持っており(これまでの50倍ともいわれている)、これまで40m以内でしか認識できなかった反射率の低い(10%)黒いタイヤを、200m超でも認識できる能力を持つ。また走行中、最も必要とされる箇所に画像解析能力を集中することによって、クルマや人などをクリアに把握できるようになっているようだ。先のデモンストレーションでは、鳩の脚も1本ずつクリアに認識できたという。

■テスラのイーロン・マスク氏は否定でも、世界で競争は必至

 実は、テスラCEOのイーロン・マスク氏は「LiDAR」の採用には否定的だ。コストが高すぎるからだ。そして、現状の8台のカメラ、ミリ波レーダー、そしてNVIDIAの人工知能(AIソフト)を信頼しているようである。

 しかし「LiDAR」については、その高い精度は広く認知されはじめており、独・ボッシュは量産を決めている。それをきっかけに、開発競争は激しくなるだろう。独・コンチネンタルも2020年をめどに量産すると発表。そのほかにも、先行するフランスValeoと米Velodyne LiDAR、グーグル関連会社のWaymo、そして日本のデンソーやパイオニア、コニカミノルタなども開発に注力している。

 いずれにしても、本当のクルマの自律運転つまりレベル5にまでは膨大な時間がかかりそうである。