ガンバ大阪は26日、明治安田生命J1リーグ第33節北海道コンサドーレ札幌と対戦し、0-1と敗れた。今季で退任する長谷川健太監督は、ホーム最終戦を白星で飾ることができなかった。

27日放送、毎日放送「GAMBA TV〜青と黒〜」では、MCのたむらけんじによる長谷川監督のラストインタビューを放送。J2降格時に就任してから5年間で4つのタイトルを獲得した指揮官が想いを明かした。

現役時代や指導者転身後も清水エスパルスで活躍した長谷川監督は、ガンバでの日々に「感謝の一言しかない」とコメント。全員と「ひとつになって駆け抜けた」5年だったと振り返る。

オファーを受けたときは、これほど長く指揮を執ると予想しなかったという。そのため、家具もほとんど買わず、「1年で昇格できなかったらクビになる」「もって3年くらいかな」との覚悟でガンバでの挑戦に臨んだそうだ。

だが、長谷川監督は結果的に予想を2年上回る5年間指揮を執り、2014年に国内3冠を達成するなど、4つのタイトルをクラブにもたらした。今ではさぞかし立派な家具を…と思いきや、長谷川監督は今でも「何もない」と笑いを誘う。

5年間のチームづくりで意識したのは、元日本代表・遠藤保仁の生かし方。長谷川監督は、ガンバを選んだ理由のひとつが「ヤット(遠藤)とサッカーをやりたいから」だったというほどほれ込む遠藤をキャプテンに据えてチームを託してきた。

「本当に我慢して5年間やってくれた」と遠藤に感謝した長谷川監督だが、愛弟子の人間性について問われると、「もっとクールかと思っていたが、意外と感情的というか、顔に出るタイプ。負けず嫌い」と回答。時には衝突することもあったと明かす。

実際、監督業で最も大変なことは「人間関係」だと即答。そのうえで「選手と一体にならないと成績は残せない」とし、2014年に3冠を達成できたのは、クラブ・現場・サポーターが一体になれたからだと振り返った。

しかし、コンサドーレ戦も黒星で終わり、ガンバはホーム最終戦で公式戦12試合勝利なしというスランプから抜け出すことができず。試合後のセレモニーで、長谷川監督はスタンドからブーイングを浴びせられた。3年前に歓喜をもたらした指揮官にとっては、つらい最後だったに違いない。

それでも、監督業という困難な仕事を続ける理由について、長谷川監督は「たむらさんと一緒じゃないですかね」と返答。勝利という結果に喜びを感じ、選手の成長を見守ることが「好きだから」だと答えた。