WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 いよいよタイガー・ウッズ(41歳/アメリカ)が復帰する。11月30日に開幕するヒーロー・ワールド・チャレンジ(11月30日〜12月3日/バハマ・アルバニーGC)で、およそ10カ月ぶりに競技ゴルフの舞台に立つことになった。


ヒーロー・ワールド・チャレンジで復帰するタイガー・ウッズ

 非公式戦ながら、同大会はタイガー・ウッズ基金が主催し、世界のトッププレーヤー18名が出場するエリート大会。世界ランキング上位16名に加え、今年はウッズ本人と、ダニエル・バーガー(24歳/アメリカ)のふたりが主催者推薦で出場する。

 昨年は、世界選手権シリーズ(WGC)のHSBCチャンピオンズを制するなど絶好調だった松山英樹(25歳)が、同年の全英オープン覇者ヘンリク・ステンソン(41歳/スウェーデン)との熾烈な争いをモノにして勝利。ウッズから優勝トロフィーを受け取って歓喜する姿がとても感動的だった。

 さて、肝心のウッズだが、今年4月に4度目となる腰の手術を受けた。そしてその後、約8カ月に及ぶリハビリ生活を過ごしてきた。実戦復帰となれば、腰の状態もそれだけ順調に回復しているのだろう。

 ウッズが語る。

「(ヒーロー・ワールド・チャレンジの)コースセッティングが復帰するには最高の状態にある。今では腰の痛みもなく、ショットは予想以上に距離も出ているから、(試合でプレーするのが)非常に楽しみだ」

 大会でのプレーにも自信を見せるウッズだが、米ゴルフ界は今回のウッズの復帰をどう見ているのだろうか。

 まずは10月末、ウッズが復帰を発表すると、歓迎ムード一色だった。

「(現在のPGAツアーは)若手がたくさん活躍しているが、タイガーの存在は特別。今も、我々にはタイガーが必要だ」(バッバ・ワトソン。39歳/アメリカ)

「ウッズの復帰は、ファンも選手も皆、待ち望んでいる」(ブルックス・ケプカ。27歳/アメリカ)

 ツアーの仲間たちが次々にメッセージを発信し、以来、メディアでも連日ウッズの状況を取り上げるようになった。その中で、PGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーも喜びの声を上げている。

「ウッズは我々のファミリーの一員だから、今後もずっとウッズを支援していく。ウッズの復帰は、ツアーにとっても大きなプラスだ」

 一方、実際に復帰するウッズに対して、どれほどのプレーが期待されているかというと、表向きの歓迎ムードとは少々様子が異なる。

 復帰したウッズが現在のトッププレーヤー、ダスティン・ジョンソン(33歳/アメリカ)や、”ヤングガン”のジョーダン・スピース(24歳/アメリカ)、ジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)らと互角に戦うことができるか?

 そんなメディアからの問いに対して、元ツアープロで現在はテレビ解説などで活躍するブランデル・シャンブリー氏は、「答えはノーだ」ときっぱり言って、こう指摘する。

「いろいろなアスリートがケガから復帰し活躍しているが、まもなく42歳になろうとしているウッズに、同様の活躍を期待するのは厳しいだろう。年齢だけに限らず、ウッズがチッピング・イップスであることが(厳しいと考える)最大の要因。昨年もヒーロー・ワールド・チャレンジで復帰したウッズは、ウエッジで何度もグリーンを外した」

 ちょうど1年前、ウッズは今回と同じくヒーロー・ワールド・チャレンジでおよそ15カ月ぶりに実戦復帰を果たした。そして、年明けから積極的にツアー参戦を果たしていく予定だったが、結果的には1月末のファーマーズ・インシュアランスで予選落ちを喫し、翌週の欧州ツアー、ドバイ・デザート・クラシックで途中棄権。再び腰痛を悪化させて、わずか3戦(実質2戦)でまたも戦列を離れることになった。

 昨年のこうした事情もあって、「ウッズの復帰は、ゴルフ界にとっては本当に喜ばしいこと。しかしながら、結果には大きな期待をしてはいけない。とにかく今は、ウッズが少しずつ競技に慣れていくことが重要だ」という声が、米メディアの大勢を占めている。

 ラスベガスなどのブックメーカーにもウッズの名前が復帰したが、ヒーロー・ワールド・チャレンジにおけるウッズの優勝オッズは50倍。来年のマスターズのオッズは100倍となっている。

 現時点でマスターズでの優勝オッズで最も低いのは、スピースの7倍。ウッズの復帰については多くのファンも喜んでいるが、結果についてはそこまで大きな期待をしていない、というのが現状なのだろう。

 昨年のウッズは実戦復帰後、完全復活をアピールするためか、やや性急に事を運びすぎた感がある。現在のところ、今年はこのヒーロー・ワールド・チャレンジ以降の、ウッズのスケジュールは未発表。「もう一度ウッズが勝つところを見たい」というファンの願いに応えるためにも、昨年と同じ轍を踏まないようにして、ゆっくりと着実に前に進んでいくことを願う。

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