母は理不尽に虐待する怖い存在です(写真:Wayne_PHOTO / PIXTA)

※ミセス・パンプキンへの子育て・家族関係などのお悩み相談は
専用メール、専用サイトで受け付けています

正直言って、私の両親は心を病んでいます。母は、以前は優しい人でした。ところがいつの頃からか突然ヒステリー人間になり、 私が宿題をやっていなかっただけで怒り狂ったり、叩いたりします。
私に何の関係のないことで自分のせいで起きたことでも、私のせいにして私をしかります。ほかにも、自分が早く寝たいがために、私に宿題を急かしたり、私が何かを訴えても聞く耳を持たなかったりで、私にとって母は、理不尽に虐待する怖い存在でしかありません。
父は私が小学1年生の頃の10月の出張中に酒におぼれ、 ネットにもおぼれ、仕事をサボりはじめ、誰にも信用されない人間になりはじめました。 最近の父は目がくぼんで、骸骨みたいになっています。
このままこのような両親と過ごすくらいなら、自殺したほうがましだという考えが、頭から離れなくなりました。精神的にとてもつらいのです。どうすればいいですか。
メルハ

不幸な状態が永遠に持続するわけではない


この連載の一覧はこちら

ツイッターを用いて自殺願望者をおびき寄せて9人を殺(あや)めた男の自供によると、「本当に死にたがっていた人は1人もいなかった」そうですね。

大人でもそうですが、悩みの渦中にいる人は、その悩みが世界のすべてで、そこから免れるときが自分に訪れることなど、想像もできない状態に陥るものです。その結果、「この世から消えてしまいたい」という思いが心をよぎるのです。

しかし世の中はよくできたもので、不幸な状態が永遠に持続するわけではありません。たとえば、メルハさんが両親と一緒に住まなければならない時期も限られています。そのあとの人生のほうがずっと長いことに目を向けてください。

メルハさんのご年齢はわかりませんが、おそらく中学生前後だと思います。お母様は以前は優しかったそうですので、多分、お父様のことやその他の事情で、精神的に困難な状態になっておられるのです。メルハさんにとっては耐えがたい境遇であることはお察しいたしますが、あなたを憎んでの行動ではないことを、まず理解するよう努めてください。

そしてもしメルハさんに、緊急避難できる親戚や知り合いの家があれば、無理を言ってでも、しばらくはそこでお世話になることができるといいのですが、なければ公的機関に相談する手もあります。どれも勇気のいることですが、環境を変えるようにしましょう。自殺願望に縛られている今の状況よりは、少しでも改善されると思います。

このアドバイスは、あなたが行動に出ることで、お母様があなたの苦痛に気づき、たちまち優しいお母様に戻らなくとも、理不尽な虐待が収まるかもしれないことも、期待に入れています。あなたが宿題をするのを見届けてから寝ようとするお母様は、まだあなたが感じておられるほど病んだ人には思えず、その可能性を感じました。

あなたが死にたいと思うほどの虐待を、決して軽く見ているのではありません。最悪、お母様の状況が変わらなくとも、あなたはあと数年から最悪5〜6年で、努力すれば自力で生きていける年齢になります。そこから先は、幸運をも手繰り寄せるくらいの根性と努力の見せどころです。

今は、人に迷惑をかけてもいいので、どんどん周りに相談をしてください。そのようにして大人になった人は、いくらでもいます。今よりましな環境を見つけることに、エネルギーを注いでください。そして絶対に乗り切ってください。

苦しみは期間限定、変わらない環境はない

第三者からみてもあまりにも悲惨な境遇にいたり、大きな事故に遭ったような人でも、ほとんどの人はその後も何とか、力強く生きていっておられます。その時期さえ何とか乗り切れば、人間は幸いにも、悲しいことは(普段は)薄れていくように作られていると、ある仏教者が言っていました。

深い苦しみが癒えない人でも、別の生きる意味や生きがいを見いだすようにできていると、私も思います。メルハさんの今の苦しみも、期間限定であることを忘れないでください。

2度自殺未遂した人を知っています。最初は17歳のときに、複雑な家庭環境に悩み、2度目は26歳のときに、自分の責任でないことで会社を解雇され、信頼していた人たちからも見向きもされなくなったことで、心の迷路に入ったと述懐しています。いずれもそのときは、その状況から脱出するときが来るなど、考えられなかったそうです。

両方ともその問題自体が解決したわけではありませんが、世の中は動いていました。「あのとき、乗り越えたつもりはなく、みじめな思いも沢山したのに、気がつけば、脱していた。あのとき、この世から消えなくてよかった。おかげでその後、うれしいことも幸福だと思うことも随分あった」と言います。

そういえば先日、「嵐」のコンサートかと間違うほどの数千人のファンを集めた有名流行歌手のコンサートを、テレビで見ました。彼は人気が低迷した頃、(原因は不明ですが)数回の自殺未遂をしています。つらい低迷期は10年も続いたそうです。

不死鳥のように復活した現在の彼は、数えきれないファンに夢と希望を与え(ファンは、絶頂期の彼に自分の青春が重なり、力が出るそうです)、それがまた、彼の喜びであり生きがいだとインタビューに答えていました。私もファンなので余計に思うことですが、彼の“この世から消える計画”が成功?していたらと思うと、ゾッとします。

参考になればいいのですが。メルハさんの場合、保護者が年を取るのに反比例して、メルハさんは成長していく理(ことわり)を、誰にも妨げることはできません。今の状況も、間違いなく期間限定なのです。勇気を出して、次の段階にたどり着くことに、エネルギーを注いでください。

楽な自殺などない

私は海に飛び込み、または木にひもをくくって自分を殺そうとし、幸いにも失敗した人を知っています。2人は同じことを言っていました。自殺を図った瞬間、「しまった! 苦しい、助けて!」ともがいたそうです。幸運な偶然で2人は助かりました。時すでに遅かった人だけが逝ったのです。

冒頭に触れましたSNS殺人者も、本心で死にたいと思っていた人はいなかったと供述しています。そしてその願望の遂行を約束しておびき出した人たちなのに、実際には全員が抵抗したそうです。自殺がどれだけ恐ろしく苦しいことなのか、想像してください。

否、それ以上に、そのようなことを決して考えないでください。つらいこと、悲しい気持ちはわかります。ですが、自分で自分を殺すことは、期間限定の悲しみに、将来の希望を殺させてしまうことなのです。

悩みを聞いてもらうだけで、少し楽になるということが多いようですが、間違っても、下手なところと連絡を取らないようにね。あの問題のSNS犯と連絡を取っていた人の話ですが、事件の発覚があと1週間遅れていたら、自分もその部屋へ行っていたかもしれないと言っています。その彼女はそのあと、学校での人間関係が好転し、今は楽しく通学しているそうです。

メルハさんの若さは、希望を生かすチャンスが多いことを意味します。人生は幾通りもの道が用意されていて、心を揺さぶるほどの感動や幸福なこともいっぱい、あなたを待ち受けています。当面はお母様をさっさと眠らせるためにさっさと宿題を済ませ、つかの間の自由時間に、自分が楽しいと思うことを少しずつ始めることをお勧めします。

私は最近知ったのですが、「幸」という漢字には、「辛い」という漢字が隠れています。言われてみればそうですね、本当に驚きました。「人生とは、多くの困難の中につかの間の幸福があり、そのつかの間の幸福や喜びを得るために、多くの苦労と闘ってきたようなものだ」と、私は若い頃から、人生の成功者や達人と呼ばれた年配者からよく聞いてきました。まさにこの「幸」という漢字のようですね。達人でこれですから。

SNSを活用してあなたのような悩みの相談に乗ってくださるようなところもあるそうです。メールでよかったら、いつでも私に連絡してください。悩みを人に打ち明けることで、別の視点が持てるようになる場合が多いのですよ。最後に繰り返しますが、くれぐれも、今の環境がいつまでも続かないことを忘れないでくださいね。