鹿島戦でも圧巻のスピードを見せつけた伊東。東アジアカップのメンバーに選出されも不思議はない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

[J1リーグ33節]鹿島0-0柏/11月26日/カシマ
 
 スピード溢れるドリブルで最終ラインを切り裂いていく。伊東純也は、鹿島戦でもハイパフォーマンスを披露した。
 
 クリスティアーノ、ディエゴ・オリヴェイラを封じた鹿島の守備陣にとっても、このスピードスターは厄介な存在だったに違いない。対面の左SB山本脩斗を手玉に取って何度も右サイドを打開。フォローに回ったCB昌子源もそのスピードで寄せ付けず、度々ゴールに迫った。
 
 結局得点は奪えなかったものの、首位チームをきりきり舞いさせた快足アタッカーを日本代表に推す声は、日に日に高まっている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も10月25日の天皇杯準々決勝の川崎戦に視察に訪れており興味を示したようだ。国内組で臨む12月の東アジアカップ(EAFF E-1サッカー選手権) のメンバーに選出されても不思議はないだろう。
 
 今季の伊東のパフォーマンスを振り返れば、シーズン前半戦(17節の鹿島戦まで)は2得点・2アシストと物足りない結果だったが、後半戦はゴールに直結する働きが増えた。
 
 22節の清水戦では、自陣から約60メートルをドリブルで持ち上がり、ひとりでカウンターを完結。インパクト特大の先制点で、チームを勢いづけた。さらに続く23節のG大阪戦でも、右サイドからカットインしてエリア内に侵入すると、鮮やかな左足のシュートで決勝弾。さらに27節のFC東京戦では、押され気味だった時間帯にヘディングシュートを決めたりと、勝負どころでの決定力が高まっている。
 
 リオ五輪代表の監督を務めた手倉森誠氏(現A代表コーチ)から以前「アフリカ勢を驚かせる」と評された国内屈指のスピード、ここぞという勝負どころで発揮するフィニッシュセンスなど、攻撃面に関しては、ハリルジャパンでも十分通用するだろう。縦に速い攻撃をさらに加速させるかもしれない。
 
 一方で、懸念は守備面。豊富なスタミナもあり90分を通してプレスバックを怠らない献身性は、代表で求められる高い守備意識の基準をクリアしそうだが、フィジカル面においては、やや細身で物足りない。球際の強さが重視される日本代表では、致命的な欠点にもなりかねない。その点をハリルホジッチ監督はどう評価しているのか。
 
 伊東自身は「(選ばれそうな感覚は)特にないです。1戦1戦集中しているだけ」と言いながらも、「でもそれで選ばれたら評価されたということなので、嬉しいです」と意欲を示している。
 
 東アジアカップでその快足を飛ばすチャンスを得られるか。ハリルホジッチ監督のメンバー選考に注目したい。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB)