ラテン・フレーバーと現代女子が抱える悩みをリアルに表現し大ヒット中 / デュア・リパ「ニュー・ルールズ」(Song Review)

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 英ロンドン出身のシンガーソングライター兼モデルの、デュア・リパ。誰もが認める完璧な美しさが時に誤解を受けることもあるが、シンガーとしての実力は折り紙つき。今年6月にリリースしたデビュー作『デュア・リパ』では全曲の制作にも携わり、その才能を開花させた。全英(イギリス)では5位、アイルランドでは3位を記録している。

 その大ヒット作『デュア・リパ』から、6曲目のシングルとして7月にリリースされた「ニュー・ルールズ」が、最新(2017年12月2日付)の米ビルボード・ソング・チャートで19位にランクアップし、アメリカでは初のTOP20入りを果たした。また、イギリス、アイルランド、オランダではNo.1を獲得、ベルギーではデビュー曲「ビー・ザ・ワン」(2015年)に続く2曲目の首位に輝いた。

 この曲の魅力は、何といってもラテンフレーバーが横溢していること。ジェニファー・ロペスの大ヒット曲「オン・ザ・フロア」(2011年)のように、エレクトロ・ミュージックとラテンフレーバーが見事に融合している。また、このエキゾチックな旋律・サウンドと絶妙にマッチした、ハスキーな声で色気たっぷりに歌うデュア・リパのボーカル・ワークも完璧。リアーナを意識したような、攻撃的な歌い回しもイイ。

 この曲では、「ニュー・ルールズ」と題しているように、依存しているダメ男を振り切るための「ルール」を3つ、フックで歌っている。ルールその1「電話を取らない」、ルールその2「家に上げない」、ルールその3「友達にもならない」。ルールを数えて暗記して、繰り返す。そうすることで、失った自分を取り戻し、乗り越えることができる……ということを歌っているワケだ。ありがちながらも、現代女子が抱える悩みをリアルに表現していることが、共感を得ているのだろう。何度も繰り返されるこのパートが頭にこびり付き、中毒化しているリスナーも多いのでは?

 ミュージック・ビデオでは、同じ悩みを抱える女子たちと美しいフォーメーション・ダンスを披露。それぞれ違う色のガウンを着て並んだり、色とりどりのビキニでプールサイドを舞うシーンなど、配色もすばらしい。対象となる男性(役)をあえて出演させず美女だけで構成しているのは、曲の内容を意識してのことだろう。同ビデオは、現在までに「ビー・ザ・ワン」の1億5000万回を大きく上回る、デュア・リパ史上最高の7億再生を記録している。

 ソングライターには、ショーン・メンデスやザ・チェインスモーカーズのヒット曲を担当した米ニューヨークの女性シンガー・ソングライター=エミリー・ウォーレンと、米アトランタのベテラン・シンガーソングライター=キャロライン・エイケン、そしてフィフス・ハーモニーの新作『フィフス・ハーモニー』や、セレーナ・ゴメスの「バッド・ライアー」などを手掛けたイアン・カークパトリックが参加している。イアンは同曲のプロデュースも担当。

 ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの「デスパシート」やJ・バルヴィン&ウィリー・ウィリアムの「ミ・ヘンテ」、カミラ・カベロの「ハヴァナ」など、今年はラテン・ソングが大ヒットしている。流行の波に乗って、「ニュー・ルールズ」も初の全米TOP10入り、そして全英チャートに続いての全米No.1獲得も期待できるかもしれない。アルバム『デュア・リパ』には、ダンスホール調の「ドリームス」や、ガラージ・ハウスっぽい「ブロウ・ユア・マインド」など、バラエティ豊かなナンバーも目白押し。“モデルシンガー”のアルバムだからといって、侮るなかれ。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『デュア・リパ』
デュア・リパ
2017/6/2 RELEASE