健闘及ばず準決勝敗退。開始14分の失点が重くのしかかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1昇格プレーオフ]福岡1-0東京V/11月26日/えがおS

 東京ヴェルディがアビスパ福岡の攻撃を防ぎ、マイボールにした瞬間、落とし穴が口を開けて待っていた。自陣ゴール前、アラン・ピニェイロがドリブルで前に出ようとしたところウェリントンに身体を寄せられ、ボールロスト。攻守の切り替えで生まれるわずかな隙を、山瀬功治は逃さなかった。ミドルレンジから思い切って左足を振り抜き、14分、福岡がリードを奪う。
 
 試合前、「先に点を取られると厳しくなる」と東京Vの選手たちが口々に話したとおり、結果的にこの1点が最後まで重くのしかかった。
 
 レギュラーシーズン上位の福岡がアドバンテージを有し、勝ち上がるためには2点が必要になった東京Vは攻撃を仕掛けようと試みるが、5バック気味に守る福岡のディフェンスによって、膠着状態に持ち込まれる。前線でボールが収まらず、全体を押し上げられない苦しい時間が続いた。
 
「元々、福岡は守備が堅いチーム。早い時間に先制を許し、引いた相手に対してなかなかチャンスを作り出せなかった」(梶川諒太)
 
 後半に入り、攻勢を強めたい東京Vは、54分、高木善朗とカルロス・マルティネスを同時に投入。攻め方に変化を加える。
 
「相手のボランチの脇、あるいは後ろのスペースでボールを受けてチャンスメイクし、(安西)幸輝がサイドで1対1を仕掛ける場面を増やそう、と。そのへんはある程度うまくいったんですが」(高木善)
 
 ボールは握った。ペースも引き寄せた。包囲網を狭め、圧力を加えることもできた。だが、すべての攻撃は決定機の一歩手前で終わった。
 
「福岡がリトリートした状態で良い守備をし、チャンスを与えないチームだということはわかっていました。後半は押し込んでプレーできましたが、ゴールを奪うことにとても苦しみました」(ロティーナ監督)
 
 75分に高木大輔をピッチに送り出し、より攻撃の枚数を増やしたが、これもゴールの攻略にはつながらない。終盤、東京Vは井林章を前線に上げ、パワープレーに打って出る。しかし、高さと強さは福岡の本領だ。リーグ最少失点の実績ある防護壁にはね返された。
 
 結局、東京Vは福岡とのリーグ戦も含めた3回の対戦で、一度たりともゴールを奪うことなく、堅守の前に敗れ去る。序盤の失点が命取りとなってプレーオフから姿を消し、5位と躍進したロティーナ体制の1年目は幕を閉じた。
 
取材・文●海江田哲朗(フリーライター)