骨盤底筋を鍛えれば「産後の膣のゆるみ(老化)」が改善できる(depositphotos.com)

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 ヒトの体は加齢とともに老いていき、皮膚の乾燥や臓器の機能の低下などの老化現象が現れてくる。これは生殖器も同じである。

 ところが最近では、20代、30代にもかかわらず、「膣が乾燥」して固くなり、老化したような状態になっている女性が増えているという。

骨盤底筋の「ゆるみ」が膣の機能を低下させる

 女性の膣の老化の大きな原因としてあげられるのが「骨盤底筋群のゆるみ」だ。

 骨盤底筋群とは、骨盤内の膀胱や尿道、子宮、直腸を、骨盤の底でハンモックのように下から支えている筋肉の総称だ。肛門括約筋や尿道括約筋、尾骨筋などの複数の筋肉で構成されている。尿道、膣、肛門は、これら骨盤底筋群のあいだを通っている。

 膣は筋肉でできている。この筋肉は「平滑筋」のため、心臓や胃と同じように意識して動かすわけにはいかない。膣の収縮は、筋肉ではなく膣を取り巻く「骨盤底筋」の収縮で起きる。

 女性がセックスでオーガズムを得たときには、膣が収縮してピクピク痙攣する。ところが、骨盤底筋の機能が低下してくると膣の収縮が少なくなり、オーガズムを得にくくなる。つまり、骨盤底の筋肉量や機能が、オーガズムを左右するのだ。

 また、「咀嚼」をすれば唾液腺が刺激されて唾液が分泌されるように、膣周りの筋肉をよく動かすと「愛液」が出やすくなる。下半身の血行もよくなるので、肌質が改善されて、大陰唇や小陰唇などの外性器の黒ずみも改善してくる。

 正常分娩で出産した女性の膣は、どうしても<ゆるく>なる。出産した子どもが3500グラム以上あると、なおさら元に戻りにくい。

 だが、このような「産後の膣のゆるみ」も、膣を取り巻く筋肉を鍛えることで解決することができる。

骨盤底筋トレーニングが膣の機能をアップする

 骨盤底筋のゆるみの原因としてよくいわれるのが「生活様式の変化」だ。畳で暮らして布団で寝ていた昔の女性たちは、家事でも立ったりしゃがんだりすることが多かったので、日々の暮らしで下半身が鍛えられていた。

 しかし、便利な家電製品の登場、イスとベッドの生活、歩くことの少ない現代では、足腰が甘やかされて骨盤底の筋力が低下しているというのだ。そこで最近、複数の医療関係者が骨盤底筋群を鍛えるトレーニングをすすめている。

 NHKの『朝イチ』の特集「セックスレス」では、骨盤底筋トレーニング「ちつトレ」が紹介された。女性泌尿器科専門医の関口由紀医師が勧める「ちつトレ」は、尿道・膣と肛門をそれぞれ「息を吐きながら締める」「ゆるめながら自然に息を吸う」ことをくり返す。

 膣の入り口を取り巻く括約筋と、肛門の括約筋は<8の字>でつながっている。肛門を締めると、膣口の締まりもよくなる。締めるだけでは筋肉が固くなるので、締めた後は必ず力を抜いてゆるめることが大切だ。

 骨盤底筋トレーニングは、慣れるまで時間がかかる。骨盤底筋をちゃんと動かせているのかよくわからないという人もいる。

 骨盤底筋の動きを確認するには、膣に指を入れてみるとわかりやすいが、トレーニングを始めたばかりは膣が硬く、指が入らないこともある。膣内専用ジェルを注入しておくと滑りがよくなり、スムーズに入るだろう。乳酸菌入りの膣内専用ジェル「インクリア」は、膣内浄化作用もあるのでお勧めだ。

 膣のゆるみは顔のたるみと同じように、日々の手入れが予防と改善につながる。
(文=編集部)