『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』監督インタビュー 「これまでに作ったインディーズ映画と何ら変わらないパーソナルな作品」

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 いよいよ来月12月15日、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開となる。世界的な人気を誇るスペース・サーガ『スター・ウォーズ』シリーズの最新作であり、「エピソード8」となる同作は、その出演俳優陣や監督をはじめとするスタッフの動向とともに注目され、日夜様々なニュースが飛び交っている。つい先日には、ライアン・ジョンソン監督、デイジー・リドリー(レイ役)、アダム・ドライバー(カイロ・レン役)、そしてマーク・ハミル(ルーク役)の来日決定もニュースになったばかりだ。
 Billboard JAPANでは、その公開と来日イベントを目前にして、今年9月に行ったライアン・ジョンソン監督のインタビューを掲載する。インディー作となった『ルーパー』などの監督をつとめ、その手腕が評価されつつある最中、『スター・ウォーズ』シリーズに大抜擢。「エピソード8」は、この新鋭監督の手腕にも期待が集まっている。ジョンソン監督に、気になる「エピソード8」の内容についてはもちろん、制作にあたった際の心境についても話を訊いた。

<ライアン・ジョンソン監督インタビュー>

−−公開を前にして、いまどんな気持ちですか?

ライアン・ジョンソン(以下RJ):明日にでも公開したいくらいワクワクしているよ(笑)。待ちきれないね。

−−今回『スターウォーズ』の監督をするにあたって、プレッシャーはありましたか?

RJ:プレッシャーももちろんあったよ。でも、製作中は楽しい体験だったね。“ファミリー”と呼べる仲間たちと一緒に、作品を作ることに集中できる環境だったからプレッシャーを感じる暇もなかった。むしろ、完成してから公開までの期間の方が、世間の期待とかを感じてプレッシャーが高まってるね。でも、今はそれよりもワクワクの方が上回ってるかな。作品を誇らしく思っているしね。早くみんなと分かち合いたいよ。

−−今回は「エピソード7」から「9」に至る真ん中のパートですが、脚本作りの際は、最終的な結末は聞かされたんですか?

RJ:僕も驚いたんだけど、基本的には真っ白な紙を渡された状態に近かったんだ。でも、そのお陰で有機的に物語を開発していくことが出来た。「『スターウォーズ』の脚本を作るなら、ここからここまで、というアウトラインがあるのでは?」と考える人も多いんだけど、実際は全然違う。僕らはキャラクターと一緒に、手探りで“道のり”を探していくという体験をするんだ。僕の場合は、J・J(エイブラムス)が制作している時から脚本を書いていたから、デイジーがレイをどう演じ、ジョンがフィンをどう演じ、アダムがカイロ・レンをどう演じるのかを、日々観ることができた。彼らが演じるキャラクターに引き込まれて、そうした要素を脚本に盛り込んでいくことができたんだ。

ーー今回のエピソードには“衝撃の展開”が含まれているということですが…

RJ:衝撃といっても、人生でサプライズが起きた時と同じように、振り返ってみると理にかなっていると感じられるサプライズなんだ。ただ単に「観客をびっくりさせよう」というものじゃなくてね。後からキャラクターやストーリーを振り返って「だからあの時にあのキャラクターはああやって行動したのか!」って腑に落ちるようなサプライズが一番良いサプライズだと思うんだよね。…その上で、箱を降って、みんなに驚いてもらうことは、良いことなんじゃないかな?(笑)

ーープロデューサーのキャサリーン・ケネディは以前のインタビューで「『スターウォーズ』の監督は作品をパーソナルなものにする必要がある」という旨のことを話していました。いま振り返ってみて、新作はあなたにとってパーソナルな作品だと言えますか?

RJ:その部分こそ、この映画に関わって一番ワクワクできる部分だったんだよね。今まで僕はインディ映画を撮っていて、自分で脚本を書き、自分で監督するという言ってみれば、とてもパーソナルな作品を作ってきたわけだよね。一方で、『スターウォーズ』を撮るということは、ワクワクすると同時に、もしかしたら巨大なマシーンの歯車の一つとして、ただレバーを引いていれば良くて、あとはそれに付随するオモチャがたくさん作れれば良い(笑)みたいな、そんな風にならなければ良いな…と僕自身も思っていたんだ。だけど、実際にはその真逆でさ。ものすごい自由を与えられて、『スターウォーズ』の何が自分にとって響いたのかを考えて、それを追いかけることを守るためのスペースが与えられたんだ。僕はその中で、良質な『スターウォーズ』ムーヴィーが撮りたいと思った。そして、出来上がった作品も、自分がこれまでに作ったインディーズ映画と何ら変わらないパーソナルな作品になったんだよね。

ーー新作では新しいクリーチャーもたくさん登場するようですが、やはり『スターウォーズ』にとってクリーチャーは重要ですか?

RJ:もちろんだよ。子供の頃、『ジェダイの帰還』のメイキング映像を初めて観たんだけど、ジャバの中に、ジャバを動かすための人が入っていて、しかも煙を出すために中で葉巻を吸っていたんだ(笑)。それを観た時に「こうやって撮ってたんだ!」って驚いたよ。今作も素晴らしいクリーチャー・ショップを経営している「Neal Scanlan」さんに参加してもらって、実際にカメラに映るクリーチャーをたくさん用意してもらった。クリーチャーの実物を現場で物理的に撮影することができたのは、監督としても非常に大きなことだったと思うな。

ーー最後に、新作にはロマンチックな要素はありますか? また、映画の見所はどこでしょう?

RJ:たしかにロマンチックなドラマはあるけど、ハンとレイアの恋愛と同じようなものは、今回はないかな(笑)。今回の映画は『フォースの覚醒』が終わった時点で、それぞれのキャラクターが自分の道のりを歩み始めていた。だから僕の役割はそれぞれの道のりがどこに向かっているのか?を掘り下げることだったんだ。

 物語の核もやっぱりそれぞれの道のりなんだよね。各々に個人的な挑戦に直面するけど、それらはある一つのテーマで括ることもできる。言い換えれば、自分がどこから来たのか? 自分がどこへ向かおうとしているのか? の押し引きなんだよね。レイで言えば、彼女の親は誰なのか? ルークの役割は? 物語の中で、自分の役割が何なのか?を見極めていくこと。簡単に言えば“大人になる”ということだよね。フィンの場合も、前作でファースト・オーダーを去る決断はしたけれど、実はこれまでの行動は、全部自分のためではなく、誰かのための行動だったりする。レジスタンスの一員になったのも、友達のためであって、自分の使命感ゆえとかではない。だから、これから自分がどこに向かうのか? が大切になってくるんだ。


◎作品情報
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
2017年12月15日(金)より、全国公開
監督・脚本:ライアン・ジョンソン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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