(写真: グランツーリスモの発表資料より)

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 リアルドライビングシミュレーターの「グランツーリスモ」と共同で、ホンダは「ホンダ・スポーツビジョン・グランツーリスモ」を発表した。

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 エンジンは、直列4気筒ターボで410ps/7500rpmを発揮する。車重899kgと軽量、ミッドシップレイアウトで8速DCTを積む、本格的ライトウェイト・スポーツカーである。これは現在のところコンセプトカーであるが、市販に向けた動きが期待される。

 「ホンダ・スポーツビジョン・グランツーリスモ」は、グローバルにデザインコンペティションを開催してそれを成熟させたようで、「人間中心」とのコンセプトでパケージを完成させている。デザイン重視の車とならざるを得ないが、車の重要な技術である軽量化に取り組んでおり、カーボン素材を生かして899kgと軽量に仕上げられている。

 詳しいことは発表になっていないようだが、軽量化技術は燃費、操縦性、乗り心地など車の基礎性能を左右する重要な技術だ。現在では、燃費性能を左右する最も重要な技術であり、ホンダが求めるライトウェイト・スポーツカーにとって、「軽くなければ仕方がない」と言わせるほど中心の技術だ。

 イギリスに始まったライトウェイト・スポーツカーだが、現代では豪華装備や安全装備などで車体は重くなる一方であった。そこに新素材技術が投入され、シャーシ、ボディなどの軽量化を図り、プラットフォームの強化を得て、最適なハンドリングを求めていくのが現代技術の方向性だ。

 ターボエンジンの採用で900kgの車重に410psでは、低速トルクの強大さを含めると、決して「ライトウエイト・スポーツカー」とは言えない。ライトウェイト・スポーツカーの醍醐味は、高回転エンジンの馬力を取り出すべく、クロスレシオ・ギアボックスを駆使して、ミッションをシフトすることに尽きる。ターボエンジン・8速DCTでは、「GT」すなわち「グランドツーリスモ」の名にふさわしい「長距離クルーザー」ではないのか?エンジンの仕様から見ると、そう感じる。ただ単に車重が軽いのではないか?「アクセルを吹かせば、飛んで行く操縦性ではないのか?」と疑問が湧く。

 ライトウェイト・スポーツカーの醍醐味には、軽量であることを利して、非力なエンジンでも、その力を極限まで引き出し、出来るだけ速く走ることがある。大パワーで低速トルクが強くては、興味が半減するのであろうか。

 ここまでパワープラントが変化してきたのなら、いっそ、電動モーターを組み合わせたホンダ・NSXと同じHVにすると、低速トルクが絶対的に大きくなり、抜群の走りを見せるのではないかと考える。操縦の楽しみは減じてしまうが、アクセルを踏めば、思う通りの加速を見せ、電子ハンドリングコントロールで正確な操縦が出来ることが予想できる。

 ミッドシップにエンジンを搭載すると言っても、新時代の「ライトウェイト・スポーツカー」を標榜するのなら、何らかのモーター駆動を取り入れたパワープラントを取り入れるべきであろう。ホンダにはNSXがあるのだから。