"悪いんだけど"と仕事を頼む男は嫌われる
広報担当は、会社の窓口としてさまざまな関係者と言葉を交わす機会があります。そうしたやりとりからは、相手の人間性もみえてきます。アウトな人は、どんな言い方をするのか。雑誌「プレジデント」(2017年11月27日号)の特集「話が面白い人 入門」から、「広報女子座談会」をご紹介します――。

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和歌子さん(仮名)
IT系企業人事広報。独身。苦手な男性は細かすぎる人。理想の上司は『スラムダンク』に登場する藤真健司。
 

佳代さん(仮名)
人材系企業広報。既婚、子なし。苦手な男性は指示が細かすぎる人。好きなタイプは部下を守れる人。
 

照美さん(仮名)
化学メーカー広報。独身。苦手な男性は頑固で、思いやりや配慮に欠ける人。口調が柔らかい感じの人が好き。
 

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【和歌子】私は男の器って言い方で測れると思うんです。何か話しかけたときに「こんなこともできないの?」とか言う人は絶対にモテません。それで腹を立てない女性はいませんから。同じことを伝えるのでも、「もっとこうしたらいいんじゃないのかな?」という言い方に変えるだけで、「はい、頑張ります!」ってなる。上から目線は本当にイヤ!

【照美】細かすぎる人もムリ。前の職場で、わかっていることを何度も言ってくる上司がいました。「これはこういう意味だから」とか「明日が締め切りだからね」とか。要は根が小心者で心配性なんです。百歩譲って、それは性格だからいいとしても「あなたの基準に人を巻き込むな」と言いたい。

【佳代】心配性の上司は私も苦手です。それでいうと、信用していない言い方をされると、ちょっとイラッとしますね。いまの職場にも「これ、どこ情報?」「何なの?」とかいちいち聞いてくる人がいます。死んだ魚の目で瞬きもせずに「エビデンスを出せ」って。

【照美】相手を信用していないからこそ、頼むときも細かく言っちゃうのかな。

【佳代】細かいのもイヤだけど適当すぎるのも考えものですよ。私の夫の場合は、頼みごとをすると「わかったよー」とか言うのに実際はまるでわかっていない。空返事。それでまた頼むから同じやりとりを繰り返すことになり、日々お互いにイライラが溜まってくる。

男性は気にならないかもしれないけれど、女子が嫌う男特有の言い方ってありますよね。私がげんなりするのが、部下や同僚には上から目線の物言いなのに、上司にはペコペコして猫なで声で擦り寄っていく男性。この前、普段私には「フーン」みたいに挨拶している人が、役員が来た途端に「おはようございます!」とか張り切っちゃって。さっきはダルそうだったのに、何キャラなんだ、と。男の人は女子がそういう姿にあきれているのに気付いていないんですかね?

【和歌子】女子会ではよくネタになっていますよね。ああいったやりとりを見ると女子は「うわぁっ」て引いてしまう。いまの会社で出世を目指すというサラリーマン根性なのかな。

【佳代】上司の長話も男の人は黙って聞いていますよね。私なんて、「ありがとうございます。じゃあさっきもらったこれとこれ、もう1回揉んでみます」ってすぐ話を切っちゃいますけど。

【照美】男性はそのムダな話に付き合って社内政治はうまくやれているのかもしれないけど、人としては……。

【佳代】ヤバい。

【照美】そういう人って出世もしていない気がする。何でも言うこと聞くから可愛がられてある程度までは上にいくけど、そこから先は難しいのかも。

【佳代】しかも決まって昔の武勇伝を語りたがりますよね。「俺がこの車を売りまくったんだ。それで会社は一気に成長したんだ」なんて、真偽を判断しづらい昔の話を。いつまで同じ話をし続けるつもりなんだと思っちゃいます。

【照美】男性ってやっぱり褒められたい生き物なんですね。私は新卒で入った会社で先輩女子社員から、男性の上司を褒めるときに「さしすせそ」を使うといいよと教えられました。「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんですね」という5つの言葉。これさえマスターしておけば男性の上司は喜んでくれるからと言うんです。まあ、いまでもこの教えを守っています。実際うまくいきますね(笑)。

【佳代】承認欲求やプライドが高いのかもしれませんね。そういう人は自分が知らないことを認めたくないときに、口調が強くなる気がする。

【和歌子】ビジネス書を読んだりセミナーに行ってきた後に、その考えをあたかも自分の言葉のように話す人もいますよね。

【照美】間違いなく仕事はデキないタイプ。本当にデキる人って、中学生レベルでも理解できるように、言葉を選んで説明する。「エビデンスが」とか「PDCAを高速で回すんだ」とか、この人はカタカナ用語を並べたいだけなのかなとか思っちゃいます。

【和歌子】わかる! 男性に知っておいてほしいのは、「枕詞」を使ったほうがいいということ。「これお願いね」と言う前に、「忙しいと思うんだけど……」とか思いやりのある枕詞をはさむだけで印象がガラリと変わると思うんです。

【佳代】大事ですよね。ただ、やりすぎはNGですよ。とくに枕詞で「悪いんだけど」とか言われたら私は逆にムカつきますね。悪いんだったら頼まないでほしいし、何しろ変に遠慮されるのがイヤ。男同士なら「これ頼む」とか「よしっ、飲みにいこうぜ」と気軽に話しているのに女子に気を使う人は多い。「いま、ちょっといいかな?」「今日、元気ないね」とか言われるのも、それをいま話す必要があるのかと思う。仕事なんだから、遠まわしな言い方をしないで早く要件を伝えるべき。女子校出身者はとくに変に気を使わないで育ってきたから、男っぽい傾向にある。サバサバしているから、傷つけないようにと気を使われることでむしろ傷つくんですよ。

(神田 桂一 撮影=三浦咲恵)