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◆20分に1度、双方向の対話で聞き手を引き付ける

 スクリーンを背にした正面を基本的な立ち位置にして、正面左右、会場左右、聞き手の中に入り込んで動きながらプレゼンをしていくことができるようになると、かなりの程度聞き手を引き付けることができるようになることは前回お話した。

 さらに聞き手を引き付ける手法がある。それは、双方向での対話を組み込む方法である。一方的なプレゼンテーションによる伝達ではなく、話し手と聞き手の双方向で対話する時間を設けることだ。

 聞き手から質問、意見、感想を言ってもらうことも、双方向の対話のひとつだ。どの程度の頻度で、双方向の対話を入れるかということも検討が必要だ。

 聞き手の状況によるが、私は、例えば、1時間で、3つのトピックスについて、20分ずつプレゼンテーションする場合、20分の間に一度ずつ双方向の対話を入れるということを好んで実施する。集中力の低下を防ぐための、双方向の対話は、20分に一度ずつくらい入れることが賢明に思える。

◆2人一組、グループ、さまざまな意見交換方法を組み合わせる

 話し手と聞き手の双方向の対話の方法として、聞き手同士で意見交換し合う方法がある。大事なポイントは、聞き手同士で意見交換して、それで終わらせないということだ。聞き手同士で意見交換して終わらせてしまっては、話し手と聞き手の双方向の対話にならない。

 聞き手同士で意見交換した場合でも、その後、話し手と聞き手の間で意見交換する。聞き手同士で意見交換した内容を何人かに共有していただき、話し手がコメントする。

 聞き手同士で意見交換する方法には、2人1組で行う方法、4から5人のグループで行う方法、聞き手全体で行う方法がある。2人1組で行う方法は、隣同士や前後の人同士で意見交換する方法だ。グループで行う方法は、例えば3人で1テーブルに座っているのであれば、前後のテーブル同士で向かい合って意見交換する方法だ。

 これらの方法は、同じ方法が続かないようにすることが、聞き手の集中力低下を防止するためには必要だ。2人1組で実施したら、次は全体で、全体で実施したら次はグループで実施するというように、目先を変えて異なる方法を組み合わせて意見交換する。とても単純なことだが、こうした工夫をして運営しているケースは実に少ない。

◆聞き手に発言させる仕掛け

 全体の場での意見交換は、話し手がファシリテーションし、聞き手全員を相手にしながら、意見交換する方法だ。このように紹介していくと、「全員を相手に意見交換しても、聞き手が発言して来ないが、どうすればよいか」という質問を受けることがよくある。

 実は、聞き手の発言を促すことに効果のある仕掛けがある。そして、それは、発言の場面からではなく、そのプレゼンテーションの開始時から実施する方法だ。この方法は、プレゼンだけでなく、会議や研修などの場でも、聞き手同士の意見交換を促進するためにとても効果がある。

 聞き手の発言を促す方法とは、以下のような方法だ。

・聞き手が座る席を指定せずに、自由に座っていただく
・聞き手に提供する飲み物は、一か所にさまざまな種類の飲み物を置いておき、聞き手に自由にお好きなものを取っていただく
・聞き手の名札は、主催者があえて用意せず、名札記入用紙に、聞き手自身が記入していただく
・開始時に、グループ毎に、聞き手が一人ずつ、自己紹介と今の心持ちを発言して共有する
・発言にあたっては、発言の順番を決めたり指図したりしないで、話したくなった人から話す

◆相手を尊重するというメッセージを送り関係の質を強化する

 これらは、いずれも、聞き手の能動的な発言を促す下地をつくる仕掛けだ。席が自由なのも、飲み物を選んでいただくのも、名札をあえて自分で書いていただくことも、そのためだ。