今年で12回目を迎える湘南国際マラソンが、12月3日に開催される。「すべての人が”HAPPY”になる日」をコンセプトに、マラソンのスタート地点となる大磯プリンスホテルでは、大会前日から多彩なイベントを実施。世界陸上銅メダリストの千葉真子さんを招いてのトークショーなどを、ランナーだけでなく、応援に訪れた人や地元の人々も楽しむことができる。

 フルマラソンの部に約1万9000人が参加するレース当日も、さまざまな取り組みでランナーを後押しする。昨年の大会で好評だった、湘南の味覚が楽しめる「SHONAN HAPPY 給水」は、しらすユッケ丼や海鮮クリームコロッケなどをレース中に食べることができる。そして、自己記録を狙うランナーたちにとって心強いのが、2年連続で湘南の地を走ることになったペースメーカーたちだ。


湘南国際マラソンに向けて調整する、NBRCのメンバー

 目標タイム10分ごとの細かいペースメーカーとして、「サブ4」「サブ3」などの目標達成をサポートするのは、NBRC(ニューバランスランクラブ)のスペシャルチーム。メンバー全員が元競技者のアスリートで、学生時代に大学駅伝で活躍したランナーも多い。東京農業大学OBの濱崎武雅さんは、「この大会に合わせて調整してきたランナーを引っ張ると思うと、こちらも気持ちが昂ぶるんです」と力強く語る。

「僕たちは普段から当日の設定タイムより速いペースで練習しているので、『ペースを守る』こと自体はそんなに難しくありません。ですが、それだけでは決意を持ってレースに臨むランナーたちを本当にサポートしていることにはならないんです。参加者がひとりよがりの走りにならないよう、同じ目標を持ったランナーが一緒にそれを達成できるように気を配ることが大事になってきます」

 濱崎さんをはじめ、昨年のレースで初めてペースメーカーを経験したメンバーがほとんど。それでも、チームで話し合いながら練習を重ねることで感覚をつかんでいった。城西大学OBの黒川遼さんにとっては昨年の大会が初マラソンでもあったが、レース本番ではランナーたちに積極的に声をかけながら走ることを心がけたという。

「周囲を走るランナーに、僕についてくればどのくらいのタイムでゴールできるのかを伝えながら走りました。会話をすることでリラックスできますし、『時計を見なくても目標を達成できる』という安心感を持ってもらえます。ランナーの体の状態も見て、つらそうな部分をしっかりケアしていくこともペースメーカーの役割なんだと実感しました。

 なかには、設定していたペースから遅れてしまうランナーもいるんですが、僕たちは2人1組で走るので、ひとりがサポートに回るなど柔軟に対応できます。遅れた人が焦って挽回しようとすると後半にガクっと落ちてしまいますから、そうならないようにゴールまでのプロセスを走りながら組み立てました。目標タイムを切ることも重要ですが、まずは完走して、準備してきたことを出し切る達成感を味わってほしいですからね」


昨年の経験を生かし、よりよいサポートを目指す(左から濱崎さん、黒川さん、松村さん)

「コースを楽しむことが、いい記録につながる」と話すのは、山梨学院大学OBの松村紀幸さん。湘南国際マラソンは箱根駅伝のコースの一部を走ることでも知られ、大磯をスタートして江ノ島で折り返すフルマラソンでは、湘南の海を間近に感じることができる。最大高低差も約13mしかなく、記録を狙いながら美しい景色を楽しめるコースだ。

「せっかくのロケーションですから、ときどき景色を見てリラックスしてほしいです。バランスのいい食事を摂ってエネルギーを体に蓄えておくなど、事前にしっかり準備をしておくことで、余裕が生まれやすくなると思います。

 レース本番では、給水に注意ですね。給水を逃すと体調が変化して苦しい走りになってしまうので、給水ポイントではペースを落としてもいいと思います。集団で走ると手が届かないランナーも出てきますから、そこは僕たちペースメーカーが2、3個ボトルを取って、周囲のランナーに渡すなどしてカバーしたいですね」

 昨年のレースでペースメーカーの役割を見事に果たした3人は、「一緒に走ったランナーの『ありがとう』という言葉が何より嬉しかった」と口を揃える。今年の湘南国際マラソンでも、ひとりでも多くのランナーに目標を達成してもらうため、頼れるペースメーカーたちが”最高のパートナー”としてレースを支える。

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