シモビッチがハットトリックを達成。前線の起点としても機能し、文字通り攻撃を牽引した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1昇格プレーオフ準決勝]名古屋4-2千葉/11月26日/パロ瑞穂
 
 J1昇格プレーオフ準決勝の名古屋対千葉が26日、パロマ瑞穂スタジアムで行なわれ、名古屋が逆転勝利で決勝進出を決めた。
 
 前半は千葉のペースで進んだ。リーグ終盤に7連勝を飾ってプレーオフ進出を果たしたアウェーチームは、その勢いのままに大一番でもアグレッシブなプレスで名古屋のパスワークを遮断する。そうして迎えた前半終了間際の45+2分、ショートコーナーを受けた為田大貴が低いクロスを送ると、中央のラリベイがDFともつれ合いながら左足に当てて先制点を流し込んだ。
 
 一方、1点を追う名古屋は、後半早々の54分に佐藤寿人に代えて玉田圭司を投入。すると、シモビッチのキープ力を生かした攻撃が機能し始め、61分に同点弾をもぎ取る。セカンドボールを拾ったシモビッチが田口泰士にパス。これは千葉のDF近藤直也にクリアされそうになったが、ブロックに入った田口に当たってボールはゴール前へ転がり、そのまま田口がドリブルで持ち込んで同点弾を沈めた。
 
 さらに名古屋は、直後の66分に追加点を奪う。GK武田洋平がパントキックを前線に送ると、そのまま相手GKのもとへ。簡単に処理できるボールに思われたが、千葉のGK佐藤優也が目測を誤って後逸してしまう。このチャンスをシモビッチが見逃さず、無人のゴールに流し込んで勝ち越し点を挙げた。
 
 その後、86分にシモビッチが加点してリードを2点に広げたが、千葉もラリベイのPKで食い下がる。そうして迎えた終了間際の90+6分、青木亮太が獲得したPKをシモビッチが決めてハットトリックを達成。直後に終了の笛が鳴り、4-2で試合は終了した。今季リーグ戦で2戦2敗を喫していた名古屋が、相性の悪さを克服して千葉を下した。12月3日に行なわれる決勝では、東京Vを下した福岡と対戦する。
 
 敗れた千葉は、61分に食らった不運な同点弾が重くのしかかった形だ。近藤のクリアボールは明らかに田口の手に当たっていたが、判定は覆らず。勝負事に”たられば”は禁物だが、あの1点がなければ違った展開になっていた可能性があっただけに、千葉にとっては受け入れ難い敗戦となったかもしれない。