ゴンザガ大の八村塁【写真:Getty Images】

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米挑戦2年目…平均7.2得点、4.8リバウンドとチームの開幕ダッシュに貢献

 日本バスケットボール界期待の星、ゴンザガ大の八村塁(2年)は米国挑戦2年目を迎え、確実な成長を遂げている。今季は開幕5試合終了時点で、平均出場時間18.4分、7.2得点、4.8リバウンドをマーク。全米大学バスケットボール(NCAA)を代表する強豪ゴンザガ大は4勝1敗の好スタートを切ったが、「Rui Hachimura」も大きく貢献していたと言っていい。

 八村は昨季、NCAAトーナメント準優勝に輝いたチーム内で、平均4.6分の出場時間しか得られなかった。しかし、1年目から2年目にかけての適応ぶりは凄まじい。ジョージ・ワシントン大の渡邊雄太(4年)同様、「NBAに最も近いところにいる日本人」と呼ばれる19歳は、やはりその将来に大きな可能性を感じさせる。

 そんな八村の現在地をどう判断すべきか。今後、NBA入りを実現させるためには何が必要なのか。昨年、八村のチームメイトとしてゴンザガ大でプレーし、今季ポートランド・トレイルブレイザーズでNBAプレーヤーとなったザック・コリンズに答えを求めてみた。

 コリンズは昨季、ベンチスタートながらセンターとして平均10.0得点、5.9リバウンドを挙げ、ゴンザガ快進撃の立役者の1人となった。シーズン終了後にブレイザーズからドラフト1巡目全体10位で指名され、20歳でNBAの大舞台に立っている。この細身のセブンフッターの目にも、八村のポテンシャルは驚異的に映っているようだ。

元同僚コリンズも身体能力に太鼓判「これまで一緒にプレーした選手の中で断トツ」

「ルイは僕がこれまで一緒にプレーした中で、最も身体能力に優れた選手だ。断トツだったと言って良い。身体が強く、ジャンプ力があり、リーチも長い。特にその若さを考えれば、身体の成熟度は驚異的だ。年齢的にもまだまだ強くなるだろう。フィジカル面で極めて恵まれた選手だね」

 コリンズの言葉通り、八村の身体能力はすでにゴンザガ大でもトップクラスと見なされている。スキルは発展途上でも、米国で通用してお釣りが来るほどのフィジカルの強さは魅力だ。端的に言えば、それこそが高評価につながる最大の理由だろう。

「NBAの選手たちはカレッジ選手より大きくて、身体も強く、スピードもある。まず最初にその部分に慣れる必要があるんだ」

 203センチ、104キロという立派な体躯だが、NBAではまだ線の細さが目につくコリンズは、NCAAとプロの違いをそう述べた。パワー面でまだアジャスト中のため、序盤戦は19試合中6戦のみの出場に終わっている。

 八村がいずれプロ入りするとして、同様に適応の時間は必要になるはずだが、“身体の成熟度”という点では現時点(203センチ、102キロ)ですでにコリンズをも上回っているのではないか。現在のNBAはウイング(シューティングガード、スモールフォワード)の層が薄いこともあり、八村はスカウトたちからマークされ続けるはずだ。

NBAで不可欠な要素とは…「厳しいシーズンで安定して力を出すことが最大の課題」

 一方、NBAを目指す上で、八村の課題となるのはどんな部分か。コート上での会話を問題なくこなす英語力とともに、コリンズは「ハードスケジュールの中でも力を発揮する安定感」を挙げた。

「カレッジでももちろん安定したプレーは必要だけど、試合数はNBAの半分にも満たない。特にゴンザガ大は試合が行われるペースは一定で、いつゲームがあるか、いつ練習できるかを理解し、身体を慣らしていくことができる。NBAでは練習時間が少なくなるので、それに対する適応も重要。より長く、厳しいシーズンで安定して力を出すことが僕にとって最大の課題だ。ルイにとってもそれは同じことになるだろう」

 実際にNCAAのシーズンが40戦以下なのに対し、NBAは82試合という長期戦だ。連戦も珍しくはなく、1年を乗り切るための負担は並大抵ではない。まだ身体が完全にはできていないルーキーにとって、スケジュールへの適応は“最初の関門”のようなものだ。八村に関しても、プレー時間の増えた今季から、まずはNBAよりはるかに日程の緩やかなNCAAで、シーズンを通じて安定して力を出せる術を学んでおくに越したことはない。

 現在の八村はまだ荒削りだけに、道のりは長いようにも見える。それでも将来のNBA入りを前提のように話すコリンズの言葉を聞いても、潜在能力への注目度は明らかだ。ゴンザガ大で先発に定着することなくNBA入りしたコリンズ同様、控えの立場でもアピールはできる。来年、あるいは再来年6月のNBAドラフトに向けて、八村が準備を整えていくことを期待したい。