「プレーも評価して」 “不敗神話”を持つ浦和DF遠藤、ACL決勝で圧巻の「勝率88%」

写真拡大

ACL決勝第2戦、右サイドバックでフル出場 対人守備で残した圧倒的な数字

 “不敗神話”を継続させた男は、ジンクスだけでなくプレーでも圧倒的な存在感を放っていた。

 浦和レッズの日本代表DF遠藤航は25日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦、本拠地アル・ヒラル(サウジアラビア)戦で右サイドバックとしてフル出場。対人守備で圧巻の数字を残した。

 遠藤が前日記者会見に出席すると負けない――。浦和のACLには、そんな奇妙な不敗神話があった。それもあり、気が付けば準決勝以降の記者会見は遠藤が完全なる“担当者”となった。18日の敵地初戦を1-1で引き分けて帰国すると、会見の出席者が決まる前から「出るの、オレでしょ」と言って笑っていた。そして試合前日、当たり前のように記者会見場には遠藤の姿があった。

 試合後、記者会見での不敗神話について聞かれた遠藤は、苦笑いしながらも「そう言われることは嬉しいですけど、一番は自分のプレーを評価してもらうこと。会見どうこうのほうが記事にはしやすいと思いますけど(笑)。しっかりと自分のプレーも評価してもらって記事にしていただけると嬉しいです」と話していた。

 だからこそ、この決勝第2戦で遠藤が見せたプレーや残したデータが素晴らしいものだったことを特筆すべきだろう。大会公式サイトが公開しているデータで、遠藤が残したこのゲームでの“デュエル”の数値は凄まじい。地上戦で15勝3敗、空中戦で7戦全勝。つまり、トータルして25戦を22勝3敗ということなる。これを勝率にすれば88%だ。それだけ、ボール際の争いで強さを発揮し、縦へのフィードや逆サイドからのクロスに対して堅牢な守備を見せた。浦和の右サイドには、恐ろしく強固なカギが掛かっていたことが分かる。

 さらに、自分が受けたファウルは二つだが、犯したファウルはゼロ。激しく相手に体をぶつけながら、そのプレーは非常にフェアなものだったということだ。守備の選手として、これ以上の結果やプレーはないだろう。

「相手はオドオドしていたように感じた」

 遠藤は「自分たちが前向きな姿勢を見せたことで、相手はオドオドしていたように感じましたからね。相手はプレッシャーを嫌がっていたし、それがハマったと思いますよ」と試合を振り返った。そして、サイドバックで起用されていることのメリットを語ったが、それはこの数字を裏付けているものだった。

「センターバックの選手が行かないといけないような場面でも、自分が競り合いに行ければ、後ろは余って対応ができますから。それは堀監督も理解していることだと思います。阿部(勇樹)さんも僕がハイボールの競り合いに行ってくれたほうが良いと思っているはずですし、良いコミュニケーションを取れています。それは自分に何ができるか、それを考えたうえでのプレーです」

 遠藤自身は日本代表でもプレーするボランチにこだわりを持っていることを過去にも話している。それでも、浦和が堀孝史監督に交代してから務めるようになった4バックのサイドバックは、遠藤にとってその長所を生かすポジションになっていることも事実だ。

 U-23日本代表として昨年にアジアを制した遠藤は、クラブでもアジアチャンピオンになった。勇躍乗り込むUAEでのFIFAクラブワールドカップへ「しっかりと戦って勝ちたい。負けてすんなり帰ってくることはもったいない」と意気込む。守備のユーティリティーとして浦和を支えている「背番号6」は、世界の舞台でもその対人守備能力を見せつけてくれるはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images