東急コミュニティーはこのほど、「防災アンケート調査」の結果を明らかにした。同調査は10月3日〜5日、30代以上でマンションに住む男女3,128人を対象にインターネットで実施したもの。

過去の震災で被害に遭った経験者と非経験者別に災害対策を尋ねたところ、「家具の固定や転倒防止、落下物防止の対策」「懐中電灯や乾電池をすぐに持ち出せる場所に用意」「貴重品をすぐに持ち出せる場所に用意」など、すべての項目で経験者の方が実施率が高かった。

特に両者の差が大きい災害対策は、落下物防止の対策などの「命のリスク」、懐中電灯などを用意する「ライフラインのリスク」、薬やメガネなどを用意する「生活必需品のリスク」の3カテゴリーに分類できることがわかった。経験者は実体験を踏まえた対策を行っていると考えられるため、震災対策はこの3つのリスクに備えることが有効であるという。

災害を想定して行ったことを聞いたところ、震災被害経験者と非経験者の差が大きい行動は「家族で災害発生時の想定や行動を話し合った」(20.7%、差7.0%)、「家族と災害時の集合場所や連絡方法を確認した」(25.4%、差6.4%)だった。経験者は家族と災害時の対策について話し合い、確認している割合が高いことがわかった。

今から30秒後に震度5以上の地震が起きるとしたら何をするか尋ねたところ、非経験者は「わからない、何もできない」の回答が19.4%と、経験者より1.6倍も高かった。一方、経験者は非経験者より、「屋内で自身と家族の安全を確保する」「火を消す、電気を消す」「避難の準備をする(非常持ち出し袋など)」といった回答が多かった。

マンション居住者の潜在的な「共助」意識について調べると、「災害発生時に近隣世帯を助けようとする意識」では78.6%、「災害発生時に近隣世帯から助けてもらえる期待」は44.2%があてはまると回答した。

マンションの戸数別で比較すると、500戸以上のマンションでは、「助けようとする意識」は83.4%、「助けてもらえる期待」は49.7%とともに最も高い。500戸以上のマンションは「管理組合のイベントや行事への参加」や「管理組合や自治会の防災・避難訓練への参加」の参加率が最も高いことが影響していると考えられるという。

現在、住んでいるマンションの管理組合では、「建物の耐震性診断の実施」「災害に備えた水・食料、生活用品や機器などの備蓄」「災害対策マニュアルの策定」の取り組みを行っているか知っているか尋ねたところ、「具体的な内容を知っている」と回答した割合が最も高かったのは500戸以上のマンションの住民だった。

都市基盤安全工学国際研究センター長の目黒公郎氏によると、地震発生時において必要になるのは、季節や天候、時刻や居住環境、立地・周辺事情、さらに時間経過とともに変化する災害状況を正確に想像する「災害イマジネーション」と呼ばれる力であるという。

「日頃から災害時の状況をシミュレーションする習慣を持ち、より精度の高い状況認識に基づいて、世帯やマンションごとでも変わる準備すべきコト・モノを具体化し、実効性の高い事前対策を備えておくべき」と目黒氏。その際、特に最優先することは、「災害発生時に生き残ること」であるという。

具体的に行っておきたいこととして、「家具・什器の転倒やガラスの破損・飛散防止」「安全確保のための防災用品の常備」「家族間での初期行動や安否確認方法の共有」「マンション周辺の被害予測に則ったより危険性の低い避難場所・経路の確認」を挙げている。